e チャレンジングSHIRASE / 南極観測船しらせを見学する | 旅行 | 飛行機と旅行(Aircrafts and Travel)
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チャレンジングSHIRASE / 南極観測船しらせを見学する

南極観測船の3代目の船として活躍、現行しらせ5003に対して「初代」となるしらせ5002は、 現在名称をSHIRASEと変えて「チャレンジングSHIRASE」のイベント名で年間5回、無料で一般公開されています。 また週2回、サッポロビール千葉工場の工場見学とのセット(有料:一人1,000円)でも一般公開されています。 今回2018年7月16日に開かれた海の日イベント「海と日本プロジェクト」でしんかい6500などとともに一般公開されたSHIRASE5002を見学しました。

会場、見学できる船、混雑具合

今回の会場は東京湾岸の晴海ふ頭、白い三角屋根の晴海客船ターミナルと、その横のふ頭を使って開催されました。 客船ターミナル内には各協賛グループの出展・展示があり自由に見て回れます。 1階受付ではスタンプラリーの台紙を配っているので、まずそれをもらって、客船ターミナル内のチェックポイントを巡ります。 また客船ターミナル前の広場ではフードコートが展開されており、たこ焼き、焼きそば、かき氷、ビールなどが楽しめます。 しかしこの年は異例に早く梅雨が明けて35度にも上る炎天下、フードコートでのんびり食事は困難です。
見学できる船は今回自動車運搬船「BELUGA ACE(ベルーガ エース)」、海上保安庁 巡視船「ぶこう」、元南極観測船「SHIRASE(しらせ)」、 有人潜水調査船「しんかい6500」とその母船「よこすか」などです。 「BELUGA ACE」と「ぶこう」は内部見学するためには事前登録が必要。 その他は自由に見て回れます。
混雑具合は決して大混雑ということはなく、どの船も待つことなく乗船できます。 しかしどの船も中は狭いので、あちこちでちょっとした行列が発生します。 なお、ホームページにも掲示されている通り、どの船でも船内見学は狭くて急な階段の上り下りがあり、足場も悪いので、ズボン+スニーカー等の服装が良いと思います。 また炎天下のため体を冷やす装備も必要です。帽子と飲料水の他、濡らすと長時間冷却ができるタオルなども必需品です。 船の中は空調が効いた部屋もありますが、あちこち扉など開けっ放しなのであまり涼しくありません。

しんかい6500

ふ頭に横付けされている4隻の船は、いずれも外観は自由に見学できます。 ただ、事前登録が必要な2隻は一部周辺が隔離されているため、あまり近くには近づけません。
まずはふ頭の一番奥に展示されている「よこすか」と「しんかい6500」を見学しました。 艦内は見学順路がしっかり決められており、それに沿って見学します。 まずはブリッジ、現行艦ということで、最新鋭の航法装置などが見られます。 そして 立派な会議室 、食堂、サロンなどを見たらいよいよ「 しんかい6500 」の格納庫です。
側面のパネルは見学用なのか透明なものが取り付けられており、 中に搭載されている機械も良く見ることができます 。 また「しんかい6500」を海水に下ろすための巨大なクレーンと、とてつもなく太いロープも必見です。 各見学ポイントにはスタッフの方が待機しており、その場で思いついた疑問にも気軽に答えてくれます。 見学を終えると、下船口で、「よこすか」のピンバッチつきの小さなパンフレットがもらえました。 見学に要した時間は約20分でした。

SHIRASE 5002

つづいてSHIRASE 5002の見学です。 まずは乗船口の前にある受付で、ネックストラップ型のスタンプラリー台紙をもらいます。 スタンプラリーはすべて集めると SHIRASEの缶バッジ がもらえるだけでなく、 艦内の分かりにくい見学ポイントを確実にめぐるためのガイドにもなるので参加必須です。 またスタンプ台には南極観測に関するクイズと、その裏には解答が書かれているので、ぜひ楽しみたいところです。
乗艦すると最初のスタンプポイント、ちょっとした行列になっています。 そしてヘリポートのある 巨大な甲板と格納庫 へ。甲板にでると海からの風がとても心地よく感じます。 格納庫では音楽の生演奏や気象に関するクイズ、実験なども行われていました。 そして ブリッジ へ、すでに一旦退役した船であり、「よこすか」に比べると若干古さを感じます。 このブリッジには 「南緯55度通過」の記念メッセージ もあります。
この先は特に決まった見学順路はありません。 まずはブリッジの上に登り、艦首とマストを見学します。 つづいて艦内のいろいろな部屋をスタンプラリーを道しるべに見て回ります。 アニメ「宇宙よりも遠い場所」コラボのパネル展示や、タグボート等関連グループの展示を見た後は一旦甲板に戻って階下のフロアへ。

階下には 食堂 、居住区、 風呂 、トイレ、 床屋 、医務室など、現役当時を伝えるたくさんの部屋を見て回ることができます。 居住区もオブザーバー室の立派な一人部屋から、運航隊員の6人部屋まで、待遇が異なるいくつもの部屋があります。 オブザーバー室では 船の揺れに耐えるために段ボールやパソコンを固定する様子 や、艦内に残っていた記念品の展示もあります。 そして廊下の壁には、現役時代や退役後に撮影された写真パネル、そして現役時代に寄港した、日本中の港から送られた記念の盾が展示されていたりします。
艦内の一部屋は南極観測の紹介展示室となっていて、写真、地図、パネルに各種機器の現物などに手を触れて楽しむことができます。
すべてのスタンプを集め終えたら下船して、受付で缶バッジを受け取ります。 また受付の向かいにでSHIRASEグッズを扱うショップをのぞきます。 見学に要した時間は約1時間でした。
あとは暑い中、焼きそばとビールで軽く腹ごしらえをして、客船ターミナルで体を冷やし、 「海と日本プロジェクト」スタンプラリーの景品となるミネラルウォーターをもらって帰りました。

南極観測船「ふじ」

名古屋港ガーデンふ頭には、SHIRASE 5002の先代、現行しらせからは三代前となる南極観測船「ふじ」5001が展示されています。 船の大きさはSHIRASE 5002と比べるととても小さく感じますが、南極観測の展示としては、こちらのほうが充実しています。 残された施設のいくつかでは、 人形を使って当時の様子が再現 されています。 格納庫に作られている展示室では、模型や映像、パネルを使って「博物館」としてより深く南極観測を学ぶことができ、 雪上車 、ヘリコプターなど、大物の実物展示もあります。 そして2017年には、 展示室が、近代的に全面リニューアル されました。
入場料は300円。名古屋海洋博物館、展望室とのセット券もあります。また近くには名古屋港水族館もあります。 南極観測に興味がわいたら、「ふじ」の見学もおすすめです。

初代南極観測船「宗谷」

もともとはソビエト連邦の依頼で1938年に日本で建造された耐氷型貨物船です。 戦争に伴いソビエトに引き渡されることはなく国内で貨物船として使われていました。 1940年には「宗谷」と命名され帝国海軍の雑用運送艦(砕氷型)となりました。 戦時中は何度も攻撃にさらされましたが撃沈されることはなく生き残りました。 1948年には海上保安庁に移り、灯台補給船として活躍しました。 1955年に初代南極観測船に抜擢され、砕氷能力向上などの多くの改修を受けました。 そして1956年の第1次観測から1961年の第6次観測までの6年間、日本の南極観測を支えました。 のちに東京お台場の船の科学館に移され、南極観測時代の塗装に戻され、現在も船の科学館の対岸に係留され、無料で一般公開が行われています。
初代南極観測船「宗谷」
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国立極地研究所/南極・北極科学館

東京都立川には「国立極地研究所」があります。またこれと併設して「南極・北極科学館」があります。 「南極・北極科学館」は毎週火曜日~土曜日開館で入館料は無料です。 雪上車や ジオラマによる解説 昭和基地の実物大宿泊施設 、動植物、隕石、そしてオーロラの動画などの展示の他、南極で採取された氷にも触れることができます。 屋外には樺太犬のモニュメントが立ち 南極にまつわるグッズが買えるミュージアムショップも併設されています。 南極・北極観測について詳しく知りたくなったら、まず最初に訪れると良いと思います。
「国立極地研究所」も毎年8月第一土曜日など、時々一般公開を行っています。 より本格的に南極観測を知りたくなったら訪れてみるのも良いかもしれません。

飛行機からオーロラを見る

ヨーロッパの夜便では、北側の席に座るとオーロラが見えることがあります。 詳しくはヨーロッパ国際線の飛行機からオーロラを見るをご覧ください。 皆さんも北側の窓側に席が取れた時は、眠いのを我慢してぜひオーロラを探してみてください。