ドローンのバッテリーを長持ち・復活させる
もくじ
バッテリー取り扱いの基本
市販ドローンに使われているバッテリは、iPod/iPad/iPhoneやノートパソコンと同様リチウムイオン系のバッテリー(リチウムポリマー:LiPo:リポバッテリー)です。 これは「満充電」または「空」の状態で長時間放置されると劣化して、全く充電できなくなってしまいます。 ノートパソコンと同様、ACアダプタの付けっぱなしはやめ、長時間使わないときは約50%充電状態で保管します。基本、リポバッテリーはほとんど自然放電しませんが、劣化により漏電することがあります。 長期間使用しない場合でも、月に一度はバッテリーチェッカーなどで、バッテリーの調子を確認しましょう。
なお、継ぎ足し充電を何度も繰り返すと、充電を制御(残量管理)する内蔵マイコンが狂ってしまう場合があります。 こうなると残量が十分あっても、電池切れ表示となることがあります。 このときは、一気に満充電状態にして、バッテリが空になって停止してしまうまで連続して使用することを何度か繰り返すと、復帰することがあります。
バッテリのバランスを整える

購入して間もないバッテリが充電できなくなるのは、ほとんどがバランス崩れが原因です。 各セルの電圧差が0.5V程度の時はバランサーでバランスを整えると復活します。 一方何度も使用したうえで充電できなくなった場合は、写真のようにバランスが大きく崩れ、いずれかのセルがダメ(0V)になっています。 この場合は復活は困難です。こうなる前に、保管時にはバランス調整を行いましょう。
なお、バッテリの端子が汚れていても、いずれかのセルがダメになっているように見えることがあります。 端子を乾いた布で磨いたり、 接点復活剤 などで掃除すると復活する場合もあります。 接点復活剤を買う(Amazon.co.jp)
バッテリーチェッカー&バランサーの使い方
バッテリを接続すると、「ピピッ」と音がして、画面左上に各セルの電圧が、画面下部に合計電圧が表示されます。 各セルとも3.30V~4.22V程度の範囲に収まっていれば正常です。
一番左の「Cancel/Mode」ボタンを押すたびに「最低バランス電圧の設定」->「最低放電電圧の設定」->「ノーマルモード(電圧表示)」に切り替わり、右2つのボタンで設定電圧が変更できます。 いずれも初期値は2.20Vになっています。 本来1セルは最低3.30V程度以上に保つべきなので、「最低バランス電圧」をこの値に変更して使用します。 また長期保存する場合の「最低放電電圧」は3.70~3.80V程度を指定します。
セル間のバランスをとる場合
「ノーマルモード(電圧表示)」で一番右の「Barance」ボタンを押します。 すると最低電圧のセルに合わせ、それより電圧の高いセルの放電が始まります。 放電中のセルには電球のイラストが点滅します。 バランス調整が終わると自動的に放電が止まります。
長期間保存する場合
「ノーマルモード(電圧表示)」で真ん中の「Discharge」ボタンを押します。 すると各セルについて、設定した最低放電電圧になるまで放電が始まります。 放電中のセルには電球のイラストが点滅します。 最低放電電圧になったセルは、自動的に放電が止まります。
いずれも放電中はバランサー背面が高熱になります。 可燃物から遠ざけ、風通しを良くしてください。
ただし、放電させる場合はバランサーを使うより、ドローン本体を使ってしばらくホバリングで放置させるほうが効率よく放電できます。 リポ バッテリーチェッカー&バランサーを買う(Amazon.co.jp) Drone用アダプタ プレートを買う(Amazon.co.jp)
他社製充電機を使って充電する

なお、他社製の充電器には、設定ボタンが付いているものがあります。必ず「LiPo」モードで充電してください。 リポバッテリー バランス充電器を買う(Amazon.co.jp)
充電できなくなったバッテリの復活
バランサーなどの機材が手元にない場合、充電できなくなったバッテリは、次の方法で復活を試してみてください。充電器をコンセントにさして充電開始->しばらくしてエラー表示、を何度か(何十回か)繰り返すと、充電できるようになる場合があります。
また、充電できなくなったバッテリでも、それを使ってDroneの電源が入れられる/飛行できるなら、バッテリ本体は生きている(少々バランスが崩れているだけ)可能性があります。 しばらく飛行と電源OFFを繰り返した後充電器に接続すると、内蔵マイコンが調整され、充電できるようになる場合があります。 リチウム・イオンとリチウム・ポリマーの相違点(ダイヤテック) リチウムイオンバッテリー(アップルサポート) バッテリーの駆動時間と耐用年数を最大限に延ばす(アップルサポート)