MSFS SDK/Blender/プラグイン/ツールのダウンロードとインストールの方法
マイクロソフトフライトシミュレーター用のコンテンツは、マイクロソフトが提供するSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を使うと、ユーザーが自分で作ることができます。 MSFSの世界の中に、自宅など自分の好きな建築物を表示したり、製品に組み込まれていない空港や、空想の空港を作ることができます。 そしてそれを有料や無料でほかのユーザーに配布することも可能です。ここではMSFS SDKや、コンテンツの開発に必要または便利なツールのダウンロードとインストール方法を解説します。
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もくじ
- MSFS用のオプションコンテンツを自分で作る
- DEVELOPER MODE(開発者モード)を有効にする
- MSFS SDKをダウンロードおよびインストールする
- LTS版Blender、過去版Blenderをインストールする方法
- BlenderからMSFSへのエクスポーター・インポータープラグインをインストールする方法
- BlenderでMSFSの3Dモデル(glTF)をインポートする
- Blenderで編集した3DモデルをMSFS用(glTF)にエクスポートする
- そのほかのBlender用インポータープラグイン
- Google Earth Decoderをインストールする方法
- Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT)をインストールする方法
- Lily Texture Packer プラグインをインストールする方法
- Compressonatorツールを入手する
MSFS用のオプションコンテンツを自分で作る
自分でMSFS用のコンテンツを作るには、MSFSを[DEVELOPER MODE(開発者モード)]に切り替え、その[HELP]メニューからダウンロードできるSDK(Software Development Kit)を使います。 マイクロソフトは、このSDKを解説するサイト: Flight Simulator SDK Documentation のページを公開しています。また、SDKの使い方については、YouTubeなんて時間の無駄、superspud氏がflightsim.toで公開している A Written MSFS SDK Scenery Creation Tutorial が、初心者向けに丁寧な解説かなされていて、非常に役に立ちます。 これにはサンプルやドキュメントが豊富に含まれていますが、最初に「MSFS Airport and Scenery Creation.pdf」から読み始めてください。
Flight Simulator SDK Documentation (Microsoft)
A Written MSFS SDK Scenery Creation Tutorial (Flightsim.to)
DEVELOPER MODE(開発者モード)を有効にする
MSFS SDKをダウンロードおよびインストールする
何はともあれ、ますマイクロソフト謹製のMSFS SDKをインストールしてください。詳しくは下記をご覧ください。
LTS版Blender、過去版Blenderをインストールする方法
Blenderは、3Dオブジェクトデータを作成するのに使える無料のツールです。 普通の手順でインストールすると最新版がインストールされてしまいます。 しかしMSFS用のプラグインは、LTS(Long-Term Support:長期サポート)版にしか対応していません。 LTS版Blenderをインストールする必要があります。BlenderからMSFSへのエクスポーター・インポータープラグインを使用するには、バージョン3.6.x LTSを使用します。 Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT)を使用するには、バージョン3.5.1を使用します。 異なるバージョンのBlenderを、1台のパソコンに、同時に複数インストールすることが可能です。
詳しくは下記をご覧ください。
BlenderからMSFSへのエクスポーター・インポータープラグインをインストールする方法
BlenderからMSFSへのエクスポーター・インポーターは、Blender2MSFS toolkitなど、ユーザーによってこれまでに多くの種類のツールが開発されてきました。 MSFSの開発元であるAsoboStudioは、それらの集大成を目指すプラグイン「glTF-Blender-IO-MSFS」を公開しています。 このツールは現在も開発が継続しており、年数回のペースでアップデートが続いています。 最新バージョンでは、Blender 3.3.x LTS および 3.6.x LTS のみに対応しています。 また、コンテンツの権利を守るため、SDKでビルド済みのモデルはインポートできなくなっています。glTF-Blender-IO-MSFS プラグインのダウンロード
glTF-Blender-IO-MSFSはGithubで配布されています。 このファイルは、MSFS SDKの"\Tools\Blender"フォルダーの中にも含まれています。
AsoboStudio (Github)
また、このページをスクロールすると、あるいは Documentationのページ を開くと、このツールに関する詳細な説明が読めます。
glTF-Blender-IO-MSFS (Github)
glTF-Blender-IO-MSFS Releases (Github)
glTF-Blender-IO-MSFS プラグインのインストール
インストール方法は、Githubの glTF-Blender-IO-MSFSのページ にも、画像入りで詳しく解説されています。
以上でインストールは完了です。
もしこの画面でプラグインが見つからないときは、画面右上の検索ボックスに"Microsoft Flight Simulator glTF Extension"と入力してみてください。
プラグインの使い方関連サイト
Documentation for Microsoft Flight Simulator glTF 2.0 Importer and Exporter for Blender (Github)
THE BLENDER PLUGIN (Microsoft)
BLENDER PLUGIN PROPERTIES (Microsoft)
THE BLENDER EXPORTER (Microsoft)
New Blender Exporter (MSFS DevSupport)
msfs2blend (Github)
Blender2MSFS toolkit (FSDeveloper)
BlenderでMSFSの3Dモデル(glTF)をインポートする
BlenderでMSFSの3Dモデル(glTF)、特にGoogle Earth DecoderでダウンロードされたGoogle Mapのデータを読み込む方法を解説します。Google Mapデータのメッシュを編集する場合は、先にGoogle Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT)での「最適化」を終えてください。 GEDOTは、Google Earth Decoderの出力を扱うことに特化されており、それ以外、例えばBlender用エクスポーターで生成されたデータを扱うことはできません。
LOD別のデータを格納したコレクションの名前には、後ろに"_LODn"、または前に"xn_"を付加する必要があります(nは0から始まる整数)。 これはプラグイン「glTF-Blender-IO-MSFS」の仕様です。
Google Earth DecoderでダウンロードされたGoogle Mapのデータの場合は、".gltf"ファイルは"modelLib"フォルダーの下に格納されています。
Google Earth DecoderでダウンロードされたGoogle Mapのデータの場合は、テクスチャファイルは"modelLib\texture"フォルダーの下に格納されています。
Blenderで編集した3DモデルをMSFS用(glTF)にエクスポートする
Blenderで編集したMSFSの3Dモデル、特にGoogle MapのデータをglTF形式で書き出す方法を解説します。各タイルについて、オプションを設定していきます。
"Genete XML"にチェックを入れると"(タイル名).xml"ファイルが生成されます。 ここにチェックを入れると"Overwrite GUID"欄が表示されます。 GUIDを更新したい場合は、ここにチェックを入れます。
"Export Path"欄には、.glTFファイルの書き出し先フォルダーを指定します。
その下に並ぶ、各LOD名の左のチェックボックスをチェックすると、そのLODのデータが.glTFファイルに含まれます。
そのほかのBlender用インポータープラグイン
MSFSの3Dモデル(glTF)をBlenderへ読み込むことができるインポータープラグインには、上で示した「glTF-Blender-IO-MSFS」のほかに、次のようなものがあります。msfs2blend
Daniel氏によって開発された、主に航空機モデルにペイントを施すことを目的とした開発されたプラグインです。 Blenderバージョン3.0以降用です。
msfs2blend (Github)
msfs2blender2msfs
flybywireグループによって開発されたプラグインです。いずれもメンテナンスは終わっています。
msfs2blender2msfs (Github)
msfs-blender-tools (Github)
こちらも参考になるでしょう。
Fly By Wire addon for Blender 3.x (FSDeveloper.com)
これらのインストール方法は、上で示した BlenderからMSFSへのエクスポーター・インポータープラグインをインストールする方法 と同じです。
すなわちBlenderを起動し、メニューから[Edit]-[Preferences]を選び、[Add-ons]画面を開き[Install an add-on]をクリックします。
Google Earth Decoderをインストールする方法
Jonahex111氏によって開発されたフリーソフト「Google Earth Decoder」を使うと、Google Earthの3D立体地図データーをGoogleのサーバーから読み出して、MSFS SDK用の3Dデータ(modelLib)に変換することができます。Google Earth Decoder本体のダウンロード
Google Earth Decoderはredditの記事で配布されています。
Google Earth Decoder. Now user-friendly (reddit)
Google Earth Decoder (reddit)
なお、ここでウイルススキャンができない旨の警告画面が表示される場合があります。 構わず「ダウンロード」を選択します。
Google Earth Decoder updateのダウンロード
Google Earth Decoderは2020年以降メンテナンスされておらず、最新のGoogle Earthに対応していません。 これをアップデートするモジュールが、Thalixte氏によって flightsim.to で公開されています。
すると「Google Earth Decoder_xxxxx.zip」といったファイルがダウンロードできます。 このファイルのサイズは25KBほどで、瞬時にダウンロードできます。
なお、flightsim.toのログイン方法や使い方については MSFSに無料のアドオン(飛行機・空港・シーナリー)を追加する flightsim.toの使い方 をご覧ください。
Google Earth Decoder update (flightsim.to)
MSFSに無料のアドオン(飛行機・空港・シーナリー)を追加する flightsim.toの使い方
このアップデートモジュールは、しばしば更新されています。 ときどきチェックして、最新版がリリースされたら再度ダウンロードしてください。
Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT)をインストールする方法
Google Earth Decoder updateを開発したThalixte氏によって、Blender(2.83以降/3.5.1推奨)用の便利なプラグイン : Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT)が公開されています。 これを使うと、MSFS SDK用のシーナリープロジェクトフォルダを生成したり、そのプロジェクトに保存された3Dモデルデータのテクスチャ、Lods、CTDを最適化します。 また、プロジェクトのテクスチャの結合を行ってファイル数を減らしたり、衝突、道路交通、および雷の生成を管理するためのAsobo 拡張タグも追加します。 このほかにも、Google Earth Decoderで生成された3Dモデルデータに対する、多くの修正・更新機能を持っています。ツールの開発者による説明が下の記事で読めます。
Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT) (github)
New optimisation tool for Google Earth Decoder MSFS sceneries (reddit)
各ツールのバージョンについて
GEDOTを動作させるには、各ツールのインストール時に、適切なバージョンを選択する必要があります。 必ずしも最新版のツールをそろえれば良いわけではありません。 2024年春における各ツールの推奨バージョンは下記のとおりです。
TOOL | Version | Description |
---|---|---|
GEDOT | Ver.1.1.3 | Ver.2.0.xでは Lily Texture Packer が動作しない |
Blender | Ver.3.5.1 or Ver.2.83 | Ver.3.6以降では動作しない |
Lily Texture Packer | Blender Ver.3.5.1 は Ver.1.2.3以降 Blender Ver.2.83 は Ver.1.1.x |
Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT) プラグインのダウンロード
Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT)には、Ver.1系とVer.2系の二種類があり、機能も、配布されている場所も異なります。 しかし筆者の環境では、いろいろ試しましたが、Ver.2系を動作させることはできませんでした。
Ver.1系は、Microsoft Flight Simulator用の Mod、カラーリング、アドオンが集められているWebサイト「 flightsim.to 」で配布されています。
「Google-Earth-Decoder-optimisation-tools_thGTq.zip」という名前のファイルが入手できます。 2024年春時点での最新版はVer.1.1.3です。
なお、flightsim.toのログイン方法や使い方については MSFSに無料のアドオン(飛行機・空港・シーナリー)を追加する flightsim.toの使い方 をご覧ください。
Google Earth Decoder Optimization Tools (flightsim.to)
MSFSに無料のアドオン(飛行機・空港・シーナリー)を追加する flightsim.toの使い方
Ver.2系は、Githubの Thalixteのページ からダウンロードできます。 このような画面になるので「Google-Earth-Decoder-optimisation-tools」をクリックします。
Thalixte (Github)
また、このページをスクロールすると、このツールに関する詳細な説明が読めます。
Google Earth Decoder Optimization Tools (Github)
“Assets”欄にダウンロードリンクがあります。 “Google-Earth-Decoder-Optimization-Tools.zip”をクリックするとプラグインをダウンロードすることができます。 これを任意のフォルダーに保存してください。 このファイルのサイズは約250MBで、ダウンロードは数十秒から数分程度で完了します。
Google Earth Decoder Optimization Tools Releases (Github)
Google Earth Decoder Optimization Tools (GEDOT) プラグインのインストール
すなわちBlenderを起動し、メニューから[Edit]-[Preferences]を選び、[Add-ons]画面を開き[Install an add-on]をクリックします。 するとファイル選択画面になります。 ダウンロード済みの“.zip”を探してクリックし、画面右下の[Install Add-on]をクリックします。
Ver.2系のインストール時とチェックボックスをクリックした時にはエラーが発生します。 この時はBlenderを再起動してやり直してください。
詳しくは、 GEDOT Installation (github) のページをご参照ください。
GEDOT Installation (github)
Blenderとのバージョンの不一致などのためにプラグインをアンインストールしたいときは、[Edit]-[Preferences]-[Add-ons]画面で、そのプラグインの詳細画面を開き、「Remove」ボタンをクリックします(右図)。 この時にエラーが表示された場合は、Blenderを再起動してみてください。 そして再度[Edit]-[Preferences]-[Add-ons]画面を開くと、リストからプラグインが消えていると思います。
Lily Texture Packer プラグインをインストールする方法
Élie Michel氏が開発したBlender用のプラグイン「Lily Texture Packer」は、ポリゴンに貼り付けられているテクスチャを一つのファイルに合成するツールです。 オブジェクトを構成するすべてのポリゴンを選択したうえで、Blenderのメニューから[Objects]-[Lily Texture Packer]をクリックするだけで動作します。また、このプラグインをインストールしたうえでGoogle Earth Decoder Optimization Toolsの「Optimize an existing Msfs scenery project」メニューを使うと、大量のテクスチャファイルを一つのファイルに合成することができます。 地表を構成する各タイルのLODごとに、テクスチャが1枚に合成されます。 ファイルアクセス回数が激減するので、MSFSでGoogle Earthから生成した3D空間を飛行するときの性能(FPS値)を向上することができます。
なお、Lily Texture Packerは最低USD5.00の寄付が必要なシェアウエアです。
Lily Texture Packer (Gumroad)
また、この上にある「すべてダウンロード」ボタンをクリックすると、過去バージョンもまとめてダウンロードできます。 「Old_Releases.zip」というファイルがダウンロードできます。
すなわちBlenderを起動し、メニューから[Edit]-[Preferences]を選び、[Add-ons]画面を開き[Install an add-on]をクリックします。 プラグインの名前の左にあるチェックボックスをクリックすると、このプラグインが有効化されます。
このチェックボックスをクリックしたときにエラーが表示された場合は、BlenderのバージョンとLily Texture Packerプラグインのバージョンが一致していません。 「Old_Releases.zip」から、別のバージョンを試してください。 筆者が試したところ、Blender 3.5.1に適合するLily Texture Packerは、v1.2.3またはv1.3.0でした。 Blender Ver.2.83で使用する場合は、Lily Texture Packerは、v1.1.xを使用する必要があります。
Blenderとのバージョンの不一致などのためにプラグインをアンインストールしたいときは、[Edit]-[Preferences]-[Add-ons]画面で、そのプラグインの詳細画面を開き、「Remove」ボタンをクリックします(右図)。 この時にエラーが表示された場合は、Blenderを再起動してみてください。 そして再度[Edit]-[Preferences]-[Add-ons]画面を開くと、リストからプラグインが消えていると思います。
Compressonatorツールを入手する
Compressonatorは、AMDの後援でオープンで開発されているグラフィック関連ツール:GPUOpenの中の一つです。 テクスチャやデータのファイルサイズを削減することができます。また、このツールに含まれる Compressonator CLI を使って、Google Earth Decoder Optimization Toolsの「Optimize the built package by compressing the texture files」メニューを使うと、パッケージサイズをより小さくすることができます。
AMD GPUOpen オフィシャルサイト (GPUOpen)
Compressonator オフィシャルサイト (GPUOpen)
GPUOpen-Tools (github)
CompressonatorはGithubで配布されています。
GPUOpen-Tools (github)
また、このページをスクロールすると、あるいは Compressonatorのドキュメントのページ を開くと、このツールに関する詳細な説明が読めます。
Compressonatorは、GEDOTにかかわる他のツールとの、バージョンの依存性はありません。 最新版を使えます。
Compressonator (Github)
Compressonator Releases (Github)
注意:信頼できないexeファイルは決して実行しないでください。 Compressonatorのリリースページ から直接ダウンロードしたプログラム以外は実行しないでください。 さもないと、ウイルスなどが混入されている可能性があります。