ドローンにリモートID送信機を搭載する方法
バッテリーを含む離陸重量が100g以上のドローンは、リモートID送信機を搭載する必要があります。 市販のリモートID送信機の設定方法とドローンへの搭載方法を解説します。リモートID機能とは
リモートID(RID)機能とは、Bluetooth 5.x Long Range、Wi-Fi Neighbor Awareness Networking または Wi-Fi Beacon の技術を使って、無線でドローンの認識情報を周囲に放送する機能です。 航空法によって離陸重量100g(欧米では250g)以上の無人航空機/ドローンへの搭載が義務付けられています。 リモートIDで送信されるRID信号は、国際規格ASTM F3411-19に従っている必要があり、少なくとも1秒に1回送信され、以下の情報が含まれます。- 国土交通省が運用する ドローン登録システム/ドローン情報基盤システム (DIPS-REG) で取得した「登録記号」
- 製造者の定める製造番号
- 無人航空機の位置・速度情報及び時刻情報
- 認証情報
ドローンに最初から搭載されている場合
最近発売された離陸重量100g以上の空撮用/Self-leveling(自己安定)ドローンには、通常最初からリモートID機能が搭載されています。 製品の説明書をよく読んで、 ドローン登録システム への登録と、リモートID機能の有効化を行ってください。 もしリモートID機能が搭載されていなかった場合は、自分で組み込む必要があります。
リモートID機能を搭載しない場合
リモートID機能を搭載しない場合は、飛行方法が制限されます。 すなわち、あらかじめ国土交通大臣に届け出た区域の上空において必要な措置を講じた上での飛行、およびワイヤーなどで地上に係留した状態での飛行のみが許されます。
ただし2022年6月19日までにドローン登録システムに登録した機体では、リモートID機能の搭載は免除されます。 上記の制約は発生しません。
リモートID送信機を入手する
国内でも多くのメーカーが、リモートID送信機を生産しています。 あなたのドローンに搭載可能なリモートID送信機を入手してください。 チェックポイントは、大きさ、重量、電源電圧です。2024年2月現在、ドローン登録システムで指定可能なリモートID送信機メーカーは、下記のとおりです。
TEAD株式会社、 Xiamen Huoshiquan Import & Export CO., LTD、 双葉電子工業株式会社、 日本航空電子工業株式会社、 本郷飛行機株式会社、 イームズロボティクス株式会社、 エアロエントリー株式会社、 ソラロボ株式会社、 株式会社 ACSL、 株式会社 Braveridge、 ヤマハ発動機株式会社
-
Braveridge リモートID mini(アンテナ外付け、アンテナ・電源線取付済み)BVRPT
Braveridge 2023/03 16,800円
重量 1.6 g (アンテナ、電源線を除く) (アンテナ線、電源線を含む総重量:3.5g) 世界最小・最軽量 「リモートID BVRPA/BVRPN」で、リモートID機器の圧倒的な低価格化を実現したBraveridgeが、今度は、世界最小・最軽量というリモートID機器の圧倒的な小型化・軽量化を実現しました。 ● お客さまの声から生まれた世界最小・最軽量 リモートID BVRPA/BVRPNを発表して以来、ドローンやラジコンを楽しむ数多くのお客さまからさまざまなご意見ご要望をいただきました。なかでも最も多かったのが「もっと小さく」「もっと軽く」とのリクエスト。この実現に向け、幅広く利用できる汎用性を重視した従来製品から、仕様を再度徹底的に見直し、小型化・軽量化を最優先して再設計しました。
ドローンリモートIDポータル (Braveridge) -
TEAD リモートID軽量タイプ 4.5g TD-RID-M
TEAD (テッド) 2023-02-27 14,876円
国土交通省技術規格準拠、安心・安全の国内生産。充実のサポートサイズ:35mm X 26mm X 11mm / 重量:4.5g (装着用テープ同梱)コネクタ付きの基板タイプで受信機等に直接接続が出来ます極限までの軽量を実現。ラジコンや自作機ユーザーにおすすめです規格適合:日本電波法、SIG認証
-
Potensic 外付けリモートID 発信機 RID-916
Potensic 2024/6/26 9093円
安全充電ケーブル:充電時の安全性について心配することなく。PotensicのリモートID 発信機のオリジナルType-Cケーブルには過充電保護が備わっており、充電が完了すると自動停止します。すべてのモデルに対応:ATOM SE、ATOM 3軸シンバル、Potensic Dreamer PRO、Selfシリーズなど、大人向けの4Kカメラ付きPotensicドローンに加えて、市場で販売されている100g以上の他のドローンにも使えるPotensicリモートID 外付け 発信機です。
リモートID送信機搭載手順の概要
ドローンと、搭載するリモートID送信機を入手したら、以下のような順序で搭載します。-
まずドローンを
ドローン登録システム
に登録します。
登録するときに、リモートID送信機の「製造者名」「形式」「製造番号」も入力します。
なお、リモートID送信機に関する情報は、後から追加で登録することもできます。 - リモートID送信機に電源を接続し、スマートフォンで (DIPS APP)(App Store) を使って、リモートID送信機にRID情報を書き込みます。
- ドローンにリモートID送信機を搭載します。
ドローン登録システムにドローンを登録する
リモートID送信機を搭載するときは、図に示すように、「機体情報入力」の画面で、リモートID送信機の「製造者名」「形式」「製造番号」も入力します。
ドローン登録システムの使い方については下記をご覧ください。
リモートID送信機に関する情報を後から追加する場合
リモートID送信機にRID情報を書き込む
事前に、あなたのスマートフォンにDIPS APPをインストールしておいてください。-
DIPS APP - ドローンポータルアプリ
Next Generation Air Mobility Planning Office Japan Civil Aviation Bureau MLIT ユーティリティ 無料
このアプリでは、無人航空機(ドローン等)に関する様々な操作をすることができます。・登録申請…無人航空機の所有者情報、機体情報、使用者情報を申請、管理します・リモートID書込み…ご登録済みの無人航空機に対してリモートID機器等へ識別情報の書き込みを行います・飛行許可・承認申請…無人航空機の飛行許可・承認の申請、事故報告等をします・飛行計画共有…無人航空機の飛行計画の通報、他の飛行計画の参照等をします
詳細を見る(App Store)DIPS APP 使い方マニュアル (国土交通省)
なお、登録記号の右には「リモートID書込状況」が表示されています。 ここにはグレー背景で「未済」と表示されています。
「リモートID mini BVRPT」の場合は、電源接続後の1分間だけ、リモートID書き込み・更新モードになります。 リモートID書き込みモードになっている間は、LEDが1秒間隔で白色に点灯します。 この間に、以下の手順を完了させてください。
間に合わなかった場合(LEDが赤色で点滅)は、電源を入れなおすか、ボード上のボタンを3秒間長押しします。
また、国土交通省航空局から「リモートID情報登録完了のお知らせ [DIPS-REG] Notification of completion of remote ID information registration」というタイトルのメールが届きます。
同様の手順で、RID情報の更新・削除も可能です。 このリモートID送信機を、別のドローンに搭載する場合は、RID情報の更新・削除を行います。
ドローンへリモートID送信機を搭載する
また、赤い四角で囲っている、青いLEDライトが点灯しているボードが、リモートID送信機です。 これはバッテリーと一緒に、ベルクロテープで締め付けることにしました。
FPVドローンの飛行中には、モーターの回転数の変動に伴い、バッテリーの出力電圧は大きく変動します。 リモートID送信機などの追加機器を、直接バッテリーの出力端子に接続しないでください。 電源はFCボードのBECコネクタから取るか、バッテリーの出力端子に出力平滑化用の電解コンデンサーを接続してください。