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Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の機能と使い方

Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)とは

Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)とは、アップル独自のAIアシスタントです。 2023年のChatGPTをはじめとする生成AI(LLM)利用の流れを受けて、アップルが独自に開発した、iOS / MacOS 専用のAIアシスタントです。 Apple Intelligenceは、2024年6月10日(現地時間)に開催されたWWDC2024(開発者向け会議)において、iOS18/iPadOS18とともに発表されました。

Apple Intelligenceの使えるデバイス

Apple Intelligenceが使えるのは、CPUにA17 Pro(2023)以降、またはM1(2021)以降を、 そして8GB以上のメモリーを搭載したデバイスのみです。 具体的な対応デバイスは下記の表をご覧ください。
またリリース時期については、まずはベータ版として、2024年秋に北米圏から英語で提供が開始される予定です(10月28日月曜日リリース予定のiOS18.1)。 また、ChatGPTとSiriの統合、 イメージプレイグラウンド 機能と ジェン文字 機能は12月リリース予定のiOS18.2以降で搭載される見込みです。 その後もiOS18.3(2025年1月ごろリリース予定)、iOS18.4(2025年3月ごろリリース予定)にかけて、このページで解説する機能が順次実現されていく見込みです。 その他の言語と地域は2025年以降に順次使用可能となる見込みです。
なお、Digital Markets Act(DMA)法の制約により、EU圏のユーザーには、 iPhoneミラーリング SharePlay画面共有 、そしてこの Apple Intelligence の3機能は当面リリースされない見込みです。
Apple Intelligenceが使えるデバイス
シリーズ モデル
iPad Pro M4(2024)
6G(2022)
5G(2021)
iPad Air 6(2024)
5(2022)
iPad 対応無し
iPad mini 7(2024)
iPhone 16Pro/Pro Max (2024)
16/16 Plus (2024)
15Pro/Pro Max (2023)
(iPhone 15 / 15 Plus は非対応)
iPod touch 対応無し
Apple Watch 対応無し
Mac CPUにM1以降を搭載した MacBook Air / MacBook Pro / iMac / Mac mini / Mac Studio / Mac Pro

Apple Intelligenceの有効化

Apple Intelligenceを使うには、 対象デバイス でiOSを18.1以降にアップデートしたうえで、 設定(設定)画面を開いて、Apple Intelligence の待機リストに参加する必要があります。 数時間程度の待機リストの待ち時間の間に、デバイスはApple Intelligenceに必要なファイルをダウンロードします。 一つのデバイスで待機リストに登録すると、同じApple IDアカウントにサインインしているすべてのデバイスで、Apple Intelligenceが使用可能となります。

作文ツール(Writing tool)

あらゆるアプリのテキスト入力・編集エリアで使える、ドキュメントの生成・校正ツールです。 スペルや文法の誤りをチェックしたり、 ユーザーの作成した文章を、「フレンドリー」「プロフェッショナル」「簡潔」といったニュアンスを指定して生成しなおし、調整することができます。 あるいはユーザーに代わってテキストを校正したり、要約したりすることができます。 この機能は、テキストを選択し、キーボードの上部にあるクイック アクセス ライティング ツール オプションをタップするか、選択したテキストをタップしてライティング ツールを選択すると使用できます。

メール/メッセージ


「スマートリプライ」という、メール/メッセージ返信の下書きを生成する機能が搭載されます。 これは、本文に明確な質問が含まれているメッセージに返信する場合に役立ちます。
ロック画面には、メール/メッセージの最も重要な情報を含む短い要約「メールの優先メッセージ」が表示されます。 メールの受信トレイでは、先頭に「要約」が表示され、最も重要な項目をユーザーに表示します。 各受信メールには、その内容を要約するための要約ボタンがあります。
メッセージの要約をオフにするには、[設定]-[アプリ]-[メッセージ]画面で「メッセージの要約」をオフにします。メールの要約も同様に、メールの設定画面でオフにします。

通知


通知については、サードパーティのアプリを含むほぼすべての通知をグループ化し、その内容が 1 文で簡単に要約されます。 タップするとスタックが展開され、すべての通知を個別に表示できます。 また通知の内容に従って、急いで確認が必要だと思われるもののみを通知する「さまたげ低減(Reduce Interruptions)」 集中モード が使えます。
通知の要約をオフにするには、[設定]-[通知]画面で「プレビューの概要」をオフにします。 この機能は、完全に無効にすることも、アプリごとに無効にすることもできます。

Safari


Safariでは、URL バーに紫色の輝きが表示されている場合は、それをタップすると、ページの概要が表示できます。 通常は長いWebページでは要約が自動的に表示されますが、要約が表示されない場合は、リーダーモードに切り替えて[要約] ボタンをタップします。 また、Webページのテキストを選択し、「ライティング ツール」をタップして「概要」を選択すると、選択したテキストの概要が表示されます。

メモとその他のアプリ


Safariと同様に、テキストを選択して、その要約を表示させることができます。 音声メモの書き起こしと、その要約を表示させることもできます。

録音と文字起こしの要約

(電話)アプリと(メモ)アプリの録音と文字起こし機能で、内容の要約機能が搭載されます。 (録音と文字起こし機能は、Apple Intelligenceが無効のデバイスでも使用できます) これはiOS18.1にアップデートしたiPhone XS以降で、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、日本語、中国語、広東語、ポルトガル語で利用可能になる見込みです。

イメージプレイグラウンド(Image Playground)

この機能を使用すると、(メッセージ)でテーマ、衣装、場所などのコンセプトを選択したり、説明を入力したりして、オリジナルの画像を作成できます。 (メモ)などでは、記事内容にマッチしたオリジナルの画像を作成できます。
「イメージプレイグラウンド」は独立したアプリとしても使用でき、 キーワードを指定したり、文章で記述したり、写真を参照させることで、それに関連する画像を生成することができます。 画像は「アニメーション」、「イラスト」、「スケッチ」の 3 つのスタイルから選択できます。 これは下記の「ジェン文字(Genmoji)」の生成にも使用します。 開発者にはAPIが公開されるので、サードパーティアプリにもこの機能が搭載可能です。 なお、イメージプレイグラウンドで生成された画像には、その旨がEXIFデータにタグとして埋め込まれます。

ジェン文字(Genmoji)

これはユーザーが独自のカスタム絵文字を作成できる機能です。 (メッセージ)アプリのキーボードから直接作成できます。 メッセージの文章に追加したり、 ステッカー として共有したり、メッセージアプリで Tapback として使用することができます。 ただしこれは通常の絵文字と異なり、文字コードを持たないただの画像です。 iOSのリッチテキストをサポートする場所であればどこでも Genmoji を書き込むことができます。

画像マジックワンド(Image Wand)

画像を生成する「画像の魔法の杖」です。 (メモ)などで、指またはApple Pencilを使ってすでに描かれた画像を円で囲むと、その画像がブラッシュアップされます。 また、何もないところを円で囲むと、周りのテキストを理解して、関連する画像を生成してくれます。 これは マークアップ 機能のツールの一つとして提供され、メモなどに描いた画像や空白エリアを囲むだけで動作します。

写真

クリーンアップツール(Cleanup Tool)


これは(写真)アプリで、背景から邪魔なオブジェクトを削除できるツールです。 削除したいオブジェクトや人物をタップ、円で囲む、またはブラシで覆うと、写真の中からそれが消えてしまいます。 この機能はデバイスで撮影した写真だけでなく、パソコンなどから転送した、デジカメなどで撮影した写真にも使用できます。

メモリーメーカー


(写真)アプリの「メモリー」で説明を入力すると、関連する写真をピックアップして「メモリームービー」を生成してくれます。 テキストプロンプトを使用して、写真やビデオからカスタムメモリームービーを作成できます。 自然言語で入力すると、最適な画像を検索し、始まり、中間、終わりのあるBGM付きのミニストーリーを作成します。 生成されたムービーは、タイムラインとタイトルを編集して、カスタマイズすることもできます。

写真とビデを検索


(写真)アプリで自然言語を使用して、特定の写真やビデオクリップを検索できます。 (写真)アプリの検索ボックスに説明を入力すると、写真はもとより、ビデオの中から関連するシーンをピックアップしてくれます。

Siriとの統合

Apple Intelligenceによって言語理解能力が向上し、より自然に会話することができます。 ユーザーが言葉に詰まったり、指示の途中で気が変わって言い直しても、Siri は理解してくれます。 アップル製品に関する知識が豊富なので、デバイスの使い方についても教えてくれます。 またオンスクリーン認識により、画面に表示されている内容を認識してアクションを実行できます。 シームレスにアプリ内やアプリ間でアクションを実行することもできます。

Siriの呼び出し


Siriを呼び出した時の表示が変わります。 従来は画面中央下部にSiriアイコンが表示されていましたが、Apple Intelligenceを有効にしたiOS18.1以降では、画面全体の端の部分を取り囲むように、カラフルな光のアニメーションが表示されます。 またディスプレイの下部をダブルタップすると、Type to Siriインターフェイスが表示され、音声入力の代わりに文字でリクエストを入力できます。

ChatGPTとの連携


ChatGPT(GPT-4o)は、2024年後半に無料でオプションとして利用可能になります。 Siriは質問の内容を検討して、ChatGPTのほうが役に立つと判断すると、それを提案してくれます。 その後、クエリを ChatGPT に渡すかどうかを毎回明示的に尋ねます。 ユーザーが ChatGPT の使用を承認した場合のみ、Siri はクエリに関する限定的な情報をChatGPTに渡します。 その後ChatGPTからの回答をSiriが返してくれます。
ChatGPT を使う場合は、事前に設定画面で有効にする必要があり、さらに使用するたびにユーザーの許可を求められます。 ユーザーの IP も毎回難読化されるため、OpenAI は過去の検索と一致させることができません。 このためChatGPTにユーザーのプライベート情報が渡されることはありません。
ただし、ユーザーが所有している OpenAIアカウントでログインすると状況が変わります。 その場合は、ユーザーがOpenAIアカウント作成時に同意したポリシーに従います。
iOSに接続可能なLLMについては、ChatGPT以外も検討されており、将来的にはGoogle Geminiも選択できるようになる可能性があります。

セキュリティとプライバシー

上で示した各機能の中には、クラウド内での処理が必要になる場合があります。 Apple Intelligence は、プライベートクラウドコンピューティングにより、セキュリティとプライバシーを維持しながらクラウドで動作できます。

アクティビティレポートを読む

あなたがこれまで使用した Apple Intelligence クエリの記録を、".json"形式のテキストファイルとして取り出すことができます。 設定(設定)-プライバシー(プライバシーとセキュリティ)-[Apple Intelligence Report] 画面を開き、レポート期間を指定し、「Export Activity(アクティビティのエクスポート)」をタップすると、取り出すことができます。

米国以外でApple Intelligenceを利用する方法

Apple Intelligenceは当初は米国で英語のみで利用できます。 しかし開発者向けベータ版iOS(18.1以降)の場合は、デバイスの言語設定をアメリカ英語に切り替えるだけでどこでも利用できるようです。 設定(設定)-(一般)-[言語と地域]で"English(英語)"を選択します。 そして[地域]で"アメリカ合衆国"を選びます。 (言語の切り替えにはデバイスの再起動を伴います)
そして設定画面の[Apple Intelligence & Siri]を開き、ここでも[言語]を"English(英語)"にします。 [Join Waitlist(待機リストに参加する)]をタップしてしばらく待つと、これが[Apple Intelligence をオンにする]に変わります。 それをタップするとApple Intelligenceが使用できるようになります。