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Wi-Fi無線LAN中継器(エクステンダー)の使い方と効果

Wi-Fi無線LAN中継器(エクステンダー)とは、Wi-Fi無線LANの有効範囲を拡大する機器です。 家の1階と3階、鉄筋コンクリートのマンションなど、電波の届きにくいところに設置することにより、電波を中継して、無線LANの電波到達範囲を広げることができます。 ただし、中継器を経由すると、中継しない場合と比べて、通信速度は半分程度に低下します。

無線LANの電波到達範囲を確認する

無線LAN中継器を導入する前に、まずは現在の無線LANの電波到達範囲を確認しておきましょう。 I-Oデータ機器社の提供する無料アプリ「Wi-Fiミレル」が役に立ちます。
  • Wi-Fiミレル

    I-O DATA DEVICE, INC. ユーティリティ 無料

    ご自宅やオフィスなどのWi-Fi環境を計測し、表示することができるアプリです。現在接続されているWi-Fiの電波強度やヒートマップなど、Wi-Fi電波を“見える化”することで、より快適なWi-Fi環境を実現するお手伝いをします。現在接続されているWi-Fi(SSID)の電波強度を0~100の数値で表示します。数字が大きいほど、電波状態が良い状態であることを示しています。表示される数値は目安となります。場所ごとに電波強度を計測することで、ご自宅やオフィス全体のWi-Fiの電波強度をわかりやすく把握できるヒートマップを作成できます。間取り図も読み込みできますので、場所ごとの計測結果が一目でわかります。

iPhone iPhoneを、電波強度をチェックしたいWi-Fiアクセスポイントに接続したうえで「Wi-Fiミレル」を起動すると、電波強度が数値とアナログメーター風のグラフィックで表示されます。 メーターの色が緑色なら電波強度は十分です。 黄色や赤色の場合は、電波強度は不足しています。 家の中のあちこちで電波強度をチェックしてみましょう。
壁をひとつまたいだだけで急に電波強度が弱まったりする様子がわかると思います。 2.4GHzより周波数の高い5GHzの方が、より到達距離が短く、不安定となる傾向があります。 もし5GHz帯を常用していて電波が弱いと感じている場合は、2.4GHz帯に切り替えるだけで、より安定します。

無線LAN中継器の設置場所を検討する

無線LAN中継器は、親機となる無線LANルーターまたはアクセスポイントからの電波が十分に届き、なおかつ新たに電波を届けたい場所に近い場所に設置します。 上のアプリを使って、メーターの色が緑色または黄色となる場所に設置することを検討しましょう。
なお、中継器を経由すると、中継しない場合と比べて、通信速度は半分程度になります。 ストリーミング動画の再生やオンラインゲームなど、通信速度が重要な場合は、中継器を使うのではなく、有線LANケーブルを敷設することを検討してください。

中継した場合としない場合の通信速度比較

親機となる無線LANルーターの「Wi-Fiミレル」アプリの電波強度表示が黄色:30番台となる場所でiPhone11 Proを使い、 中継器に接続した場合と、直接親機に接続した場合の通信速度を比較してみました。 なお、中継器の電波強度表示は緑色:80番台でした。 また、値は3回計測して最も良い値をピックアップしました。
2.4GHz帯
iPhone 上が中継した場合、下が中継しない場合の計測結果です。 中継した場合のダウンロード速度が14Mbps、中継しない場合のダウンロード速度が39.5Mbpsとなりました。 中継しない場合の方が、電波が弱くても約2.8倍高速です。
5GHz帯
iPhone 上が中継した場合、下が中継しない場合の計測結果です。 中継した場合のダウンロード速度が38.9Mbps、中継しない場合のダウンロード速度が181.9Mbpsとなりました。 中継しない場合の方が、電波が弱くても約4.7倍高速です。
以上より、中継器を使用すると、電波は強力になっても、転送速度は約半分以下に低下することが確認できました。 通信速度を重視する場合は、少々電波が弱くても、親機に接続できる限り、そちらを利用したほうが高速です。 なお、この傾向は、下記で紹介するTP-Link社の中継器に限らず、他社製品でも同様でした。

無線LAN中継器のいろいろ

無線LAN中継器カタログ のページでは、無線LAN中継器のいろいろをまとめています。 機種選定の参考にご利用ください。
ここでは、家電量販店でも入手が容易で、価格も手ごろ、機能もシンプルな TP-Link社 RE300 (Amazon.co.jp) を例にとって、設定方法を紹介します。 TP-Link社のオフィシャルアプリ「TP-Link Tether」を使って設定していきます。
  • TP-Link Tether

    TP-LINK ユーティリティ 無料

    TP-Linkのアプリ「Tether」を使えば、スマートフォンやタブレットからTP-Linkのルーターや中継器へかんたんにアクセスが可能で、初期設定や保護者による制限機能の設定や接続しているデバイスの確認などをシンプルかつ直感的に行う事が出来ます。-SSIDやパスワードの変更、およびインターネットの接続設定-不明なデバイスのブロック-接続しているデバイスのパーミッションの管理-スケジュールやURLを指定してアクセスをコントロールする保護者による制限機能-最も良い中継器の設置場所の探索-特定の時間帯にLEDをオフにする設定-ほぼすべてのTP-Linkデバイスを同時に管理することが可能

    詳細を見る(App Store)
TP-Link Tetherを使うには、TP-Linkのユーザー登録:TP-Link IDの取得が必要です。 まだTP-Link IDを取得していない場合は、まずそれを取得します。
iPhone (TP-Link Tether)を起動するとこのような画面になります。 「同意」をタップします。
iPhone するとこのような画面になります。 過去にユーザー登録をしたことがある場合は、そのID(メールアドレス)とパスワードを入力し、「ログイン」をタップします。 ユーザー登録をしていない場合は、画面左下の「サインアップ」をタップします。
iPhone 「サインアップ」をタップするとこのような画面になります。 「メール」欄にはTP-Link IDとして使用したいメールアドレスを、 「パスワード」欄と「パスワードの確認」欄には、独自のパスワードを考えて入力します。 そして「サインアップ」をタップします。
iPhone すると、TP-Link IDとして指定したメールアドレスに、このようなメールが届きます。 文中の黄色い「クリックして登録を完了」ボタンをタップします。
iPhone TP-Link Tetherアプリの画面に戻ると「アクティベート済み&ログイン」ボタンが有効になっています。 これをタップします。
iPhone このような通知の確認画面が表示されます。 お好みで設定してください。 なお、この設定はあとから 通知センター で変更可能です。
以上でTP-Link IDの取得とログインは完了です。

アプリへの無線LAN中継器の登録

TP-Link Tetherアプリに、設定したい無線LAN中継器を登録します。
iPhone 無線LAN中継器(TP-Link RE300)を、親機となる無線LANルーターのそばに持っていき、コンセントに接続します。 そして中継器の4つのLEDランプのうち、一番左のランプのみが白色点灯となるのを待ちます。
つづいて (設定)-(Wi-Fi) 画面を開いて中継器のSSIDである「TP-Link_Extender」に接続します。
なお、iPhoneで「1.1.1.1 WARP」などのVPNサービスを利用しているときは、一旦OFFにしてください。
iPhone つづいて (TP-Link Tether)を起動し、 画面右上の「+」をタップします。
iPhone 「レンジ エクステンダ(中継器)」をタップします。
iPhone 「Power LEDが点灯している」をタップします。
iPhone 「接続」をタップします。
iPhone 正しくSSID「TP-Link_Extender」に接続できていない場合や、VPNサービスが有効になっている場合などは、このようなエラー画面になります。 問題を修正のうえ、 (TP-Link Tether)を起動します。
iPhone 正しく中継器に接続できると、このような画面になります。
iPhone 中継器にログインするためのパスワードの設定画面です。 「新しいパスワード」欄と「パスワードの確認」欄には、独自のパスワードを考えて入力します。 TP-Link IDのパスワードとは異なるものを考えましょう。 そして「作成」をタップします。
iPhone このような画面になると、登録完了です。
TP-Link Tetherアプリに登録した中継器の初期設定を行います。
iPhone 中継器の名前をタップします。
iPhone 中継器へのログインが始まります。
iPhone そしてこのような画面になります。 最初は2.4GHzの、中継元となる親機の無線LANルーターの選択です。 到達距離を伸ばしたい、親機のSSIDを選択して「次へ」をタップします。
親機のSSIDが見つからないときは「再スキャン」をタップします。
2.4GHzは中継しない場合は「スキップ」をタップします。
iPhone つづいてそのSSIDへのパスワードを聞かれるので入力します。 正しいパスワードを入力すると、そのSSIDにチェックマークが付きます。
iPhone 同様にして5GHzの、親機のSSIDを選択して、パスワードを入力します。
親機のSSIDが見つからないときは「再スキャン」をタップします。
5GHzは中継しない場合は「スキップ」をタップします。
iPhone 中継元となる親機のSSIDとそのパスワードの確認画面が表示されます。 「次へ」をタップします。
iPhone つづいて中継器そのもののSSIDとパスワードを設定します。 初期値では、中継器のSSIDは、親機のSSIDの末尾に「_EXT」を付加したものとなります。 またパスワードは、親機のものを受け継ぎます。 問題なければ「適用」をタップします。
変更したい場合は、 (編集) をタップします。
iPhone 中継器の設置場所に関するアドバイスが表示されます。 「適切な設置場所です」をタップします。
iPhone 以上で中継器の初期設定は完了です。 中継器をコンセントから外して、適切な位置に設置します。 そしてパソコンやiPhoneなどを「_EXT」が付加されたSSIDに接続すると、Wi-Fiが中継された状態となります。
引き続きアプリは、中継器の新しいSSIDに接続しようとします。 設定状況などを確認したい場合は、「接続」をタップします。
注意: ここで中継器をコンセントから外してしまうと、SSIDが変更されているため、二度とTP-Link Tetherアプリからは中継器が見えなくなります。 アプリのバグと思われます。 以降の設定変更などは、 ブラウザから行います
iPhone 上で「接続」をタップすると、このような画面で、中継器の設定が確認できます。

中継器の設定を確認・変更する

中継器の設定を確認・変更するには、ブラウザから中継器のIPアドレスを入力します。 まずは親機Wi-Fiルーターの設定画面を開いて、中継器に割り当てられているIPアドレスを確認しましょう。
iPhone 例えばiPhoneの (Safari) を起動して、アドレスバーに中継器のIPアドレスを入力すると、このような画面になります。 モバイル機器での表示が考慮されていないようで、ちょっと見にくい表示となります。 できればiPadやパソコンなどの大画面デバイスでアクセスするのがよいでしょう。
中継器へのログインパスワードが要求されるので、 アプリへの無線LAN中継器の登録 の時に設定したパスワードを入力します。
iPhone 中継器へのログインに成功すると、このような画面になります。 左のメニューから、いろいろな機能が選択できます。

もっと無線LAN(Wi-Fi)の使い方を知りたい