リスボン、シントラ、オビドス 旅行記
- 2018年09月06日(木)~2018年09月11日(火)
- 使用エアライン:フィンランド航空(行き:AY074 NRT-HEL A350-900、AY1739 HEL-LIS A321(32B) /帰り:AY1740 LIS-HEL A320、AY073 HEL-NRT A330-300)
- ホテル:My Story Hotel Ouro
現地で使える便利なアプリ
リスボンとその近郊で役に立つiPhone用アプリです。 これらを駆使すれば、初めての街でも、トラム、バス、電車を使って自由に移動できます。 特にCarrisとCitymapperは、トラム、バス路線やその乗り場を探すのにとても役立ちました。-
Carris
COMPANHIA CARRIS DE FERRO DE LISBOA, E.M., S.A. 旅行 無料
リスボンのトラム、バス、ケーブルカー、エレベータを運用する会社:Carrisのオフィシャルアプリです。地図をタップするだけで近くの乗り場と、そこを通る路線を探すことができます。また各路線のルート、時刻などが確認できます。
詳細を見る(App Store)Carrisオフィシャルサイト -
Citymapper
Citymapper Limited ナビゲーション 無料
世界の主要都市で使える乗換案内アプリ。 名前は「東京」となっていますが、現地に到着するとその都市に切り替わります。 地図上でスタート地点、目的地を指定すると、徒歩を含めた経路を提示してくれます。 世界どこの都市でも日本語で使えます。
詳細を見る(App Store)Citymapperオフィシャルサイト -
Comboios de Portugal
CP - Comboios de Portugal 旅行 無料
ポルトガル鉄道(Comboios de Portugal)のオフィシャルアプリです。 出発駅、目的駅を指定すると、列車の時刻や料金が確認できます。 シントラなどリスボン近郊に出かけるときに役立ちます。
詳細を見る(App Store)CPオフィシャルサイト
成田からリスボンへ
フィンランド航空のエコノミーコンフォート席
今回はヘルシンキ経由のフィンランド航空を利用。
成田からヘルシンキは10時間未満と短いですが、ヘルシンキからリスボンまでは5時間、さらに乗り継ぎには余裕をみて3時間を確保、合計約18時間となりました。
座席は行きも帰りもビジネスクラスのすぐ後ろにある、エコノミーコンフォートの2人席を確保。
座席は足元の広さも十分で、ファッションブランドMarimekkoのデザインによるオリジナルバッグに入ったアメニティも付いています。
特に行きの機材:Airbus A350-900 は新しく、機内もきれいでエンターテインメントシステムも高機能で快適でした。
リスボンに到着するのは夜の9時過ぎ。
地下鉄1回券を買い、バイシャ・シアード(Baixa-Chiado)駅につくと夜の10時半頃でした。
駅の出口は東側と西側の2つありますが、その時は気が付かずに適当に外に出たら偶然ホテルのそばでした。
反対側に出ていたら迷っていたところです。バイシャ・シアード駅近くのホテル利用の皆さんはご注意ください。
なお、ヘルシンキ空港には、小さいながらもMarimekkoとムーミンのオフィシャルショップがあります。
ホテル : My Story Hotel Ouro
今回選んだ My Story Hotel Ouro はリスボンのショッピング街:アウグスタ通りの近く、 地下鉄バイシャ・シアード駅から徒歩数分の所にあります。 ロシオ駅(Rossio)にも近いので郊外に出かけるのにも便利。 客室もとてもきれいで清潔です。 ただ、部屋の広さはスーツケースを広げるのにも苦労する狭さ。 これは昔からある建物をそのまま利用する、ヨーロッパの中級ホテルの宿命です。 朝食はパンとホットミール、ハム、チーズに果物。そしてパステル・デ・ナタ:Pastel de Nata(カスタードクリーム入りタルト) を含むスイーツがいくつかあるのがポルトガルらしいところです。 ただメニューはほぼ毎日同じでちょっと残念でした。
シントラ日帰り観光
シントラ(Sintra)はリスボンから普通列車で40分ほどで行ける、いくつかの宮殿や庭園が集まっている人気の観光地です。 シントラ山脈の山間にある、かつての王侯貴族の避暑地です。 混雑する週末を避けるため、初日金曜日はいきなりシントラ日帰り観光に出かけました。 それでもペーナ宮殿はなかなかの混雑ぶりでした。グリーンカードを利用してシントラへ
シントラを訪れるにはいくつかのディスカウントチケットが販売されていますが、 今回私たちはポルトガル鉄道が販売する「 シントラグリーンカード(Sintra Green Card) 」を利用することにしました。 これは、リスボン-シントラ間の列車往復切符、シントラの観光ポイントをめぐるScotturb社の434番"Pena circuit"周遊バス、 ペーナ宮殿、シントラ宮殿の入場券、シントラにある任意の博物館1箇所(5箇所から選択)がセットで31ユーロで買えるものです (さらにQueluz宮殿の入場券もついた39.5ユーロのセットもあります)。 宮殿の入場券の価格が、 オフィシャルサイト でオンライン購入するのと同じく5% OFFとなり、また博物館もついているので、その分がお得です。
購入は利用当日にポルトガル鉄道の窓口で。 私たちは朝8時にロシオ駅の改札窓口で、駅員さんに グリーンカードのパンフレット(PDF) を指さしながら購入しました。 発売されて間がないのか、担当の駅員さんもよくわかっていないようで、 別の駅員さんに教えてもらいながら発券していました。
購入すると、鉄道の往復の乗車券が記録された紙製のタッチ式電子チケット: ヴィヴァ・ヴィアジェン(Viva Viagem)カード 1枚とレシート3枚(宮殿入場券の引換券2枚とグリーンカードそのもののレシート)が渡されます。 シントラに着いたら、まずは駅舎の向かい側にあるScotturb社の窓口(朝9時開店)で宮殿入場券に引き換えます。 グリーンカードの購入はレシートでしか証明できません。レシートはシントラから帰るまで捨てないようにしましょう。
ロシオ駅08:11出発の列車は特に混雑もなく、席にも十分余裕があります。 車体には落書きが多くちょっと残念ですが、車内は清潔です。 シントラの到着は08:51、終点なので乗り過ごす心配はありません。 シントラ駅は、ホーム先端と駅舎の2箇所に出口があります。 徒歩で街の中心に向かうならホーム先端の出口から、434番"Pena circuit"周遊バスに乗るなら駅舎の出口からが近くてよいと思います。 着いたら最初に宮殿入場券を引き換えます。私たちはScotturb社の窓口開店3分前くらいに着きましたが、一番で店内に入れました。 ここでは宮殿入場券単独の購入も可能なようで、開店するころには、私たちの後ろに10人ほどのお客さんが並びました。
434番周遊バスには、シントラ駅舎前のバス停でグリーンカードのレシートを出札スタッフに見せると乗れます。 ただ、このグリーンカードの情報が、Scotturb社の運転手に十分いきわたっていないようで、 私たちが乗るとき、運転手が「これでは乗車できない」と言い出し、出札スタッフと言い合いになるシーンがありました。 結局出札スタッフがViva Viagemカードに手書きで「Green Card」の文字と日付を書き加えて、これで乗せてもらえることに・・・ ようやくシントラ観光に出発です。 当然ながらバスは満員。まるで通勤ラッシュのようです。
混雑を避けるめぐり方
シントラは大人気の観光地のようで、平日でも多くの観光客が集まります。 特にペーナ宮殿はシントラ観光のハイライト。 宮殿の建物へは、中での混雑を避けるため、入り口で入場制限をかけながら人を入れています。 私たちが到着した、開園間もない10時過ぎでも10分程度の待ち時間。 私たちが宮殿を見学し終わった12時頃には、入るのに1~2時間はかかるのではないかと思われるほどの長蛇の列となっていました。 特に団体ツアーが到着する11~12時と15~16時が混雑のピークとのこと。 混雑を避けるには8時台の列車でシントラに向かい、ペーナ宮殿は朝一番で観光するか、 あるいは到着が遅くなったときは、先にシントラ宮殿とその周辺をめぐり、ペーナ宮殿は午後(夕方)に観光するのが良いようです。 また土日の訪問も避けたほうが良いようです。
ペーナ宮殿(Palácio da Pena)と庭園
10時頃に434番周遊バスを降りると、すでにチケット売り場と宮殿の敷地入り口にはそれぞれ長蛇の列ができていました。 次々と団体客を乗せた観光バスが到着し、喧騒とした雰囲気です。 ただ、宮殿の敷地入り口はチケットのバーコードをスキャンするだけなので、比較的早く列が進みます。 やはり宮殿到着前に、事前にチケットを入手しておくことが重要なようです。 宮殿のチケットは事前に オフィシャルサイトでオンライン購入も可能です。 この場合はPDFファイル形式のチケットが入手できるので、これを印刷して持っていくと、そのバーコードをスキャンしてもらって入場できるようです。
敷地の入り口から宮殿までは結構急な坂道を5分ほど登ります。 有料のミニバスも運行されていますが、乗車には行列に並ぶ必要があります。 庭園の自然も楽しめるので、ゆっくり徒歩で登るのをお勧めします。
宮殿に到着すると、まずギフトショップとトイレがあります。 ポルトガルではおなじみの、イワシをモチーフにした陶器類などがいろいろ並んでいます。 リスボン市内のお土産屋さんにはない商品も多いので、欲しいものを見つけたらゲットしましょう。
そして城門をくぐり、さらに数分坂を上るとようやく宮殿建物の入り口に到着します。 先ほども書いたように、入り口で入場制限をかけているので、ここで10分ほど待たされました。 建物の中も豪華絢爛ですが、各部屋の窓やバルコニー、中庭などからみられる外の眺めが素晴らしいです。
宮殿の見学を終えると12:00頃。 せっかくなので庭園も少し散策してみました。 宮殿建物周辺の喧騒から離れ、緑の中をゆったり静かに散歩できます。 ただ、パンフレットの地図をよく見ながら歩かないと、すぐ道に迷ってしまいます。 私たちは20分ほど、道に迷いつつ散策を楽しみました。 次は434番バスに乗り、シントラの街の中心「シントラ・ヴィラ(Sintra Vila)」バス停へ向かいます。 この時間、まだ宮殿を見学し終えていない人が多いのか、宮殿を出発するバスはガラガラにすいていました。
レガレイラ宮殿(Quinta Regaleira)
つづいて、グリーンカードには含まれていませんが、レガレイラ宮殿も観光することにしました。 これは、20世紀(1904年)に入ってポルトガルの実業家:Carvalho Monteiroによって作られた“Palace of the Monteiro Millionaire”(モンテイロ大富豪の宮殿)です。 Monteiro氏の死後はWaldemar d’Orey氏が購入し、1987年までその家族が住んでいました。その後日本の民間企業の手を経て、1997年にシントラ地方政府が買取り、1998年から公開されているものです。 レガレイラ宮殿には、シントラ・ヴィラ バス停から歩いて10分程度で着きます。 道はおおよそ平坦で美しい街並みやお土産屋さん、レストランなどを眺めながら散策できますが、チケット売り場までの最後の数分がまた急な登り坂で息が切れてしまいます。 こちらはペーナ宮殿に次ぐ人気のスポットのようで、チケット購入には20分ほど並びました。
レガレイラ宮殿は、建物を見学するより広い庭園を回るのが楽しいのですが、特に順路もなく、地図もくれないので、どこから見たらよいのか迷ってしまいます。 事前にオフィシャルサイトで 地図 をダウンロードしておくのがお勧めです。
庭園にはあちこち仕掛けが施されており、それを探して回ることになります。 小さな石造りの塔に登って眺めを楽しんだり、泉のようなところ"Grotto of the Virgin"に腰かけて休憩したり。 そしていちばんの見どころは、垂直に井戸のような穴が掘られた"Initiatic Well"と、そこから続く洞窟"Underground walkways"、そしてその出口の一つにある滝と泉の"Lake of the Waterfall"です。 "Initiatic Well"の入り口はごく普通の岩にしか見えず、注意してみていないと通り過ぎてしまいます。 岩でできた回転扉(?)を抜けると、突然大きな穴が目の前に現れます。 穴の周囲に沿って作られたらせん階段で底まで下りていくと、洞窟"Underground walkways"に続いています。 一応照明もついていますが、一部は完全に真っ暗。スマートフォンの懐中電灯機能が役に立ちます。 洞窟の中は何本かに分岐しており、この中を行ったり来たり、迷いながら進むのも面白いです。 洞窟の終点の一つが滝と泉の"Lake of the Waterfall"です。泉には飛び石や橋があり、観光客が列を作って楽しんでいます。 一通り庭園を楽しんだ後は、小さな教会"Chapel"と、宮殿"Main House"を見学します。
レガレイラ宮殿の見学に要した時間は1時間程度です。 しかし庭園が起伏にとんだ山に作られていて、結構歩きまわるので、ここを見終わるころには足がくたくたです。
シントラ宮殿(Palácio Nacional de Sintra)
来た道をシントラ・ヴィラ バス停方向に戻り、最後に2本の白い煙突が目印のシントラ宮殿を見学します。 15世紀から19世紀にかけてポルトガルの王族が使用した中世の宮殿です。 到着したのは14:30頃、この時間だからなのか、とてもすいていて、とくに並ぶことなく観光できます。 ペーナ宮殿、レガレイラ宮殿と比べると派手さはないですが、装飾タイル:アズレージョが内装に使われたホール:The Coat of Arms Room が見所、圧倒されます。 また、白い煙突の下には、広いドーム状の、タイル張りのキッチンがあります。
リスボンへ
ここまで観光すると15:00頃、すっかり足が疲れてしまいます。 シントラ宮殿から駅までは歩いて10分ほど。 ただ、Googleマップの示す近道は高低差を考慮しないので、下って登っての大変な道のりでした。 素直にバスの走る道を歩いたほうが良いかもしれません。 最後にシントラ駅舎の壁面の装飾タイル:アズレージョを見学して、 15:30頃の電車に乗ってリスボンへ戻りました。
ロシオ駅到着は16:30頃、駅前カフェ:ベイラ・ガール(Café Beira Gare)で昼食兼夕食をとりました。 ここでは安くてボリュームのある食事が楽しめます。 メニューはポルトガルの名物料理ビファーナ(Bifana)を一人一個とフィッシュ&チップス一皿、そしてビールを選択。 ビファーナはシンプルに煮豚をパンに挟んだだけのサンドイッチ(バーガー)です。 これ1個で結構ボリュームがあり、加えてフィッシュ&チップスも結構大きなお魚のフライ2切れに山盛りのポテト、2人でもすべては食べきれませんでした。 あとは今後毎日お世話になる、駅近くのスーパーマーケット:Pingo Doceでビールやお菓子を買ってホテルに戻りました。
リスボン観光2日間
リスボンカードの必要性
いろいろな特典がある リスボンカード ですが、人気観光ポイントには多くの観光客が列をなしており、このカードを有効に使おうとすると、 下手をすると一日中行列に並ぶ羽目になりかねません。 時間を有効に活用するには、混雑するポイントは一日一か所、朝一番に訪れるのがお勧め。 私たちは結局リスボンカードは買わず、毎日「一日乗車券(1 Day ticket)」で過ごしました。
「一日乗車券(1 Day ticket)」はメトロ駅の自動販売機で買えます。購入時から24時間有効。 有効な交通手段によって6.30EUR(バス・トラムと地下鉄)、9.35EUR(バス・トラム、地下鉄、フェリー)、10.40EUR(バス・トラム、地下鉄、ポルトガル鉄道)の3種がありますが、リスボン市内観光であれば6,30EURのものでOK。 1回の料金は地下鉄1.45EUR、バス1.85EUR、トラム2.90EURなので、2~4回乗れば元が取れます。 (ケーブルカー3.70EUR、エレベータ5.15EURにも乗れます) これはヴィヴァ・ヴィアジェン(Viva Viagem)カードに記録されるので、余分にカードのデポジットを取られないためには、 毎日ほぼ同じ時間に、24時間が過ぎたころを狙って、前日使用したカードに書き込むよう指定して購入します (24時間が経過しないと、同じカードに追加書き込みはできません)。 私たちは初日に購入したシントラ グリーンカードを毎日使いまわしました。
長い行列のできる観光ポイント:
- ジェローニモス修道院(朝から)
- ベレンの塔(朝から)
- サンタ・ジュスタのエレベーター(上り)
- トラム28E番(始発マルティン・モニス(Martim Moniz)駅)
- サン・ジョルジュ城(日中)
トラム28E番を端から端まで楽しむ
リスボン観光の最初の日は、トラム(Eléctrico)の28E番線を端から端まで乗ってスタートすることとしました。 朝8:30頃にマルティン・モニス(Martim Moniz)広場のトラム乗り場につくと、待っている客は数人。 余裕で全員が座れました。 この日はあいにく午前中は曇り空でしたが、トラムは快調に朝のリスボンを進みます。 まず最初にアルファマ地区の細い路地をぐんぐん登り、 つづいて、建物に車体をこすりつけるのではないかと思うほど細くてくねった道を下っていきます。 道行く観光客はことごとくカメラを向け、車窓からは、次々と現れる教会や広場、素敵な景色を楽しむことができます。 まるでテーマパークのアトラクションのようです。
当然乗客もほとんどが観光客。ほぼ全員が終点まで乗り、 そして終点から次のトラムに乗り込み引き返します。 帰りは徐々に最初から乗っていた乗客が下りていき、替わりに新しい乗客が乗ってきます。 私たちはサンタ・ルイーザ展望台前の停留所で降り、サン・ジョルジュ城を目指すことにしました。
サンタ・ルイーザ展望台とサン・ジョルジュ城
サンタ・ルイーザ展望台(Miradouro de Santa Luzia)からは、 アルファマ地区の複雑に重なり合ったオレンジの屋根の連なりと、 その先にはテージョ川に停泊する大きな客船が見えます。 ただし、雨がぱらつく天候で遠景は灰色にかすんで、少し残念な眺望となりました。 気を取り直して、サン・ジョルジュ城(Castelo de SÃO. Jorge)を目指します。 石畳のきつい坂を数分登るとサン・ジョルジュ城の入り口に到着します。 まだ到着したのが10時前と早い時間だったので、特に行列はできていませんでした。 しかし私たちが出る頃、11時頃にはチケット売り場に続々と観光客が集まり、混雑が始まっていました。
城には12世紀前に作られた Moorish Castle と13-14世紀に作られた Royal Palace がありましたが、1755年の震災で崩壊し、ほとんどが遺跡の状態となっています。 現在は、主に1920年に復元工事された城壁のみを見ることができます。 まず入り口ゲートを通って目の前に広がる広場からは、リスボンの街の中心部、サンタ・ジュスタのエレベーターから、テージョ川にかかる4月25日橋、対岸のキリスト像まで、大パノラマが広がります。 西向きにパノラマが広がっているので、夕方に来れば、素晴らしい夕日の景色が見えると思います。 そして背後には石造りの城壁。クリーム色一色の、いかつい城壁は長い歴史を感じさせます。 高い城壁には登ることができて、狭い通路をスリルいっぱいに散策できます。 建物の中には復元工事の記録、出土品の展示や、小さな売店もあります。
泥棒市を散策
つづいては、土曜日なので泥棒市(Feira da Ladra)を見に行くことにしました。 これは火曜日と土曜日に朝8時からアルファマ地区のサンタ・クララ広場(Campo de Santa Clara)周辺で開かれるフリーマーケットです。
サン・ジョルジュ城から坂を下って歩くこと10分余り、 トラム28E番の通るLargo Santa Luzia通りに戻ると、すぐ左手に 見晴台:ポルタス・ド・ソル広場(Miradouro das Portas do Sol)があります。 サンタ・ルイーザ展望台のすぐそばですが、こちらは東側が開けていて、見える風景が異なります。 オレンジの屋根の合間にそびえるいくつかの教会が絵になります。 ここからトラムの通りに沿ってさらに東に歩くこと10分余り、 サン・ヴィセンテ・デ・フォーラ修道院(Mosteiro de São Vicente de Fora) に到着します。ここでは荘厳な祭壇を見ることができます。 修道院に向かって左横の道を、修道院の裏手に向かって歩くとすぐに泥棒市の会場にたどり着きます。 観光客向けのお土産品を売る店から、何やらわけのわからないガラクタを並べる店まで、実に多様なお店が軒を並べています。 お土産品では、特に陶器の鍋敷き(?)が定番。市内のお土産屋さんでも買えますが、ここでは多様なデザインの中から見比べて選べます。 お店によって扱うデザインも異なるので、複数のお店を見て回るのがお勧めです。 私たちが訪れたのは11時過ぎ、雨がぱらつく天気もあってか、大混雑という感じではなく、ゆっくりと見て回れました。 そして泥棒市に隣接して立っている サンタ・エングラシア教会(Panteão Nacional de Santa Engrácia) を見学。 16世紀に設立された、ポルトガルのVIPが埋葬される寺院です。 白いドームが印象的な、どこからでも見つけられるリスボンの象徴のような寺院です。 3ユーロで階段を登ってドームに登れますが、無料で見学できる範囲は、入り口から建物の中をのぞくだけでした。
アルファマ地区を迷って楽しむ
つづいてアルファマ(Alfama)地区を、リスボン大聖堂(Sé de Lisboa / Sé cathedral)目指して下ります。 トラム28E番の走る道から、思いつくままに細い脇道を下っていくと急に人けがなくなり、静かな町のたたずまいを感じることができます。 複雑に入り組んだ路地を、地図アプリと勘を頼りに歩きます。 統一された白い壁とオレンジの屋根が連なる町並みには、ふとしたところに絵になるシーンがたくさん転がっています。 途中ポツンと現れたお土産屋さんでTシャツを買ったり、レストランをのぞいたり、 あちこち迷っているうちにリスボン大聖堂の前に出ました。 また突然、観光客の波と街の喧騒に飲み込まれます。 リスボン大聖堂は12世紀に十字軍によって作られた教会です。 巨大なリスボン大聖堂を見学して、そのそばで見つけた小さなスイーツのお店(Pastelaria CANTINHO DA SE)で、軽くパエリアとレモネードの昼食を取りました。
最後は主要なバス、トラムルートが通る、コメルシオ広場(Praça do Comércio):Commercial Square に到着。 ここはもともと主要な王宮施設があった場所で、1755年の震災でバイーシャ地区が壊滅したときに、ここも津波ですべてが崩壊しました。 そしてそのあとのリスボン再建を主導した、中央にある King Jose I の銅像とともに整備された広場です。 デザインが統一された、アーチのある建物に囲まれた広い広場と、その先には海のように広がるテージョ川、 まるでヴェネチアのサンマルコ広場のようなたたずまいです。 テージョ川の風を受けながら川岸でしばし休憩。 このころには雨雲も去って、日差しが戻ってきました。
午後の観光
午後は一旦ホテルで休憩するつもりでしたが、ホテルに到着した午後2時はちょうどハウスキーピングの時間。
買ったお土産だけ部屋においてすぐさま午後の観光に出発です。
お土産屋さんめぐりを兼ねてホテルの近所をめぐることにしました。
途中、ロシオ広場にほど近い
サン・ドミンゴス教会(Igreja de São Domingos : Santa Justa e Rufina)
に立ち寄ります。
1531年と1755年の大震災に耐え、そして1959年の火災から復興した教会の石造りの壁や柱には、黒く焼けただれた跡がそのまま残されています。
一方修復された部分の壁や屋根は、近代的で鮮やかなオレンジ色で彩られています。
ほかの教会では見られない、この内部の様子に圧倒されます。
つづいてレストラード広場(Restauradores Square)にある、ちょっとしゃれたお土産屋さん(The Lisbon Shop)をのぞいたり、
Hard Rock Cafe Lisbon をのぞいたりします。
The Lisbon Shop は、コメルシオ広場の近くにもある、旅行案内所が併設されたお土産屋さんです。
店内にはソファがあったりして、清潔でモダンな感じのお店です。
そしてたまたま近くを通ったケーブルカーの51E線:グロリア線(Ascensor da Glória)で坂を上がり、今度はバイロ・アルト地区の観光へ向かうことにしました。 強烈な坂を、大きく角度をつけた台車に乗ったゴンドラが登るさまは、ケーブルカーというより、ほとんどエレベーター。 乗車の待ち時間は10分ほどでしたが、動き出すとほんの数分で丘の上に到着します。
ケーブルカーを降りてすぐの サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台(São Pedro de Alcântara)で一休みした後は、 パステル・デ・ナタで有名なお店"Manteigaria"目指してミゼリコールディア通り(R. da Misericórdia)を下ります。 このあたりの、建物に囲まれた、カーブした坂を走るトラムは、まるでサンフランシスコのケーブルカーようです。
途中、ポルトガルで最初のキリスト教教会である、
サン・ロッケ教会(Igreja de São Roque)
に立ち寄りますが、残念ながら結婚式の最中で、一般客は入場不可でした。
そのまま カモンイス広場(Praça Luís de Camões) まで下りると Manteigaria はすぐそばです。
店内はその場でパステル・デ・ナタを立ち食い(?)する人でいっぱい。大盛況です。
訪れたのが夕方のためか、特に行列もなくすぐに購入できました。
私たちは後ほどホテルでおやつにするために4つお持ち帰りしました。
持ち帰りのパックにはシナモンと砂糖の小袋が入っており、好みでふりかけていただきます。
ナタはホテルの朝食でも好きなだけ食べられますが、やはり有名店のそれは
皮のパリッとした食感とクリームのうまみが秀逸でした。
サンタ・ジュスタのエレベーターを降りる
あとはホテルに帰るだけですが、せっかくなのでホテルにほど近い54E線:サンタ・ジュスタのエレベーター(Elevador de Santa Justa)を降りることにしました。 震災で天井が崩落して、遺跡のような姿を見せるカルモ修道院(Convento do Carmo)の脇を抜けると、レストラン Bellalisa Elevador が見えてきます。 このレストランの階段を上がり、デッキを通り抜けるとサンタ・ジュスタのエレベーターです。 このエレベーターはエッフェル塔を作った Gustave Eiffel の弟子:Raul Mesnier de Ponsard が1902年に作ったもので、 低地の Baixa と高台の Largo do Carmo の高低差45mを結ぶ公共交通機関です。 乗り場に続く歩道橋からの眺めはなかなかのもの、風も心地よく、ここでしばし展望を楽しみます。 エレベーターは、上りは常に長い行列ができていますが、下りはほぼガラガラ。すぐに乗ることができます。 しかし2台のゴンドラのうち1台は停止中。 運行ダイヤ によると日中は10分間隔、私たちも10分ほど待たされました。 ゴンドラの入り口にある自動改札機にViva Viagemカードをタッチして乗車します。 洒落たデザインのネオ・ゴシック風の鉄骨に支えられたエレベーターの中は木造で、歴史を感じさせます。 乗車時間はほんの30秒ほど。動き出すとあっという間にホテルのあるオーロ通り(Rua do Ouro)に到着します。
パスティス・デ・バカリャウを味わう
パステル・デ・ナタとならんでポルトガルの名物の一つ、 パスティス・デ・バカリャウ(Pastel de Bacalhau:鱈のコロッケ)の専門店 : Casa Portuguesa do Pastel de Bacalhau が、 ホテルにほど近いショッピング街のアウグスタ通り(R. Augusta)にありました。 遠くからでも目立つ明るい店内は常に人でにぎわっています。 持ち帰りのほかに、グラスワインとのセットも販売していて、食べ歩きもできるようです。 早速購入して、夜、ホテルでいただきました。 チーズの入ったこぶし大のコロッケはボリュームがあり、1個だけでも結構おなかにたまります。 味のほうは、鱈の白身でさっぱりとした味わい。 ただ、すごくおいしい、と言うほどでもなかったような・・・
またこの近くには、ギフトショップ SILVA & FEIJÓO SÃO NICOLAU があります。 ガイドブックでも紹介されているようなお土産品を多数扱うおしゃれなお店で、 店内では機械仕掛けの人形たちが、昔のポルトガルの家族の生活を再現しています。
夕焼けを見にグラシア(Graça)展望台へ
歩き回って眠い体をたたき起こして、19時頃にホテルを出発。 まだ外はとても明るく、日差しも暑いです。 バイシャ・シアード(Baixa-Chiado)駅からマルティン・モニス(Martim Moniz)駅までは地下鉄で移動、でも後から知ったのですが、ここは徒歩10分程度で移動可能です。 マルティン・モニス駅から12E番のトラムに乗ってラガレス通り(Rua dos Lagares)停留所まで登ります。 土曜日のせいか、トラム28E番乗り場には、この時間でも長大な行列ができていましたが、12E番は特に行列もなく、すぐに乗れます。 ただ、グラシア展望台へ行くには本当はグラシア(Graça : R. da Voz do Operário)停留所で降りるのが正解。これについては後ほどまた。 ラガレス通り停留所からは、さらに徒歩でぐんぐん坂を上る必要がありました。 そして19:45頃ようやくグラシア展望台へ着いたものの、残念ながらこの日は雲が多く、さらに時間も遅く夕景としてはいまいちでした。 後日の再挑戦を心に誓って帰途につきます。 帰りはグラシア展望台から長い階段を降りてマルティン・モニス駅まで徒歩で移動。そして地下鉄でホテルに戻りました。
ベレン地区へ
滞在3日目はベレン(Belém)地区の観光です。 朝8時過ぎにはコメルシオ広場から15E番のモダンなトラムでベレン地区へ向けて出発。 朝が早いせいかトラムもガラガラです。 30分強でジェローニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)に到着しました。
ベレン地区には、最もおいしいパステル・デ・ナタが食べられると評判の パステイシュ・デ・ベレイ(Pastéis de Belém)があります。 ジェローニモス修道院の開館までには時間があるので、 まだお客も少ないパステイシュ・デ・ベレイ(Pastéis de Belém)でナタを2つお持ち帰りで購入しました。
ジェローニモス修道院とサンタマリア教会
9時頃にジェローニモス修道院に戻ると、観光客はまだちらほら。 サンタマリア教会はすでに開いていますが、日曜日のためミサが行われています。 早く着いたなら、先に教会を見学するのが良いかもしれません。
早くに到着すると誰もいなくて扉も締まっているので、修道院入り口がわからないのですが、 教会入り口の左横、正面の大きな扉が入り口です。 9:15頃になるとスタッフが現れて、入場の列を整理し始めます。 しかし後から来た人は、どの列がどこに続いているのかわからないかもしれません。 入り口に向かって一番左がチケット購入の列、 中央が出口兼チケット所有者の入り口、 その右に教会への入り口、一番右が教会からの出口、となります。
私たちはほぼ列の先頭に並べたため、入場もトップ。 ほとんど誰もいない修道院を楽しめました。 修道院は中庭とそれを取り囲む二層になった回廊が見どころです。 クリーム色の石造りの回廊には精緻な彫刻が施され、好天に恵まれた晴天とのコントライトが美しいです。 修道院を見終わったら、つづいてサンタマリア教会の列に並びます。 教会の入場時には、入り口でスタッフから、ミサ中のため静かにするようにとの注意があります。 ミサのパイプオルガンの音楽が流れる中、厳かな雰囲気での観光となりました。 バスコ・ダ・ガマの棺には観光客の誰もが立ち止まって見入っています。 修道院と教会の見学に要する時間は、合わせて2時間弱程度です。
発見のモニュメント・ベレンの塔
いよいよ教科書でも有名な 発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos) に向かいます。ジェローニモス修道院からは徒歩で5分くらいで到着。 近寄ると意外な大きさに圧倒されます。 ただ、周りにはすでに多くの観光客が集まっており、また東側には工事で立ち入れない部分もあり、写真撮影には苦労します。 もう少し早くついて、修道院の観光前、観光客の少ないうちに訪れるのが良かったかもしれません。 モニュメントは展望台になっていて登れるのですが、特にこのための行列などはできていませんでした。 またモニュメント入り口近くの床には、世界地図と、ポルトガルがその地域を「発見」した年が描かれた石造りのモザイク画があります。 日本の「発見」は1541年となっています。 東から西から、じっくりモニュメントを堪能したら、次の目的地に向かいます。
発見のモニュメントからベレンの塔までは、川沿いの遊歩道がつないでいます。 家族づれや自転車に乗る人など、みなぞろぞろと歩いていきます。途中にはセグウェイを貸し出すお店も出ていたりします。晴れていれば気持ちの良い散歩が楽しめます。 ベレンの塔にはのんびり歩いて20分程度で到着。塔の周りは広い庭園(トーレ・デ・ベレーン庭園:Jardim da Torre de Belém)になっていて、 ベンチに腰掛けたり、緑の上で座り込んだり、みな思い思いに過ごしています。 そしてベレンの塔にはすでに長い入場の行列ができています。 私たちはベレンの塔には入らず、前に広かる庭園に腰かけて、朝購入したパステイシュ・デ・ベレイのナタをいただきました。
また、この庭園のベレンの塔近くには 初めて南大西洋を横断したポルトガルのパイロット、Gago Coutinho と Sacadura Cabral を記念する、その愛機 Santa Cruz 号をかたどった記念碑 「Sacadura Cabral and Gago Coutinho Monument」 が立っていて、観光客が次々と記念写真を撮っています。
ベレンの塔では20分程度を過ごし、近くのトラム乗り場から戻ります。 トラム乗り場とルートを探すのには、Carrisアプリが役立ちました。
カシーリャスでシーフードランチ
午後はシーフードを食べに、テージョ川を渡って対岸のカシーリャス(Cacilhas)へ行ってみることにしました。 ベレンの塔近くのLargo da Princesa停留所から15E番のトラム(今度はクラシカルな小さい車両:とても混雑!)に乗ってカイス・ド・ソドレー(Cais do Sodré)のフェリーターミナルを目指します。
カシーリャスへの船は、遊覧船というよりは連絡船で10分の船旅です。 カイス・ド・ソドレー駅からテージョ川の方向に向かって歩くとすぐに、コンクリート造りの立派なフェリーターミナルがあります。 チケット売り場の窓口で行先と人数を告げると、乗船券が記録されたViva Viagemカードが手渡されます。 往復(Return)チケットも買え、料金は3ユーロほどです。 そばにあるゲートを通るとそこが乗船場です。 船は朝夕には10分毎、日中は15~20分毎に運行しています。 座席は自由席。ただ船によってはデッキ席はありません。 窓も開けられる席と開けられない席があったりもします。 席には余裕があり、座れない、といったことはありません。 窓際に座れば、10分間の気持ち良いクルージングが楽しめます。
カシーリャスの船着き場に上陸すると、いきなりシーフードをバーべーキューする良いにおいが漂ってきます。 船着き場の真ん前から、シーフードレストランが軒を連ねています。 すぐにでもレストランに飛び込みたいところですが、ちょっと観光を楽しみます。
船着き場の前はひらけていて、鉄道の駅、そしてバスターミナルになっています。 ここから東のほうに歩くと公園になっていてベンチがあり、対岸のリスボンの街が見渡せます。 オレンジの屋根が連なる街並みの間からはリスボン教会の尖塔やサンタ・エングラシア教会の白くて丸いドームがそびえ、川岸にはコメルシオ広場が広がり、とても美しい光景が見られます。 この眺望のためだけに、カシーリャスに渡る価値はあります。 またバスターミナルの端には、博物館になっているのか、 潜水艦"Barracuda"と帆船"Fragata D. Fernando II e Glória" が展示されていて、外からでも一部を眺めることができます。
船着き場の前から続くカンディド・ドス・レイス通り(R. Cândido dos Reis)がレストラン街となっていて、ほんの100mほどの距離にぎっしりとシーフードレストランが並んでいます。 その中に、水色の壁が美しい教会 Igreja de Nossa Senhora do Bom Sucesso があります。 小さな教会ですが、中は装飾タイル:アズレージョで美しく装飾されており、一見の価値ありです。
レストランはどこで食べるか悩んでしまいますが、 とりあえずメニューに写真が載っていて、料理を選びやすそうなところにしました。 お店は Restaurante O Cais を選択。 到着が14時ごろと遅かったのでテラス席はいっぱいでしたが、スタッフのおじさんが店の奥から机を出してきてくれて、新しく席を作ってくれました。 メニューは、前菜にボイルエビを持ってきてくれたので、これに加えてサングリアとタコのシーフード2点を頼みました。 タコが柔らかくておいしく、満足です。
食後はジンジャル通り(R. Ginjal)を川沿いに散策します。4月25日橋が真正面に大きく見渡せ、とても良い眺めが楽しめます。 そして船でカイス・ド・ソドレーに戻ると16時になりました。 リベイラ市場(Mercado da Ribeira)の中にある Timeout Food Market を散策した後、 フェリーターミナルに戻り、リベイラ・ダス・ナウス通り(Av. Ribeira das Naus)をテージョ川沿いにコメルシオ広場まで散策します。 岸には波が打ち寄せ、アイスやカクテルを売るスタンドがあり、人々が思い思いに座り込み、 まるでビーチリゾートの浜辺のよう。心地よい散策が楽しめます。
最後は坂をぐんぐん上がってバイロ・アルト地区のお土産屋さんを訪ね、 そしてまた今日もサンタ・ジュスタのエレベーターを降りてロシオ駅前へ。 駅前にあるスターバックスで休憩した後は、 前日にチェックしたレストラード広場のお土産屋さん(The Lisbon Shop)で、名物のイワシの缶詰をお買い物。 そして恒例のスーパーマーケットに寄ってからホテルに戻ります。
オビドス日帰り観光
最終日は小さな城塞都市:オビドス(Óbidos)へ日帰り観光に出かけました。 とても小さな村なので、観光には2~3時間もあれば十分。リスボンからの半日観光にぴったりです。 交通手段はRODOTEJO社が運行する路線バス( Rapida Verde : Green Express 線)の利用がお勧め。 土日は本数が減るので、平日に出かけるのが良いと思います。 また、こちらもシントラ同様人気の観光地で、次々と団体観光客がやってきます。 できるだけ朝早くに訪れるのがおすすめです。
まずは地下鉄でカンポ・グランデ(Campo Grande)駅まで移動。南側の出口を出るとすぐに オビドス行きのバス乗り場(GoogleMap) があります。カンポ・グランデ駅周辺にはあちこちにバス乗り場が散在しています。 オビドス行きのバス乗り場には オビドス-リスボン バス時刻・料金表 が掲示されています。また、このバスの終点は"Caldas da Rainha"という街なので、バスの行き先表示もこれが出ています。 間違えないようにしてください。事前にGoogleストリートビューで確認しておくのがおすすめです。
路線バスといっても、ゆったりした座席の観光バスタイプの車両です。 この路線は観光客以外の利用も多いようで、多くの乗客があつまり、バスの席は結構埋まります。 チケットは当日バスに乗るときに運転手から購入。往復割引とか事前予約はありません。 このため乗り場には早めに着くようにしましょう。
バスは出発するとすぐに高速道路に入り、A8号線をひたすら北に進みます。 見渡す限りブドウ畑になったり、緑がいっぱいの森となったり、ヨーロッパの郊外らしい、緩い起伏が続く、ながめの良い風景が続きます。 ただリスボンを出発するときは晴天だったのが、進むにつれてどんどん曇ってきて不安になりました。 結局オビドスではすぐに晴れてきましたが、山を超えて長距離走るので、リスボンとは天候が変わることも多そうです。 途中1箇所、田舎のバスターミナルのようなところで停車します。 そしてカンポ・グランデ駅からほぼきっかり一時間でオビドスのバス停に到着です。
バス停から道路を渡るとすぐオビドスの村の入り口があります。 残念ながら有名な村の入り口(Porta da Vila)にあるアズレージョは工事中で、足場の隙間から覗き見ることができるだけでした。 村に入ったところに一軒の オビドス名物 ジンジャ( Ginja de Obidos : アグアルディエンテ(ブランデー)にモレロチェリーを漬けた甘くて強いお酒、チョコレート製のショットグラス(?)でいただく) のお店があり、さっそく観光客が楽しんでいます。 入って左手は城壁に登る階段があります。 まずはここから城壁に登り、村を見渡します。 村は南北に細長く、一番奥にはお城が見えます。 中央にお土産屋さんが並ぶメイン通りがあり、 その左右に1~2本の裏通り(?)が通っているのがわかります。 城壁は村をぐるりと一周取り囲んでおり、一周約1時間で歩くこともできるそうですが、手すりなどないので注意が必要です。 私たちは一通り眺めを楽しんだら城壁を降り、まずはメインの通り(ディレイタ通り:Rua Direita)を散策しました。 いかにもヨーロッパの古い町並み、狭い石畳の道の両側にはお土産や小物を売るお店が並びます。 お店の多くでは、店頭でGinjaやサングリアをカップで売っていて、観光客が味わっています。 お店には、リスボンの街中にもあるような一般的なお土産のほかに 名産のGinja、コルク製品(鞄など)の専門店や、アズレージョを模した陶器、紅茶や食材、スイーツなどを扱うお店があります。 特にGinjaを売るお店は多く、ほとんどのお土産屋さんで扱っています。 普通のボトルのほか、手のひらサイズで小さいながらもデザインに凝ったボトルもいろいろあり、お土産にぴったりです。
そしてここには小さな村ながら、教会がいくつかあります。 特に サン・ペドロ教会(Igreja de São Pedro) と サンタ・マリア教会(Igreja de Santa Maria) はメイン通りからもほど近いので訪れやすいと思います。 サン・ペドロ教会は明るくて新しい感じ、 サンタ・マリア教会はアズレージョの内装も美しい荘厳な感じの教会です。 このサンタ・マリア教会は、1411年に当時10歳の Afonso 王と8歳の Isobel 王妃が結婚式を挙げた場所です。
メイン通りの終点はお城(カステロ・オビドス:Pousada Castelo Obidos)です。 現在はホテルになっていますが、中庭までは入って見学することができます。 またお城の裏手には城壁に囲まれたちょっとした広場があります。 ここから城壁に登ると、城壁の外、西側に広がる広大なパノラマを楽しむことができます。 また、お城の手前、メイン通りの突き当りには、教会を改装した本屋さんがあります。 外見は教会なのに中は本屋さん。不思議な取り合わせです。
帰りはメイン通りを通らずに、裏通りを歩くのがおすすめ。 私たちは、お城を背にして、村の入り口に向かって右手、山側の裏通りに入ってみました。 ほとんど観光客の歩いていない静かな通りで、白い壁に青色の塗分けが美しい家並みが続きます。 あちこちに緑や花が咲いていて、道は複雑に入り組み、どこを向いても絵になるシーンを見つけることができます。
最後に再度メイン通りに戻って、Ginjaを味わい、お土産を探します。
また、村を出ると16世紀にポルトガル女王により建設された水道橋(Obidos Aqueduct)を見ることもできます。
ここまでひととおり観光すると12:00過ぎ。
帰りのバスは、行きのバスを降りたところから道路を挟んで向かい側のバス停から出発します。
帰りもほぼ1時間でカンポ・グランデ駅に到着。
ホテルに戻ると14:00ごろでした。
オビドスのオフィシャルサイトではポルトガル語ながら村のイラストマップを見ることができます。
ビッカのケーブルカーとセニョーラ・ド・モンテ展望台の夕日
午後は最後のリスボン観光です。 まずはアウグスタ通りにあるパティスリー:PAULのサンドイッチで遅い昼食を取ります。 そして最もポルトガルらしい写真が撮れるという、53E線:ビッカのケーブルカー(Ascensor da Bica)を見に行きます。 Carrisアプリを使ってルートを検索したところ、 コメルシオ広場からはバス714番で Rua de São Paulo バス停に向かうのがよさそう。 ここはトラム25E線も通っていますが、バスのほうがすいていて、空調も効いて快適です。 バスを降りるとすぐにビッカのケーブルカー乗り場。 乗り場は建物の中にあるので、うっかり見逃しそうです。 ちょうど出発のため改札を締め切ったところで、乗れるのは次の便になり、少々待たされましたが、 大混雑というほどではありません。 ただ、リスボンのケーブルカーはどれもそうですが、のんびりした運行で、次の便までは20分待たされました。 でも乗車時間はほんの数分です。 頂上(?)のトラヴェッサ・ド・カブラル(Tv. do Cabral)通りに着くと、早速テージョ川を背景にケーブルカーの写真を撮ります。 しかし私たちが乗った車両は落書きがひどかったので、もう一方の車両が登ってくるのを待つため、ここでさらに20分待ちました。 果たして待った甲斐のある写真が撮れたでしょうか。
つづいて先日は結婚式で入れなかったサン・ロッケ教会(Igreja de São Roque)に再チャレンジ。 今度は内部の荘厳な装飾を見ることができました。
夕焼けを見にセニョーラ・ド・モンテ展望台へ
最後は、夕焼けの観光に再トライ。 またまたアプリでルートを確認すると、 マルティン・モニス(Martim Moniz)駅からバス734番を使ってグラシア( Graça : R. da Voz do Operário )停留所まで行くのがよさそう。 今度は早めにホテルを出発して、18:40頃のバスに乗りました。 トラムが走る細い道を行くバスなので、車両は小さなミニバスです。 夕方は勤め帰りの人なのか、途中のバス停で次々と乗車してきて、結構混雑していました。
グラシア停留所で降りると、グラシア展望台はすぐそこ。坂を登る必要もありません。 時間があったので、今回はさらに高くにあり眺めも良いという セニョーラ・ド・モンテ展望台(Nossa Senhora do Monte belvedere)へ 行ってみることにしました。 グラシア展望台からは徒歩数分ですが、またまた急な上り坂を登る必要がありました。 しかしその甲斐あって確かにとても眺めがよく、グラシア展望台さえ下に見えます。
リスボンの街は窪地になっているので、夕日が沈むころは街はすっかり日陰の中となってしまいます。 街が夕日に照らされて最も美しく見えるのは、日没の約30分前くらいでした。 日が沈んで街に明かりが灯り、夕景から夜景に変わる20時過ぎまで、のんびりとリスボン最後の景色を堪能しました。 そして帰りはグラシア停留所まで戻り、今度はトラム12E番でマルティン・モニス駅まで戻りました。 この時間ともなるとトラムも空いていて、好きな場所に座ることができます。 また運転手のハンドルさばき?もよく見えます。夜の街を快走するトラムを堪能しました。
ホテルの送迎で空港へ
帰りの飛行機は6:35発。ホテルは午前4時ごろチェックアウトしました。 当然フロントは24時間オープンで、この時間でもスタッフは気さくに対応してくれます。 ホテルでタクシーを頼むと、やってきたのは白いバン。ホテル提携の送迎車のようでした。 料金は18ユーロとお得で、しかも乗車前に金額を提示してくれるので安心です。 暗く静まる見慣れたリスボンの街を抜け、空港に向けて快適にドライブしました。
飛行機からオーロラを見る
ヘルシンキからの帰国便は現地17:15発の夜便。 ヨーロッパの夜便では、北側の席に座るとオーロラが見えることがあります。 今回珍しく北側の窓際席が取れたので、外が暗くなる前からワクワクして待っていました。 そして期待通り、オーロラを見ることができました。 詳しくはヨーロッパ国際線の飛行機からオーロラを見るをご覧ください。 皆さんも北側の窓側に席が取れた時は、眠いのを我慢してぜひオーロラを探してみてください。