Apple AirTag(エアタグ)の使い方 なくし物を発見/置き忘れ防止
AirTag(エアタグ)とは、なくし物を発見したり、置き忘れを防止できる、アップル純正のBluetoothタグ/紛失防止タグです。 Bluetooth電波の届かない場所に置き忘れ/盗難されても、アップルの「“探す”ネットワーク(Find My network)」を使って、世界中どこでも、遠く離れたAirTagの現在位置の追跡が可能です。なお、Bluetooth(ブルートゥース)とは、小出力の無線電波を使ってデジタルデータを送受信する仕組みの名称です。
- AirTagとは
- AirTag用アクセサリ・保護ケース
- 超広帯域チップ(UWBチップ)とは
- 超広帯域チップ(UWBチップ)を搭載したデバイス
- AirTagの初期設定
- 近くのAirTag(持ち物)を探す/手元から離れたときに通知する
- 近くにAirTag(持ち物)が見つからないとき/紛失モードの使い方
- 「“探す”ネットワーク」の仕組み
- 長期間AirTagが見つからなかったとき/他人のAirTagを見つけたとき
- 他人のAirTagがあなたと一緒に移動しているとき/他人から追跡されていると考えられるとき
- 他人のAirTag(忘れ物)を見つけたときの対処方法
- 「AirTagはあなたと一緒に移動しています」と表示された場合/トラッキング通知/ストーカー対策
- AndroidデバイスでAirTagを検出する
- AirTagの電池の交換方法
- AirTagのシリアル番号とバージョンを確認する/バージョンアップする方法
- AirTagの使用をやめる/他人に譲る/ペアリングを解除する
- AirTagをリセットする方法
- AirTagの仕様
- AirTag関連ニュース&リンク集
AirTagとは
AirTagとは、カバン、鍵や財布、自転車やバイクなどに取り付けて、置き忘れを防止したり、なくしたときにその現在位置を調べられるBluetoothタグ/紛失防止タグです。 大きさは500円玉より一回り大きい、直径3センチ余りの円盤形で、 iPod/iPad/iPhoneの (探す) アプリを使ってAirTagの現在位置を確認することができます(位置情報の更新は約10分間隔程度)。 Bluetooth電波の届く範囲(約10m)を離れても、iPhoneユーザーのネットワーク「“探す”ネットワーク」を利用して、世界中どこでも、遠く離れたAirTagの追跡も可能です。 このため盗難されたものを追跡したり、周囲にiPhoneユーザーが多い市街地のような環境であれば、お子様やお年寄り、ペットの見守り・位置確認、スーツケースや宅配便などの配送荷物の追跡にも使えます。 ただし、例えば山の中など、周囲半径約10m以内にiPhoneユーザーが全くいない環境に置き忘れたAirTagは、位置の追跡ができなくなります。超広帯域 ( UWB : Ultra Wideband : Apple U1 ) チップを搭載した、2019年秋以降に発売されたiPhone(11シリーズ以降)を使うと、位置だけでなくiPhoneからAirTagまでの距離と方向も表示可能。 一般的なBluetoothタグより精度の高い位置情報が得られます。
AirTag本体にはApple U1チップと加速度計を搭載しており、またIEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間)の防水防塵能力を持っています。 スピーカーも内蔵していてサウンドを鳴らして位置を特定することができます。 他のアップル製品同様、アップルストアでの注文時には、表面にメッセージや絵文字を無料で 刻印 (アップル) することもできます。 一人で複数のAirTagを利用する場合でも、異なる文字を「刻印」しておけば、一つ一つを識別するのに便利です。 バッテリーはユーザーが交換可能(市販のCR2032)で、新品の電池を入れると1年程度稼働します。 AirPods同様、電源を入れたらiPhoneに近づけるだけでペアリングが完了し、すぐさま位置情報が確認できるようになります。
AirTagを使うのに必要なもの
AirTagを使用するには、iOS 14.5 以降 / iPadOS 14.5 以降にバージョンアップしたiPod/iPad/iPhoneが必要です。 セキュリティの関係で、 Webブラウザ版iCloud の「探す」機能からは使用できないのでご注意ください。
モデル・価格・発売日
AirTagは、2019年から2年近くもの間その登場がウワサされつづけていましたが、2021年4月20日に開催されたオンラインイベント「Spring loaded.」で、ようやく 第5世代iPad Pro 、 第6世代AppleTV と同時に発表されました。
商品バラエティーは1個売りと4個セットの2種類。 価格は1個で3,800円(USD29.00)、4個セットで12,800円(USD99.00)。 他社のGPSトラッカーにあるような月額使用料なども必要ありません。 2021年4月23日(金)午後9時から予約開始、2021年4月30日(金)に発売。 同時にAirTagをカバンなどに取り付けるための キーチェーン等 も発売されました。 さらに Hermèsの刻印が入った革製ラゲッジタグ、バッグチャーム、キーリング (AirTag Hermèsシリーズ) も35,800円~53,800円で発売されました。
-
Apple AirTag MX532ZP/A
アップル 2021-04-30 3,800円
AirTagは、あなたの持ち物をあっという間に見つけます。 鍵に付ける。バッグに入れる。それだけで「探す」アプリが あなたの持ち物を探し出します。これは、Apple製デバイスを 追跡したり、友だちや家族の場所を知るための方法と同じです。お財布が見つからない?AirTagが付いていれば大丈夫。「探す」アプリの新しい「持ち物を探す」タブで、AirTagの内蔵スピーカーに音を鳴らさせましょう。または「Hey Siri、お財布を探して」と声をかけるだけ。ソファの下や隣の部屋など近くにあれば、音が鳴る方を探すだけで見つけられます。
(iOS14.5以降にバージョンアップしたiPod/iPad/iPhone用)
AirTag用アクセサリ・保護ケース
AirTagには、ストラップホールなどが無く、そのままでは持ち物に取り付ける方法が無いため、ケースが必要になります。 アップル純正品をはじめ、多くのAirTag用アクセサリ・保護ケースが発売されています。 AirTag用アクセサリ のページをご覧ください。超広帯域チップ(UWBチップ)とは
超広帯域チップ(UWB:Ultra Wideband chip for spatial awareness)とは 無線規格 IEEE802.15.4zに準拠した通信規格で、一般のWi-Fi(20MHz)と比べて広帯域(500MHz以上)の帯域幅での通信ができるものです。 これを利用すると、近距離に於いて高速通信が可能であったり、UWBレーダーという技術を使用すると、GPSの電波が届かない屋内でも、近距離に於いて精度の高い位置情報が取得できます。ただし超広帯域通信は、一部の国では使用できません。
超広帯域チップ(UWBチップ)を搭載したデバイス
超広帯域チップ(UWBチップ)を搭載したデバイスは以下のモデルです。 なお、超広帯域チップには2種類の世代があります。シリーズ | 第1世代 | 第2世代 |
---|---|---|
iPad Pro | 対応無し | 対応無し |
iPad | 対応無し | 対応無し |
iPad mini | 対応無し | 対応無し |
iPhone |
14Pro/Pro Max (2022)
14/14 Plus (2022) 13/13 mini (2021) 13Pro/Pro Max (2021) 12/12 mini (2020) 12Pro/Pro Max (2020) 11 (2019) 11Pro/Pro Max (2019) |
16Pro/Pro Max (2024)
16/16 Plus (2024) 15Pro/Pro Max (2023) 15/15 Plus (2023) |
iPod touch | 対応無し | 対応無し |
Apple Watch |
Ultra (2022)
Series 8 (2022) Series 7 (2021) Series 6 (2020) |
Ultra 2 (2023)
Series 10 (2024) Series 9 (2023) |
AirTagの初期設定
新しいAirTagを使い始める前に、あなたの iPod/iPad/iPhone (AppleID) と結びつける「ペアリング」操作が必要です。 AirPodsとの接続と同様の手順で行います。 一つのAirTag(持ち物)を複数のユーザーで共有することができます。 家族や友人と一緒に、一つのアイテムの場所を確認したり、手元から離れたら通知を受け取ったり、探したりできます。近くのAirTag(持ち物)を探す/手元から離れたときに通知する
家の中など、近くにあるはずなのに見つからないものを探すには、iPhoneをかざすと、存在場所を教えてくれます。 また、置き忘れを防止するために、iPhoneから離れたときに通知してくれるよう設定することもできます。近くにAirTag(持ち物)が見つからないとき/紛失モードの使い方
遠くにAirTagを置き忘れた、または盗難された場合は、 他のiPhoneユーザーがそのAirTagのそばを通ったときに、その位置情報が通知されます「“探す”ネットワーク」。また、そのAirTagを「紛失モード」にすると、 なくしたAirTagを見つけたユーザーが、そのAirTagの持ち主の連絡先を確認して、メッセージや電話で知らせることも可能です。
なお、この機能を使用するには、AirTagの検索にiOSデバイスまたはMacを使用する必要があります。 パソコンから Webブラウザ版のiCloudで「探す」を開いても 見つけられません。 これは暗号化されたBluetoothビーコン信号の解読に、iOSデバイスまたはMacのセキュアチップに格納された、鍵情報を使用するためです。
AirTagが見つかったときに通知を受け取る、あるいはAirTagを「紛失モード」にする方法については、 近くにAirTagが見つからないとき/紛失モードの使い方 をご覧ください。
「“探す”ネットワーク」の仕組み
「“探す”ネットワーク」の機能は、なくしたAirTagがBluetoothビーコン信号を送信し、 近くのiOSデバイス(他人の物を含む)がそれを受信できた場合に、その情報をアップル社のサーバーにリレーすることにより実現します。 AirTagはおよそ10分に1回程度の頻度で、近くにあるiOSデバイスを経由して位置情報をリレーします。 もちろんこの情報は暗号化され、リレーしたデバイスの持ち主やアップル社には、紛失したデバイスの持ち主は特定できません。 またこの情報量は非常に少ないので、リレーしたデバイスの通信料やバッテリに負荷をかけることはありません。このような仕組みであるため、例えば山の中など、周囲半径約10m以内にiPhoneユーザーが全くいない環境に置き忘れたAirTagは、位置の追跡ができなくなります。 この場合は、最後にそのAirTagがiPhoneと通信できた位置のみを確認することができます。
「“探す”ネットワーク」は サードパーティに開放 されており、 今後AirTag以外にも、いろいろなメーカーから図に示すような「Works with Apple Find My」ロゴが付けられた製品が登場し、それらの現在位置も (探す)アプリ で知ることができるようになります。 2021年4月8日には、e-Bikeメーカーの VanMoof、 Bluetoothタグメーカーの Chipolo、 iPhoneの充電器やヘッドフォンを開発する Belkin の True Wireless Earbuds が「“探す”ネットワーク」に対応(iOS14.3以降が必要)することが発表されました。
長期間AirTagが見つからなかったとき/他人のAirTagを見つけたとき
長期間(約8~24時間)、持ち主のiOSデバイスから離れたところにAirTagが放置された場合は、そのAirTagが動かされた時に、見つけやすくするためにAirTagでサウンドが鳴ります。 また誰かの忘れ物に取り付けられたAirTagを見つけたら、その情報を読み出して、持ち主に連絡してあげることができます。 AirTagが「紛失モード」に設定されていると、それを見つけた人がNFCチップを搭載したiPhoneやAndroidスマートフォンをAirTagにかざすと、連絡先などが表示されます。 この場合の対応については、 他人のAirTag(忘れ物)を見つけたときの対処方法 をご覧ください。他人のAirTagがあなたと一緒に移動しているとき/他人から追跡されていると考えられるとき
もし、他人のAirTagがあなたと一緒に移動していることが検出されたときには、iPhoneに「AirTagはあなたと一緒に移動しています」または「あなたが所持中のAirTagが見つかりました」というメッセージが表示されます。 これを「トラッキング通知」(旧「セーフティ通知」)といいます。 何らかのアクシデントで、他人の持ち物がAirTagsと一緒に、あなたのカバンなどに紛れ込んだ可能性があります。 あるいは他人が、あなたの行動を追跡する目的で、あなたのカバンなどにAirTagを紛れ込ませた(ストーカー行為)可能性があります。 この場合の対応については、 「AirTagはあなたと一緒に移動しています」と表示された場合/トラッキング通知/ストーカー対策 をご覧ください。AndroidデバイスでAirTagを検出する
アップル社は、Androidデバイスで、AirTagや、その他の「“探す”ネットワーク」に対応した追跡デバイスを検出することができる「Tracker Detect」というアプリを公開しています。 これをAndroidデバイスにインストールしておけば、近くに持ち主がいないAirTagを検出し、その情報を読み出して、持ち主に連絡してあげることができます。 また、ストーカーを目的としてあなたの持ち物などに仕掛けられたAirTagを検出することもできます。なお、このアプリでは、近くにその持ち主がいるときには、AirTagなどの追跡デバイスを検出することはできません。 これはiPod/iPad/iPhoneと同じです。
また、2024年5月から、GoogleはAndroidデバイスで「探す」ネットワークが使えるようになりました。
-
Tracker Detect
Apple Inc. ツール 無料
Tracker Detectは、所有者から分離され、AppleのFindMyネットワークと互換性のあるアイテムトラッカーを探します。 これらのアイテムトラッカーには、AirTagおよび他社の互換性のあるデバイスが含まれます。 誰かがAirTagまたは別のデバイスを使用して現在地を追跡していると思われる場合は、スキャンして見つけようとすることができます。
Tracker Detectをダウンロード (Google Play Store) -
AirGuard - AirTag protection
Secure Mobile Networking ツール 無料
AirGuardを使用すると、それに値するアンチトラッキング保護を利用できます。 アプリは定期的に周囲をスキャンして、AirTagやその他のFindMyデバイスなどの潜在的な追跡デバイスを探します。 AirTagsやその他のFindMyデバイスはシンプルで小さく、Androidユーザーを追跡するのに最適です。 iOSに統合されているように、警告を追跡せずに、ジャケット、バックパック、または車にAirTagを配置することで、誰でもあなたの行動を追跡しようとする可能性があります。
AirGuardをダウンロード (Google Play Store)
AirTagの電池の交換方法
アップルのロゴが刻印されている銀色の金属カバーを押したまま、反時計回りに1/3回転ほど回すと、この金属カバーが外れます。 そして新しい電池(市販のCR2032)と入れ替えます。 電池は、「+」と書かれている面を金属カバー側(写真の場合は上側)にして入れます。 正しい方向に電池を入れて指で押さえると、AirTagからサウンド(起動音)が聞こえます。 そして金属カバーを元通りに閉め、時計回りに回します。 正しく金属カバーが閉まると、またAirTagからサウンドが聞こえます。 以上で交換完了です。AirTagのシリアル番号とバージョンを確認する/バージョンアップする方法
表示されたAirTag詳細画面の一番上の、アイテム名が表示されているところをタップすると、このAirTagのシリアル番号とファームウェアバージョンを確認することができます。
なおファームウェアのバージョンアップは自動的に行われます。 AirTagを、iPod/iPad/iPhoneから10m以内に近づけておくと、自動的にバージョンアップされます。
AirTagの使用をやめる/他人に譲る/ペアリングを解除する
AirTagの使用をやめて他人に譲るには、iPod/iPad/iPhone (AppleID) とのペアリングを解除します。 この作業は、iPhoneとそのAirTagを約10m以内に近づけ、Bluetooth通信可能範囲で行う必要があります。AirTagのペアリングを解除する方法の詳細については、 AirTagの使用をやめる/他人に譲る/ペアリングを解除する をご覧ください。
AirTagをリセットする方法
AirTagは、それ単体でリセットすることが可能です。 ただし、手順はあまり容易ではありません。リセットするには、AirTagの金属カバーを開け、電池の交換(抜き差し)作業を続けて5回行い(5回起動音が聞こえる)、金属カバーを閉めます(この時に6回目のサウンドが聞こえる)。
リセットに成功すると、元のユーザーのiPhoneを近づけたときにペアリングの手順が開始されます。 もし元のユーザーのiPhoneを近づけても何も起きないときは、リセットに失敗しています。 上の手順を最初からやり直す必要があります。
また、たとえリセットに成功しても、そのAirTagは、まだ元のユーザーのAppleIDと紐づけられている( アクティベーションロック されている)ので、それを他人がペアリングして使用することはできません。 AirTagを他人に譲るには、元のユーザーが ペアリングの解除操作 を行う必要があります。 このため、紛失・盗難されたAirTagが他人に使用されることはありません。
AirTagの仕様
AirTagのモデル番号 | |
---|---|
AirTag | A2187 |
1 pack | 4 pack | |
---|---|---|
Jp | MX532 | MX542 |
US | MX532 | MX542 |
HK | MX532 | MX542 |
メーカー | アップル |
---|---|
発表 | 2021年4月20日(火)10:00PST(日本時間4月21日02:00JST) |
発売 | 2021年4月23日(金)21:00から予約開始。2021年4月30日(金)より発売開始。 |
サイズ | 直径:31.9 mm 厚さ:8.00 mm |
重量 | 11 g |
防沫性能、耐水性能、防塵性能 | IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間) |
接続 | Bluetoothによる近接検出、 Apple製U1チップで超広帯域および「正確な場所を見つける」機能に対応、 紛失モードに対応するNFCタップ |
スピーカー | 内蔵スピーカー |
バッテリー | ユーザーが自分で交換できるCR2032コイン型バッテリー |
センサー | 加速度センサー |
システム条件と互換性 | Apple ID, iOS 14.5以降を搭載したiPhoneおよびiPod touchのモデル, iPadOS 14.5以降を搭載したiPadのモデル |
同梱物 | AirTag(CR2032コイン型バッテリー搭載), マニュアル |