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FPVドローン用デジタルFPVシステム/デジタルFPVゴーグルの使い方 / Walksnail Avatar HD/HDZero/DJI Digital FPV system

ここでは、 マイクロドローン/FPVドローン/レーシングドローン 用のデジタルFPVシステム/デジタルFPVゴーグルの情報をまとめてみました。

デジタルFPVシステムとは

デジタルFPVシステムとは、 マイクロドローン/FPVドローン/レーシングドローン に搭載されたカメラの映像を、デジタル信号でFPVゴーグルに届けるシステムです。 通常、FPVドローン用のVTX(ビデオ送信機)は NTSC / PAL 形式のアナログビデオ信号を送信しますが、2019年以降、独自のデジタル信号でビデオ送信する製品がいくつも登場しています。 デジタル方式はノイズが極めて少ないクリアな視界が確保できますが、通常のアナログFPVゴーグルでは見ることができません。 デジタルFPVシステム専用のVTXとゴーグルが必要になります。
なお、デジタルVTXシステムにおいては、カメラとVTXを合わせて"Air Unit"と呼ぶこともあります。
ここでは、現在市販されている4種類のデジタルFPVシステムを解説します。 相互に互換性はないので、それぞれ専用のVTXとゴーグルまたは受信モジュールが必要です。

Walksnail Avatar HD

Walksnail Avatar HD Goggles X
2022年秋登場。 DJI FPV Air Unit の互換製品を開発した Caddx社 による製品で、使用周波数など、仕様の多くが DJI FPV Air Unit と類似しています。
ゴーグルに表示するライブ画像の解像度は 1080P/60fps, 720P/120fps, 720P/60fpsから選べます。 信号強度や距離に応じて画面更新速度が変わる可変レイテンシで、最大フレームレートは720P/120fpsです。 通信ビットレートは25.0Mbps。FCCに於いては50.0Mbpsが選べますが、使用可能なチャンネルが減少します。 VTXの出力は最大 1200mW(FCC) / 700mW(CE/SRRC) / 350mW(MIC)。 VTXには録画機能を搭載し、録画解像度は 4K / 1080p / 720p。 ただし4K録画が可能なVTXは限られています。 録画可能容量は32GB(1080pで約80分)または8GB(約20分)。 microSDカードスロットを搭載したVTXでは最大256GBの記録が可能です。 ゴーグルにはDVR機能を搭載し、720P/60fpsで録画できます。 VTXもDVR機能も、Armすると自動的に録画が始まり、Disarmすると録画が停止します。
Betaflight OSDをフルサポートし、スティックでOSDメニューが操作できます。 ただしOSD画面はDVRビデオには録画されません。 使用前にはVTXとゴーグルのバインド(リンク)操作が必要です。

ゴーグルとVTXのバインド方法


VTXの電源を投入すると、LEDが緑色に点滅します。 そこでVTXのLINKボタンを押すと、LEDが赤色に点灯します。 つづいてゴーグルのLINKボタンを押すと、数秒でバインド(リンク)されます。 VTXのLEDが緑色に点灯すればバインド完了です。
VTXの使用周波数は、 DJI FPV Air Unit と同じです。
Walksnail Avatar HD operating channel frequency (MHz)
規格 CH1 CH2 CH3 CH4 CH5 CH6 CH7 CH8 (CHP) 地域
FCC 5660 5695 5735 5770 5805 5878 5914 5839 北米
CE/SRRC 5735 5770 5805 - - - - 5839 EU/中国
MIC 5660 5700 - - - - - 5745 日本
*灰色で塗りつぶされた周波数は日本では使用禁止。
このゴーグル/受信機は送信も行うので、ゴーグルの電源をONにする前に、ゴーグルにアンテナを取り付けておく必要があります。 またゴーグルの電源をONにすると、最初にCH8を使ってVTXと接続した後、あなたがセットしたチャンネルに切り替わります。 このためゴーグル起動時には、近くにCH8を使用しているFPVパイロットがいないことを確認してください。 また、運用にはCH8以外のチャンネルを指定してください。
このため、日本ではMICのCH2のみ使用可能で、同時に1人しか使用できません

Walksnail Avatar HD 互換FPVゴーグル

撮影したビデオの取り出し


ゴーグル/VRXの場合は、本体からmicroSDカードを取り出し、それをパソコンなどに接続して読み出します。 VTXの場合は、付属の専用USBケーブルでVTXとパソコンを接続し、VTX(ドローン)にバッテリーを接続します。 するとパソコンにUSBメモリーが現れるので、ここから読み出します。 VTXのメモリ容量は少ないので、こまめに取り出しと削除を行う必要があります。 あるいは[Settings]-[Record Set]-[Takeoff REC]を"Off"にしておくと、録画は行われません。

ゴーグル/VTXの使い方


Walksnail avatar VRX on SKYZONE COBRA X, BETAFPV Meteor75 HD w/Walksnail Avatar Mini 1s HD VTX
Walksnail Avatar VRXの場合は、この写真のようにセットアップします。
VRXは、同梱されている粘着シートでFPVゴーグル(写真は SKYZONE COBRA X )に貼り付けます。
詳しい使い方は Walksnail Avatar VRXの使い方 / FPVドローン用デジタルFPVシステム のページで解説しています。 ご参照ください。

Walksnail Avatar関連サイト


HDZero (Shark Byte)

HDZero digital FPV Goggles
2022年春登場。 2019年秋に Divimath,Inc.によって開発され、 Fat Shark社によって当初「Byte Frost」、のちに「Shark Byteシリーズ」の名前で販売されていたデジタルFPVシステムです。 2022年春にFat Shark社が取り扱いを終了し、Divimath社自身がHDZeroの名称で直接販売するようになりました。 Divimath社はHDZeroの仕様をオープンソース化することを予定しています。 そうすれば多くのメーカーから互換商品が登場する可能性があります。
一般的なデジタルビデオ通信では、受信信号が一定以下に弱くなると突然画面が見えなくなりますが、HDZeroでは、アナログ方式のように、電波強度に応じて徐々にノイズが増えていきます。 このため、ドローンの飛行距離が電波到達の限界に近づくと、パイロットがそれに気づくことができます。
ゴーグルに表示するライブ画像の解像度は 720P/60fpsです。 また、信号強度や距離に関係なくレイテンシは固定です。 Betaflight OSDをフルサポートし、スティックでOSDメニューが操作できます。
VTXの出力は最大1000mW。またLP_Mode(low power mode:出力25mW)、PIT_Mode(出力OFF / 1mW / 0mW(Armするまで電源OFF))、OFFSET_25mW(25mW以下の指定出力を設定、イベント向け)を選択することもできます。 しかし録画機能を搭載したVTXはまだ発売されていません。
ゴーグルにはDVR機能を搭載し、解像度は720P/60fps、最大32GBのFAT32形式microSDカードをサポートします。 DVR機能は、ビデオ信号を検知すると自動的に録画開始します。 DVR録画ファイルにはTS形式(18Mbps)またはMOV形式(12Mbps)が指定可能です。
ゴーグルにはRTC(Real Time Clock)も搭載しており、DVR機能で録画した動画には録画日時情報が付加されます。 また受信機/ゴーグルにはマイクを搭載しており、DVR録画ビデオにはパイロットの周囲の音声が記録されます。
ゴーグルとVTXのファームウェアは頻繁にアップデートされており、使用前に最新にバージョンアップすることをお勧めします。

ゴーグルとVTXのバインド方法


データー転送にはアナログ F, R バンドが使用されます。 ゴーグルは受信のみで送信は行わないので、VTXとゴーグルのバインド操作は不要です。 VTXとゴーグル双方で同じバンドとチャンネルを選択するだけで、ビデオを受信することができます。 アナログFPVゴーグル同様、複数のHDZero互換ゴーグルを準備して同じチャンネルに合わせれば、複数の人で一つのドローンのフライト映像を楽しむこともできます。
HDZero operating channel frequency (MHz)
CH1 CH2 CH3 CH4 CH5 CH6 CH7 CH8 備考
Band F - 5760 - 5800 - - - - Fatshark
Band R 5658 5695 5732 5769 5806 5843 5880 5917 Raceband
*灰色で塗りつぶされた周波数は日本では使用禁止。

HDZero 互換FPVゴーグル

DJI O3 Air Unit ( DJI Digital FPV system )

DJI AVATA
2022年秋登場。 DJI社が、 DJI AVATA FPVドローン 向けに開発したデジタルFPVシステムです。
ゴーグルに表示するライブ画像の解像度は 1080p/100fps。電波到達距離は10km。 ただしDJI FPV Goggles V2使用時には810p/120fpsとなります。 信号強度や距離に応じて画面更新速度が変わる可変レイテンシで、最大フレームレートは810p/120fpsです。 ゴーグルにはDVR機能を搭載。 VTX(Air Unit)にも録画機能を搭載し、録画解像度は 4K@50/60fps, 2.7K@50/60fps, 1080p@50/60fps (16:9) または 2.7K@50/60fps, 1080p@50fps/60fps (4:3)。 VTXには20GBの録画用メモリを内蔵し、また最大 256GBのmicroSDをセット可能です。 カメラにはジャイロが搭載されており、VTXに搭載されたメモリへの録画では、画像安定化技術 Rocksteady で画像のブレを抑えることができます。 Betaflight OSDをフルサポートしています。 使用前にVTXとゴーグルのバインド操作が必要です。
DJI O3 Air Unit Speck
item description
FOV 155°
Video Resolution With DJI Goggles 2:
4K@30/50/60/100/120fps 2.7K@30/50/60/100/120fps 1080p@30/50/60/100/120fps
With DJI FPV Goggles V2:
4K@30/50/60/100/120fps 2.7K@30/50/60/100/120fps 1080p@30/50/60/100/120fps
Air Unit Weight Approx. 36.4 g (camera module included)
Antenna Weight Approx. 3 g
Air Unit Dimensions 32.5×30.5×14.5 mm
Camera Module Dimensions 21.2×20×19.5 mm

ゴーグルとVTX(Air Unit)のバインド方法


最初にパソコンを使って、DJIが提供するフリーソフト"DJI Assistant 2 (FPVバージョン)"を使って、 あるいはスマートフォンでDJI Flyアプリを使って、ゴーグルとAir Unitをアクティベーションしておく必要があります。 また、ファームウェアを最新版にアップデートしておきます。 ただしDJI FPV Goggles V2をアップデートするには、ゴーグルの設定メニューでデバイスとして「DJI FPV」を選択しておく必要があります。
つづいてゴーグルのメニューでデバイスとして「DJI O3 Air Unit」を選択します。
このゴーグル/受信機は送信も行うので、ゴーグルの電源をONにする前に、ゴーグルにアンテナを取り付けておく必要があります。 ゴーグルとVTXの電源を入れ、まずゴーグルのLINKボタンを、先の細いピンなどで押します。するとゴーグルがビープ音を発し、リンクモードになります。 VTXが起動すると、LEDが緑色に点灯します。そこでVTXのLINK (power) ボタンを押します。 リンクに成功するとゴーグルのビープ音が停止します。
DJI O3 Air Unit operating channel frequency (MHz)
FCC/SRRC/CE CH1 CH2 CH3
40 MHz 5794.5 - -
20 MHz 5768.5 5804.5 5839.5
10 MHz 5768.5 5804.5 5839.5
*灰色で塗りつぶされた周波数は日本では使用禁止。
(以下のページを開くには、あらかじめDJIのサイトで、言語を 北アメリカ - United States に切り替えておく必要があります)

DJI O3 Air Unit 互換FPVゴーグル

  • DJI Goggles Integra

    DJI Goggles Integra

    DJI 2023/03 USD349.00(JPY53,133)

    ディスプレイは OLED 1080p/100fps FOV44°。 使用周波数は5.8Ghz帯と2.4GHz帯。 DVR機能搭載、microSDは最大512GBに対応。 サイズは 205 x 104 x 104mm(アンテナ展開時) / 170 × 104 × 75 mm(アンテナ格納時)。 重量は 410 g。

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  • DJI Goggles 3

    DJI Goggles 3

    DJI 2024/04 USD499.00(JPY72,600)

    ディスプレイは OLED 1080p/100fps FOV44°。 使用周波数は5.8Ghz帯と2.4GHz帯。 DVR機能搭載、microSDは最大512GBに対応。 サイズは 205 x 109 x 112mm(アンテナ展開時) / 170 × 109 × 112 mm(アンテナ格納時)。 重量は 470 g。 O3 Air Unitで使用するには、ファームウェアバージョンv01.03.0000以降へのアップデートが必要。

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  • DJI Goggles 2

    DJI Goggles 2

    DJI 2022/11 USD649.00

    ディスプレイは OLED 1080p/100fps FOV51°。 使用周波数は5.8Ghz帯と2.4GHz帯。 DVR機能搭載(1080p/60fps)。OSD画面をDVRビデオに録画するか否かが選べます。 サイズは 196.69 x 103.90 x 104.61mm(アンテナ展開時)/167.40×103.90×81.31 mm(アンテナ格納時)。 重量は 290 g。 メガネを使うことはできません、しかし+2~-8のフォーカス調整機能があります。 AV入力端子なし。

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  • DJI FPV Goggles V2

    DJI FPV Goggles V2

    DJI 2021/01 USD429.00

    ディスプレイは LCD 1440 x 810 FOV30°~54°。 使用周波数は5.8Ghz帯と2.4GHz帯。 DVR機能搭載(720p/120fps)。OSDはDVR画像には録画されません。 サイズは 202 x 126 x 110mm(アンテナ展開時)/184×122×110 mm(アンテナ格納時)。 重量は 420 g。 メガネを使うことはできません。 AV入力端子あり。

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DJI FPV Air Unit ( DJI Digital FPV system ) / Caddx Vista / RunCam Link

DJI FPV
2019年に、FPVドローン界にはじめて登場したデジタルFPVシステムです。 これをベースに、DJI社はのちに DJI FPVドローン を開発しました。
ゴーグルに表示するライブ画像の解像度は Low Latency Mode (720p/120fps) または High-Quality Mode (720p/60fps)から選べます。 信号強度や距離に応じて画面更新速度が変わる可変レイテンシで、最大フレームレートは720p/120fpsです。 ゴーグルにはDVR機能を搭載し、解像度は720p/120fps、最大128GBのmicroSDカードをサポートします。 VTX(Air Unit)にも録画機能を搭載し、録画解像度は 1080p/60fps。こちらも最大128GBのmicroSDカードをサポート。 Betaflight OSDの一部の要素をサポートしています(フルサポートにはファームウェアのバージョンアップが必要です)。 またVTX(Air Unit)には受信機も搭載されており、DJI Remoteとバインドすることができます。 使用前にVTXとゴーグルのバインド(リンク)操作が必要です。
Caddx社 RunCam社 が、このシステムと互換性のあるデジタルVTXシリーズを販売しています。

ゴーグルとVTX(Air Unit)のバインド方法


最初にパソコンを使って、DJIが提供するフリーソフト"DJI Assistant 2 (FPVバージョン)"を使って、 あるいはスマートフォンでDJI Flyアプリを使って、ゴーグルとAir Unitをアクティベーションしておく必要があります。
ゴーグルとVTXの電源を入れ、まずゴーグルのLINKボタンを、先の細いピンなどで押します。するとゴーグルがビープ音を発し、リンクモードになります。 VTXが起動すると、LEDが緑色に点灯します。そこでVTXのLINK (power) ボタンを押します。 リンクに成功するとゴーグルのビープ音が停止します。
VTXの使用周波数は、 Walksnail Avatar HD と同じです。
DJI FPV system operating channel frequency (MHz)
規格 CH1 CH2 CH3 CH4 CH5 CH6 CH7 CH8 地域
FCC 5660 5695 5735 5770 5805 5878 5914 5839 北米
CE/SRRC 5735 5770 5805 - - - - 5839 EU/中国
MIC 5660 5700 - - - - - 5745 日本
*灰色で塗りつぶされた周波数は日本では使用禁止。
このゴーグル/受信機は送信も行うので、ゴーグルの電源をONにする前に、ゴーグルにアンテナを取り付けておく必要があります。 またゴーグルの電源をONにすると、最初にCH8を使ってVTXと接続した後、あなたがセットしたチャンネルに切り替わります。 このためゴーグル起動時には、近くにCH8を使用しているFPVパイロットがいないことを確認してください。 また、運用にはCH8以外のチャンネルを指定してください。
このため、日本ではMICのCH2のみ使用可能で、同時に1人しか使用できません
(以下のページを開くには、あらかじめDJIのサイトで、言語を 北アメリカ - United States に切り替えておく必要があります)

DJI FPV system 互換FPVゴーグル

  • DJI FPV Goggles V2

    DJI FPV Goggles V2

    DJI 2021/01 USD429.00

    ディスプレイは LCD 1440 x 810 FOV30°~54°。 使用周波数は5.8Ghz帯と2.4GHz帯。 DVR機能搭載(720p/120fps)。OSDはDVR画像には録画されません。 サイズは 202 x 126 x 110mm(アンテナ展開時)/184×122×110 mm(アンテナ格納時)。 重量は 420 g。 メガネを使うことはできません。 AV入力端子あり。

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  • DJI FPV Goggles (V1)

    DJI FPV Goggles (V1)

    DJI 2019 USD***.**

    ディスプレイは LCD 720p/120fps FOV30°~54°。 使用周波数は5.8Ghz帯のみ。 DVR機能搭載(720p/120fps)。OSDはDVR画像には録画されません。 サイズは 202 x 126 x 110mm(アンテナ展開時)/184×122×110 mm(アンテナ格納時)。 重量は 420 g。 メガネを使うことはできません。 AV入力端子あり。

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