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GPUが無くてもマイクロソフトフライトシミュレーターは楽しめるか? 最低条件は?

GPU (3Dグラフィックアクセラレーターボード) が無くてもマイクロソフトフライトシミュレーターは楽しめるのか、また、いつ頃発売されたパソコンなら楽しめるのか、最低描画品質の画面はどんなものなのか、その最低ラインを検証してみました。
GPUが接続できないパソコンのユーザが、マイクロソフトフライトシミュレーターの購入を検討する際の参考になれば幸いです。

GPUを搭載していないパソコンでのMSFSのパフォーマンス

まず最初に、GPUを搭載していないパソコンでのテスト結果を提示します。 フライトシミュレータはシューティングゲームなどとは異なり、30FPS程度が確保できれば、そこそこフライトが楽しめます。 2023年前後に発売された高性能パソコンを使えば、GPUがなくても、最低描画品質である[LOW-END(ローエンド)]を指定することにより、何とかフライトが楽しめると思われます。
より具体的には、3Dグラフィックスのベンチマークテストである" 3DMark "のTime Spy Scoreが、少なくとも2000~3000程度以上出せるパソコンであれば、なんとか最低描画品質でプレイできると思われます。
MSFS2020 Non GPU performance
GLOBAL RENDERING QUALITY average FPS Max. FPS Min. FPS
LOW-ENDApprox. 363931
MEDIUMApprox. 233019
HIGH-ENDApprox. 182316
ULTRAApprox. 12199
  • 解像度1920x1080のフルスクリーンモードでテストしています。 解像度を上げたり、ウインドウモードに切り替えると性能が下がる可能性があります。
  • テストでは、東京都心部という、特にオブジェクトの多いシーンを飛行しています(下記のビデオ)。 郊外や山間部、海などのシーンでは、上の表に対して、20FPS程度は高速に動作する可能性があります。
  • テストには、比較的ゲームに強いパソコン GPD Win Max2 2023 (AMD Ryzen 7 7840U, メモリ64GB, CPU内蔵グラフィックスは AMD Radeon 780M, VRAM 32GB, 3DMark (Time Spy) Score 2984) を使っています。 高性能パソコンであっても、使用するパソコンによっては上の表に対して10FPS、あるいはそれ以上性能が下がる可能性があります。
  • テスト時には、マイクロソフトが提供する[WORLD UPDATE(世界の更新)]以外のオプションコンテンツはインストールしていません。 より高精細な空港・シーンや機体、より複雑なアクティビティをインストールすると、性能が下がる可能性があります。
  • ちなみに、今回テストに使用したパソコンに、USB4接続の外付けGPU GPD G1 (AMD Radeon RX 7600M XT, 3DMark (Time Spy) Score 9340) を接続すると、解像度2560x1440、[GLOBAL RENDERING QUALITY]が[HIGH-END]、[ONLINE FUNCTIONALITY]が[ON]の場合で、平均45FPS程度で動作します。

最低条件でのフライトシミュレータプレイビデオ

では、最低条件でのプレイ画面はどのようになるのかを下記に示します。 このビデオは、上の表を作成するのに使用したシーンと飛行コースおよびカメラワークにおいて、GPU無し、[GLOBAL RENDERING QUALITY]が[LOW-END]の場合で、平均約27FPSで動作しているときの様子です。 ときどき動作のカクつきや、遠景の表示に乱れがありますが、かろうじてフライトを楽しむことができます。 これ以上動作速度が低下すると、キーやコントローラーの入力を取りこぼすことが多くなり、思うように飛行機を操作することができなくなります。
  • 空港、および都市中心部は、事前に 手動キャッシュ に[CACHE QUALITY]が[High]のデータを格納しています。
  • 飛行機の操作は フライトレコーダー を使って、事前に記録したものを再生しています。 一方、カメラの操作はリアルタイムで行っています。
MSFS2020 Non GPU Minimum Performance Test
YouTubeで見る

飛行を楽しめるのは、いつ頃発売されたPCなのか?

MSFSの最低要件は、 オフィシャルサイト には次のように書かれています。
MSFS2024 minimum requirements
OSWindows 10 With Latest Update
DirectXDirectX 12
CPUAMD Ryzen 5 2600X (2018) or Intel Core i7-6800K (2015)
GPUNVIDIA GeForce GTX 970 (2014), Radeon RX 5700 (2019)
VRAM4 GB
Memory16 GB
Storage50 GB

性能


2015年~2017年頃以降に発売されたゲーミングPC (GPU搭載)であれば、最低描画品質である[LOW-END(ローエンド)]でプレイできると思われます。
GPUを搭載していない場合は、上のテスト結果のとおり、2023年前後に発売された高性能パソコンであれば、最低描画品質である[LOW-END(ローエンド)]でプレイできると思われます。
より具体的には、3Dグラフィックスのベンチマークテストである" 3DMark "のTime Spy Scoreが、少なくとも2000~3000程度以上出せるパソコンであれば、なんとかプレイできると思われます。

ストレージ


ストレージについては150GBとありますが、無料のオプションコンテンツを含めると300GBほど必要となります。 さらにユーザーによって開発されているフリーのコンテンツをインストールしていくと、あっという間に500GB程度は消費してしまいます。 できればMSFS専用に1TB以上のディスク容量が欲しいところです。

画面にFPS値を表示させる方法

PC メイン画面から[OPTIONS(オプション)]を選びます。 するとこのような画面になります。 一番左の[GENERAL OPTIONS(全般オプション)]をクリックします。
PC 画面左のメニューから[DEVELOPERS(開発者)]を選び、 [DEVELOPER MODE(開発者モード)]欄を[ON]にします。 最後に画面左下の[APPLY AND SAVE(適用と保存)]をクリックします。 すると画面左上に、このような開発者メニューが表示されます。
PC 開発者メニューで[Debug]-[Display FPS]を選びます。 すると画面右上に、FPS値などのデバッグ情報が表示されます。

パフォーマンスを上げるための調整

マイクロソフトフライトシミュレーターのパフォーマンスを大きく左右する、主な要素は下記のとおりです。 より高速に描画させたいときは、下記の各要素の設定を見直してください。

GLOBAL RENDERING QUALITY(グローバル レンダリング品質)


設定画面で[LOW-END(ローエンド)], [MEDIUM(ミドル)], [HIGH-END(ハイエンド)], [ULTRA(ウルトラ)]の4段階から選ぶことができ、後の選択肢ほど高精細なグラフィックが楽しめますが、高性能なパソコンが必要になります。 これは[OPTIONS(オプション)]-[GENERAL OPTIONS(全般オプション)]-[GRAPHICS(グラフィック)]画面で切り替えることができます。

ONLINE FUNCTIONALITY(オンライン機能)


設定画面でON/OFFすることができます。 OFFにすると、ゲームのデータ通信量、およびそれを使ったグラフィック処理を減らすことができます。 とりわけ [BING DATA WORLD GRAPHICS(BING データ ワールド グラフィックス)] [PHOTOGRAMMETRY(写真測量)] を[OFF]にすると、データ通信量が大幅に減りますが、シーナリーの描画品質も低下します。 また[ONLINE FUNCTIONALITY(オンライン機能)]を[OFF]にすると、全項目をまとめて[OFF]にできます。 すべてを[OFF]にすると、プレイ中のデータ通信量はほぼゼロになります。
なお、GLOBAL RENDERING QUALITY(グローバル レンダリング品質)の設定による負荷が十分高いときは、ONLINE FUNCTIONALITY(オンライン機能)のON/OFFでの性能差はあまり無いようです。

画面解像度とウインドウモード


画面解像度は小さければ小さいほど、描画速度が上昇します。 また、ウインドウモードは、[WINDOWED]より[FULL SCREEN]のほうが描画速度が上昇します。 これは[OPTIONS(オプション)]-[GENERAL OPTIONS(全般オプション)]-[GRAPHICS(グラフィック)]画面で切り替えることができます。

オプションコンテンツ(特に空港や世界)


マーケットプレースなどから入手できるオプションコンテンツ、特にAIRPORTS(空港)やWORLD(世界)のコンテンツにはポリゴン数が多いものがあります。 このようなオプションコンテンツをインストールしていると、描画速度が低下する可能性があります。

USB接続のGPUユニットを使う

GPD G1 eGPU Graphics unit
今では USB4ポートに接続できるGPUユニット(eGPU) が発売されています。 これを使えば、パソコン内部にGPUを増設できないミニPCなどでも、レンダリング品質[HIGH-END(ハイエンド)]で40FPS以上でMSFSを楽しむことができます。
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    AMD Radeon RX 7600M XT グラフィックスは、RDNA 3 アーキ テクチャーを採用し、6nmプロセスで製造されています。32CUのパワーを解き放ち、ゲームプレイ時の基本周波数は 2300 MHzを実現します。デザインに精通したクリエイターやコンテンツ制作者向けに設計されたONEXGPUは、画像編集やデザイン、ビデオ編集、クリエイティブな作業をシームレスで行うことができ、視覚的に魅力的な体験を提供します。 2048個のストリームプロセッサにより21.4テラフ

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