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ラズパイ(Raspberry Pi)でHomeKit対応ライブビュー(監視)カメラを作る | ホームアプリの使い方

iPhone
Linuxマシン等を(ホーム)アプリのアクセサリにしてしまう HomeBridge を使えば、 iPhoneを使って家電などをコントロールすることができます。 ここでは、超小型コンピューター:Raspberry Pi(ラズベリーパイ)を使って、HomeKit対応のライブビュー(監視)カメラを作ってみます。
iPhoneやMacの情報サイト: appleinsider では、HomeKit対応のライブビュー(監視)カメラを作るためのRaspberry Pi用のSDカードイメージを配布しています。 これを使えば、SDカードイメージをSDカードに書き込み、Raspberry Piに差し込むだけでHomeKit対応ライブビューカメラが完成します。 本来手作業で行う、下記のような面倒な作業がスキップできます。
  • Raspberry PiへのOS(Raspbian Lite)、Node.js、Avahi、HomeBridgeのインストール
  • OSでのカメラモジュールの有効化(raspi-configの修正)
  • カメラドライバのインストール
  • 動画処理モジュール:ffmpegのインストール
  • HomeBridge用カメラプラグイン: homebridge-camera-rpi のインストール
  • HomeBridgeとプラグインの設定ファイル:config.jsonの更新

必要なもの

PC 揃えるものはRaspberry Pi(中央:Pi3 Model B)、Raspberry Pi Camera V2(左)、micro SDカード(32GB)、ACアダプタだけです。
ACアダプタは一般的なUSB ACアダプタ+micro Bケーブルでも良いですが、ケーブルにON/OFFスイッチが付いている、ラズパイ用として売られているものが便利です。 ACアダプタの代わりにモバイルバッテリーでも使用可能です。 ただ、Pi3は消費電力が大きいようで、5V2Aのものでは警告メッセージが出ることがあります。5V3A程度以上のものを準備することをお勧めします。
HomeBridgeは、Raspberry Pi どのバージョンのものでも動作するようですが、コストパフォーマンスや将来の拡張性を考えると、最新のもの(Raspberry Pi 3 Model B)を準備したほうがよさそうです。
カメラは製品によって互換性に難があることが多いので、素直にRaspberry Pi専用オフィシャル品(Raspberry Pi Camera Module V2)を使うのがお勧めです。
appleinsiderの準備したSDカードイメージはぎりぎり16GBですが、SDカードによっては16GBの容量のものに書き込めないことがあります。 32GB以上を準備するのがおすすめです。
価格はRaspberry Piとカメラが各約5千円、ACアダプタが約1000円、SDカードが約500円、合計約1万1500円程度です。

SDカードの準備

PC appleinsiderの製作記事のWebページ から「DOWNLOAD」ボタンをクリックして、SDカードイメージをダウンロードします。 「ai-homekit-camera.dmg」という名前の、Mac OS の.dmg(disk image file)形式ファイルが入手できます。 ファイルサイズは2.31GBもあります。ダウンロードには1時間以上かかる場合があります。
PC ダウンロードしたイメージをSDカードに書き込みます。 イメージファイルはMacの.dmg形式です。Macを使うとそのままSDカードに書き込むことができます。 (Windowsでは、.dmg形式ファイルは 7-zip で解凍できます。.img形式ファイルが取り出せるので、これをSDカードに書き込みます。)
appleinsiderのサイトでは、フリーソフトのEtcherを使った例を説明しています。 Windows(64bit/32bit)版、Linux(64bit/32bit)版、macOS版が公開されています。
Etcherをインストールして起動するとこのような画面になります。 「Select image」をクリックし、ダウンロードしたイメージファイル(Macの場合は.dmgファイル、Windowsの場合は解凍して取り出した.imgファイル)を選択します。
PC つづいてMacのUSBコネクタにSDカードリーダを接続/またはMac本体のSDカードリーダにSDカードをセットすると、このような画面になります。 「Flash!」をクリックすると書き込みが始まります。
途中、Mac OSが、入力ファイル形式が正しくないといった警告画面を表示しますが、キャンセルして無視します。
PC 書き込み中はこのような画面になります。 約15分かかります。
PC つづいて書き込み結果のベリファイ(照合)が始まります。 これも約15分かかります。
PC 書き込みが完了するとこのような画面になります。 Etcherを終了させ、Macのシステムを終了して、SDカードを取り出します。

ラズパイ(Raspberry Pi)の組み立て

PC イメージファイルを書き込んだSDカードをRaspberry Piのスロットに差し込みます。
PC Raspberry Pi Camera V2をRaspberry Piのコネクタに差し込みます。 まず、コネクタについているパーツを上方向に持ち上げます。
PC つづいて、裏表に注意して、カメラモジュール:Raspberry Pi Camera V2のフラットケーブルをコネクタに差し込み、さきほど持ち上げたパーツを下方向にしっかり押し込みます。 フラットケーブルを差し込むときは、丁寧にまっすぐ上から押し込みます。 弱い力でもすんなり入るはずです。入らないときは無理に押し込まず、いったん抜いてから丁寧に入れなおしてください。

ラズパイ(Raspberry Pi)の起動

PC Raspberry Piにディスプレイとキーボードを接続します。 直接接続する場合は、HDMIコネクタにディスプレイを、USBコネクタにキーボードを接続します。
SDカードイメージはSSH接続が有効にされているので、有線LANコネクタからLANケーブルで自宅のルーターに接続すれば、 ほかのパソコンから ラズパイにSSH接続でログインする ことも可能です。
そしてACアダプタを接続し、電源を入れます。 無事起動すると、数分でこのような画面となり「raspberrypi login:」と表示されます。 ログインIDは「pi」、パスワードは「raspberry」と入力します。
PC ログインに成功すると、このようにコマンドプロンプトが出ます。 「./get-started.sh」と入力します。
PC 最初にWi-Fiを設定するか否かを聞かれます。 設定する場合は「y」を入力し、Wi-FiアクセスポイントのSSIDとパスワードを入力します。 Wi-Fi設定は あとから手動でも実施可能です。
つづいてログインパスワードを変更するか否かを聞かれます。 設定する場合は「y」を入力し、新しいパスワードを入力します。
最後に画面にHomeBridgeのHomeKit設定コード(8ケタ(3ケタ-2ケタ-3ケタ):PINコード)が表示されるので、メモに控えておきます。 そして何かキーを押すとRaspberry Piが再起動します。 以上でRaspberry Piの準備は完了です。

ホームアプリのアクセサリとして追加する

ここから先は 普通のHomeKit対応アクセサリの追加 と同じです。
iPhone アイコンをタップして、「ホーム」アプリを起動しましょう。 そして画面右上の「+」アイコンをタップします。
iPhone このような画面になります。 「コードがないか、スキャンできませんか?」 と書かれているところをタップします。
iPhone Raspberry PiとiPhoneが同じ家庭内LANにつながっていれば、このようにHomeBridgeサーバーと、カメラ(Pi Camera)が見えています。 まずは「HomeBridge」アイコンをタップします。
iPhone 「認定されていないアクセサリ」といった警告が出ます。 「このまま追加」をタップします。
iPhone このような画面になります。 Raspberry Piの初期設定時に画面に表示された HomeKit設定コード(8ケタ(3ケタ-2ケタ-3ケタ):PINコード)を入力します。
iPhone 接続に成功し、しばらく待つとこのような画面になります。 「デフォルトの部屋」に登録されています。お好みで変更してください。 右上の「次へ」をタップします。
iPhone このような画面になります。右上の「次へ」をタップします。
iPhone つづいて「Pi Camera」をタップして追加します。 同様にHomeKit設定コード(8ケタ(3ケタ-2ケタ-3ケタ):PINコード)を入力します。
iPhone このような画面になれば追加完了です。 右上の「完了」をタップします。
iPhone このように、ラズパイのカメラからの映像がiPhoneに表示されます。 映像は、家庭内LANからの接続時は10秒ごと、屋外からの接続時には1分ごとに更新されます。
iPhone iPhoneに表示されたカメラ映像をタップすると拡大表示されます。 この場合は映像はリアルタイムで更新されます。
以上で設定は完了です。自宅にホームハブを設定していれば、外出先からもこの映像を見ることができます。 ホームハブの設定方法についてはHomeKitアクセサリの設置方法・ホームハブの設定方法をご覧ください。 なお、ラズパイの電源を落とすときは、ラズパイにログインしたうえで「sudo shutdown -h now」と入力しましょう。 いきなり電源を切ると、クラッシュの可能性があります。 一方電源を投入するときは、単にラズパイに電源を供給するだけでOKです。 自動的にHomeBridgeサーバーが起動して、カメラの映像がiPhoneに届けられます。