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iPhoneのUSB Type-Cコネクタの説明 / 充電器、ケーブルの選び方/USB PD(Power Delivery)高速充電・高速通信する方法

USB Type-Cコネクタ
USB Type-Cコネクタを搭載した充電器やバッテリー、ケーブルは、従来のUSB(Type-A/mini-B)のものとは異なり、インテリジェントに充電器やバッテリー、ケーブル、デバイスが相互に通信して、お互いの性能・能力をチェックしたうえで最適な充電や通信が行われます。 充電器またはバッテリーとケーブル両方とも、適切な規格に沿ったものを購入しないと、期待通りの通信速度や充電速度が得られないので注意してください。

iPad/iPhoneの高速充電を行う方法

iPad/iPhoneの高速充電を行うには、以下の機器をそろえる必要があります。
高速充電のために必要な機材
機材 仕様
充電器 / バッテリー USB PD規格に対応した、出力18W以上 (iPhone 12以降では20W以上)のUSB Type-C充電器またはバッテリー
ケーブル USB PD規格に対応した、対応電力18W/20W以上 (通電容量3A以上)のUSB Type-Cケーブル
(Type-C - Type-Cケーブル、またはType-C - Lightningケーブル)
高速充電を行うには、利用する充電器またはバッテリー、充電ケーブル、充電対象デバイス、これら3つのすべてがUSB PD(Power Delivery)規格に対応している必要があります。 また、充電器 / バッテリーにType-CとType-Aの両方のコネクタが付いている場合は、必ずType-Cコネクタ側に接続する(USB PD機能を利用する)必要があります。
高速充電に対応しているモデルは下記の通りです。
高速充電に対応しているモデル
デバイス モデル
iPhone iPhone X iPhone 8/8 Plus (2017年発売) 以降
iPhone 15シリーズでは29W、 iPhone 16シリーズでは45W の充電に対応。
iPad Pro 全モデル
iPad Air iPad Air3 (2019年発売) 以降
iPad (対象なし)
iPad mini iPad mini5 (2019年発売) 以降

Apple Watchの高速充電を行う方法

Apple Watchは、 Series 7 (2021年発売)以降(SEシリーズを除く)のモデルで高速充電に対応しています。 Apple Watchで高速充電を行うには、以下の機器をそろえる必要があります。 また、Apple Watch本体のwatchOSも 8.4.1 以降にバージョンアップする必要があります。
高速充電のために必要な機材
機材 仕様
充電器 / バッテリー USB PD規格に対応した、出力20W以上のUSB Type-C充電器またはバッテリー
ケーブル Apple Watch磁気 高速 充電 - USB-Cケーブル(モデルA2515)(下記)
(Series7以降の高速充電対応モデルに同梱されている)
高速充電に対応しているモデルは下記の通りです。
高速充電に対応しているモデル
デバイス モデル
Apple Watch Ultra 全モデル
Apple Watch Series 7 (2021年発売) 以降
Apple Watch SE (対象なし)
  • Apple Watch磁気 高速 充電 - USB-Cケーブル(1 m)(モデルA2515) MLWJ3AM/A

    アップル 2021/09/11 3,850円

    まったく手間をかけずにApple Watchを充電できるように、Appleが開発したケーブルです。Apple Watch Series 7と組み合わせると最大33%高速に。約45分で充電が80%完了します。コネクタをApple Watchの裏蓋の近くに持っていくだけで、マグネットが自動的に充電部をぴったりと接続させます。それは露出した接続部分がない完全に密閉されたシステムで、細かい調節を一切必要としない、とても寛大な方法です。 高速充電に対応するのはApple Watch Series 7のみです。その他のモデルの場合は通常の充電時間となります。

    (Apple Watch用)

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逆充電機能とは:モバイルバッテリーから充電できない!?

USB Type-C コネクタを搭載したiPod/iPad/iPhoneには、そのコネクタに接続した別の機器を充電する「逆充電(reverse charging)」機能があります。 これにより、iPadでiPhoneを充電したり、iPhoneでAirPods、Apple Watch、他のiPhoneなどを充電することができます。
しかしこの機能の影響で、一部のUSB Type-C出力のモバイルバッテリーでは、iPod/iPad/iPhoneへの充電ができない(逆にバッテリーが充電されてしまう)場合があります。 このようなバッテリー(例:Anker PowerCore Slim 10000 PD)を入手してしまった場合は、 USB Type-C - Type-A ケーブル を使って、バッテリーのUSB Type-Aコネクタから充電してください。 もちろんこの場合は高速充電はできません。
USB Type-C出力のモバイルバッテリーを購入するときには、USB Type-C コネクタを搭載したiPod/iPad/iPhoneに対応した製品であることを確認してください。 また、iOSのアップデートにて解決されるのを待ちましょう。

USB Type-C 充電器、ケーブルの「通信速度規格」と「給電規格」

USBコネクタには「通信速度規格」と「給電規格」が定められています。 特にUSB Type-C コネクタに対応する充電器やケーブルは、外見は同じでも、異なる「通信速度規格」および「給電規格」に対応した製品があります。 そして対応する規格によって製品価格も大きく変わります。 充電器またはバッテリーとケーブル両方とも、適切な規格に沿ったものを購入しないと、期待通りの通信速度や充電速度が得られないので注意してください。

通信速度規格


USBのバージョンには USB 2.0, USB 3.2, USB 4 などがあり、対応するバージョン数が大きいケーブルほど、高速通信が可能です。 ただしケーブルが長いほど通信速度は低下します。仕様上の最高速度で通信するには、長さ0.5m以下のケーブルを選択してください。
なお、現在お店で買えるUSB Type-Cケーブルは、そのほとんどが最低速度のUSB 2.0(High-Speed 480Mbps)対応製品です。高速通信を望む場合は、慎重に製品を選ぶ必要があります。
USB通信速度規格の一覧表

給電規格


USBのバージョン 2.0, 3.0 にはそれぞれ供給可能な最大電力が定義されています。 そしてこれを拡張する、USB PD(Power Delivery)などの規格がいくつか定められています。
なお、現在お店で買えるUSB Type-Cケーブルや充電器には、PD30W~60W程度に対応した製品も増えてきました。高速充電を望む場合は、しっかり表記を確認してください。
USB給電規格の一覧表

最高スペックのUSB Type-C ケーブル


以上より、現在(2024年冬)「これを買っておけば大丈夫」な最高スペックのUSB Type-Cケーブルは、 通信規格 USB4 80Gbps (USB4 Version 2.0 Gen 4x2)、給電規格 USB PD 240W (PD3.1) に対応した製品となります。 ただし、80Gbpsに対応した製品はまだほとんど市場にはなく、多くは最大40Gbpsまでのサポートです。 40Gbps対応品であれば、長さ0.5mで2千円前後で購入可能です。 仕様欄に「80Gbps」または「40Gbps」と、「PD 240W」の表記があることを確認のうえ購入してください。

iPod/iPad/iPhoneが搭載しているUSB Type-Cコネクタの種類一覧

USB PD (Power Delivery) とは

USB PD(Power Delivery:パワーデリバリ)とは、USBコネクタに、従来より高い電圧、電流を供給可能とする規格で、USB Type-C コネクタ/ケーブルでしか使えません。 変換コネクタなどを挟むと、USB PD規格での給電は行われません。 供給電圧は 5V / 9V / (12V) / 20V / 28V / 36V / 48V が選択可能(機器間の通信で自動的に決定される)。 供給電流は、選択された電圧と電源装置の能力によって自動的に決まり、電源装置が対応していれば最大3A(電圧12Vまでの場合)、または最大5A(電圧20V以上の場合)が供給可能です。
ただし出力電圧12Vは最新の仕様から省かれているため、新しい電源装置ではサポートしていないものもあります。

eMarkerとは


USB3.1以上に対応するUSB Type-Cケーブルに内蔵されているICチップの名称です。 USBケーブルの製造者情報や通電容量といった仕様データが記録されています。 eMarkerが内蔵されたケーブルのことを"E-Marked" ケーブル、またEMC(Electrical Marked Cable)と呼びます。 ただしeMarkerチップ自体をコピーして粗悪な海賊版を作るメーカーもあるので注意が必要です。

C-AUTHとは


USB PDにおける機器間認証の仕組みです。 PKI(公開鍵暗号)を使用して、eMarkerデータの盗用や改ざんを防ぎます。

PPS(Programmable Power Supply)とは


USB PD 3.0で追加された給電機構です。 まずデバイス(たとえばスマートフォン)が、充電ケーブルを介して、受け取り可能な電圧・電流を電源装置(ACアダプタやモバイルバッテリー)に通知します。 すると電源装置が、状況に応じて電圧を20mV単位、電流を50mA単位で変化させながら給電します。 電源装置が直接デバイス内部のバッテリーの充電制御を行うので「ダイレクトチャージ(Sink Directed Charging)」とも呼ばれます。 デバイス側に、内蔵しているバッテリーを充電するための降圧回路などが不要となるため、より高速に効率的に充電できます。 この機能を使うには、電源装置とデバイスの双方がPPSに対応している必要があります。

PDトリガーケーブルとは


PDトリガーケーブル (Amazon.co.jp) とは、USB PD対応の電源装置から、任意の電圧を取り出して、USB Type-C コネクタではない入力端子を持つ機器に給電できるケーブルです。 ケーブル内に組み込まれたICチップが電源装置と通信して、所望の電圧を取り出します。 PDトリガーケーブルには、9V用、12V用、15V用、20V用などがあり、それぞれ既定の電圧を取り出すことができます。 また上記PPS規格に対応した、任意の電力を取り出せるプログラマブルケーブルというものもあります。
パソコンやゲーム機、ラジコンや ドローン など、USB PD電源からの充電に対応していない機器に、USB PD対応のACアダプタやバッテリーから電力を供給したいときに使えます。

USB電圧電流チェッカーとは


USBコネクタを搭載した電源装置と負荷の間に挟み込むと、USBケーブル上に流れている電気の、電圧、電流、電力、送電方向、送電時間などの情報を表示してくれる機器です。 使い方は簡単、単にチェッカーにUSBコネクタを接続するだけです。 期待する充電速度が得られないときなどに、電源装置から出力されている電力などをチェックするのに使えます。
  • USB電圧電流チェッカー / Type-C テスター

    YOJOCK 1880円

    USBだけではなく、最新のType-C機器の電圧/電流/積算電流を簡単にチェックできる装置です。USBポートを繋げるだけで、電圧(V)、電流(A)、時間、電力(W)、積算電流(Ah)、積算電力(Wh)が一目で分かる。さらに、4種類ディスプレイ切替可能です。このUSB電圧電流チェッカーの表面は、選択的に除去できる透明な保護フィルムで覆われています。過電圧、低電圧、過電流など保護機能があり、通電時間1hから24hま

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