ドローンの操縦方法 / 練習方法・空撮テクニック&フライトテクニック
空撮用のSelf-leveling(自己安定)ドローンは、搭載された制御装置のおかげで、誰でも簡単にホバリングとその場旋回(ピルエット)、そして前後または左右方向の平行移動ができます。 しかし、それ以上の操縦テクニックは、意識して練習しなければ上手になりません。ここでは、特に空撮で役立つカメラワークおよびフライトテクニックを紹介します。 練習には、スクールなどに通うより、とにかく多くの時間をかけることが一番。 Ryze Tello Powered by DJI (Amazon.co.jp) のような性能が良いミニドローンを使って、室内で練習を積み重ねましょう。
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ドローン空撮 MavicMini サイパン アクアリゾートクラブ
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もくじ
ドローン操縦の基本
ドローンの操縦には、2本のスティックを使用します。 通常、各スティックの前後・左右操作にそれぞれ次のような機能が割り当てられています。左スティックの前後操作で下降/上昇(スロットル)、左右操作で旋回(ラダー)。 右スティックの前後操作で後退/前進(エレベーター)、左右操作で左右へ平行移動(エルロン)。
このような割り当てを「モード2」と呼びます。 一般的なドローンは「モード2」でコントロールします。
サークル:旋回飛行
ドローンの先頭を進行方向に向けたまま、円を描くように飛行します。 エレベーターを前進方向に倒したまま、ラダーを左、または右に傾けます。 エレベーターとラダーを協調して操作できるようになりましょう。練習方法
まずは四角形に飛行する練習をします。 しばらく前進し、左または右に90度旋回、を繰り返します。 最初は、自分のほうに向かってくるときに、ラダーを逆方向に操作しがちです。 直感的にラダーを正しく操作できるようになるまで、練習を繰り返しましょう。 そのころには、円を描くように飛行できるようになります。 左旋回、右旋回、両方とも練習しましょう。
8の字飛行
上から見て8の字を描くように飛行します。 ただ8の字を描くだけでなく、頭の中で描いたコースを正しくトレースできるようになりましょう。 何度飛行しても、同じ場所・コースを飛行できるようになりましょう。練習方法
旋回飛行の応用です。 まずは左または右旋回で円を描いたら、一時停止(ホバリング)して方向を確認して、逆方向に円を描きます。 これを繰り返すと、やがてスムーズに8の字を描けるようになります。 左右方向の8の字、前後方向の8の字、どちらも飛行できるようになりましょう。
これができるころには、ドローンで思い通りの軌道を描けるようになっていると思います。
応用編
上昇/下降の動きを組み合わせてみましょう。頭の中で描いた立体的なコースを、正しくトレースできるようになりましょう。
ノーズインサークル
ドローンの先頭を旋回の中心方向に向けたまま、円を描くように飛行します。 スピンショット:SPINNING SHOTを撮影するときに使用します。これは被写体を強調するような撮影に使えます。練習方法
これも旋回飛行の応用です。 旋回飛行では前進するのにエレベーターを使いましたが、ここではエルロンを使います。 ドローンの横側を前方向と考えて、エルロンで前進させるイメージで飛行させます。
まずドローンをホバリングさせ、その場でゆっくり左(右)旋回を開始し、同時にゆっくりとエルロンで右(左)に平行移動させます。 するとドローンはノーズインサークルの軌道を描き始めます。 ラダーとエルロンを調整して、円を描けるようになりましょう。
飛行中に思いついたタイミングで、ノーズインサークルが開始できるようになりましょう。
応用編
上下方向に長い(背の高い/細長い)被写体は、これに上昇/下降を組み合わせると、より印象的な映像が撮れます。 ノーズインサークル飛行を行いながら、一定の速度で上昇/下降できるようになりましょう。
後退8の字飛行
後退しながら8の字飛行を行います。 後退(ドリーアウト:DOLLY OUT)は、シーンの変わり目やビデオの終わりに使うと効果的です。 ただまっすぐ後退するだけでなく、思い通りの方向に向かって後退できるようになっておきましょう。練習方法
ラダーの切り方が逆になるので、少々練習が必要ですが、 ここまでの飛行をマスターしていれば、後退8の字飛行は容易にできると思います。
ウルトラスロー・ピルエット(パンニング)
空撮に限らず、カメラのパンニング(PANNING:カメラをゆっくり左または右に振ること)はビデオ撮影の基本かつ重要テクニックです。 しかしドローンの回転速度は、パンニングには速すぎます。 ゆっくりと、一定の速度で回転できるようになりましょう。練習方法
ホバリングして、ラダーをほんの少し傾け、ゆっくりとその場旋回します。 コントローラーに映る、ドローンからの映像を見て、見苦しくないスピードでパンニングできるようになりましょう。
回転中にドローンの位置が移動する様であれば、その修正も必要です。 しかしドローンの性能が上がった今、回転するだけで位置が移動するようなドローンは、ホバリング性能不足と考えられます。
応用編
パンニングや旋回飛行と組み合わせて、ジンバル(カメラ)の上下回転も同時に行うと、いかにもドローンによる空撮らしいビデオが撮れます。 事前にカメラワークを頭の中に描いて、その通りに操作できるようになりましょう。
ティルト&ペデスタル
ジンバルを搭載したドローンでの、カメラの回転と連動した飛行です。カメラをティルト・ダウン(TILT DOWN:下方向に回転)しながら、ドローンを上昇(ペデスタル・アップ/ブーム・アップ)させます。 またはカメラをティルト・アップ(TILT UP:上方向に回転)しながら、ドローンを下降(ペデスタル・ダウン/ブーム・ダウン)させます。 この間、常にねらった被写体をカメラの中心にとらえ続けましょう。 ジンバルとスロットルの速度を協調して操作できるようになりましょう。
これにノーズインサークル飛行を組み合わせると、より印象的な映像が撮れます。
ズーム&ドリー
ズーム機能を搭載したドローンでの、カメラのズームと連動した飛行です。カメラをズーム・イン(ZOOM IN:拡大)しながらドリーアウト(DOLLY OUT:後退)します。 またはカメラをズーム・アウト(ZOOM OUT:縮小)しながらドリーイン(DOLLY IN:前進)します。 この間、常にねらった被写体が同じ大きさで写るように飛行しましょう。 ズームとエレベーターの速度を協調して操作できるようになりましょう。
これにノーズインサークル飛行を組み合わせると、より印象的な映像が撮れます。
空撮に「使える」ビデオクリップを撮影するコツ
コントロール・レバーを動かしている最中、すなわちドローンの上昇/下降、回転、移動の速度が「変化している」最中の動画は、空撮ビデオには向きません。 飛行中には、数秒間ずつ、左右のコントロール・レバーの角度を固定して、「一定の速度で」上昇/下降、回転、移動している映像を作るよう意識しましょう。 このようなビデオクリップをつなぎ合わせることで、見て心地よい空撮ビデオを作ることができます。
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ドローンの飛行ルールの確認
現在、国内ではドローンの飛行を規制する2つのルールがあります。 また、その内容はたびたび改正されています。 飛行前には、常に最新の飛行ルールを確認しましょう。飛行テクニック:応用編!?
この10年ほどの各種ドローン飛行の間に遭遇した経験を交えて、ドローン飛行の注意点を挙げてみます。
高く飛ばすときの注意
ドローンは、設定画面で高度の上限を開放すれば、ただ上昇を指定するだけでぐんぐん上昇していきます。 しかし天候や場所によっては、地上付近と上空で、風向や風速が大きく異なることがあります。 ほんの10メートル程度でも、いきなり上昇させると思わぬ風に流されコントロールを失うことがあります。 飛ばし慣れた場所でも、その日の最初のフライトでは、少しずつ高度をとって、上空の風を読みながら飛行させましょう。
特に建物や林、小高い丘などに囲まれたところから上昇しているとき、建物や丘の高さを超える瞬間に注意が必要です。
気温が高いときの注意
真夏はもちろん、春、秋でも好天で気温が高いときは、暑さでコントロール不能となる可能性があることに注意してください。 ドローン本体よりも、コントロールに使うiPod/iPad/iPhoneのほうが直射日光には弱く、気温によっては10分もしないうちにiPod/iPad/iPhoneで、図のような「高温注意」警告が発生して動作停止してしまいます。 こうなると、その瞬間からコントロール不能となってしまいます。 こうなったらiPod/iPad/iPhoneを冷やすか、ドローンのバッテリがなくなって落ちてくるのを待つしかありません。
操縦中にはiPod/iPad/iPhoneの温度にも注意を払い、熱いと感じたらすぐに着陸させて様子を見ましょう。
木のそばには近づかない
緑の多い日本の飛行環境で意外と障害になるのは「木」です。 広い公園でも必ず立木があったりします。 ドローンは木に弱く、枝にすこしでも触れるとまず間違いなくプロペラが引っかかって取れなくなります。 よじ登れる高さならまだしも、10mも20mもある立木のてっぺんに引っかかるとおしまい。 あとは強風にあおられて落ちてくるのを待つしかありません。
取りに行けない場所の上空は飛行させない
最近のドローンは性能・安定性・安全対策が向上してきたので、あまり心配はいらないのかもしれませんが・・・
人込みや市街地の上はもちろん、川、池、海、森、その他、墜落したら取りに行けない場所、人や物に危害を与える場所の上空は飛行させないのが基本です。 いつモーターが焼切れてプロペラが止まったり、ドローン本体やアプリが暴走してコントロールを失うかもしれません。
過去に、すぐそばにいるにもかかわらずドローンとコントローラーの接続が切れ、その後何をしてもアプリからドローンがコントロールできなくなったことがあります。 こうなると、ドローンのバッテリがなくなって落ちてくるのを待つしかありません。 取りに行けない場所を飛行しているときにこれが起きると、ドローンを見捨てるしかなくなります。
後退飛行時の注意
上でも挙げているように、空撮に於いて後退飛行は効果的な画が撮れるテクニックですが、 後退飛行をする前には、必ず同じルートで前進飛行を行ったり360度旋回して、障害物が存在しないことを確認してください。
パイロットの地上視点からでは、細い木の枝や電線、柱などが飛行経路に差し掛かっていることに気が付かず、後退飛行時に引っかけて、クラッシュさせてしまう可能性があります。
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