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京都祇園祭・宵山・山鉾巡行の見どころ

  • 開催日程:毎年07月14日~17日 (前祭:さきまつり)/07月21日~24日 (後祭:あとまつり)
  • 開催場所:京都四条烏丸~四条河原町~河原町御池~烏丸御池
学生時代を京都市内で過ごし、その後も機会があるたび祇園祭を訪問している我が家の経験から、祇園祭山鉾巡行の楽しみ方を公開します。 宵山から祇園祭まで、見どころ別の鑑賞ベストポジションなどをご紹介します。

宵山、鉾に登る、授与品を買う

山鉾巡行の3日前から各山鉾町で開かれる前夜祭が宵々山(よいよいやま)、宵山(よいやま)です。 各山鉾に載せられる豪華な装飾品や人形などをすぐそばで見ることができます。 また、各山鉾町が企画したお守り、扇子、手ぬぐい、Tシャツなどなど、多数のオリジナルグッズ(授与品)や粽(ちまき)を買うことができます。 さらに、一部の山鉾では、鉾に登ることもできます(山鉾によっては有料だったり、授与品の購入が必要だったり、女人禁制の制限がある場合も)。
烏丸通り周辺にはたくさんの屋台が出ていいにおいが漂い、鉾では祇園ばやしの演奏が行われ、山鉾町の授与品販売の場(会所)では売り子の子供たちがわらべ歌を歌い、お祭り気分が盛り上がります。 祇園祭をどっぷり楽しむなら、宵山からの参加をおすすめします。
宵々山、宵山は夜だけでなく、日中から開催しています。 夜は人出も多いので、ゆっくり巡りたいなら日中から巡るのがおすすめ。 また授与品は数に限りがあり、最終日にもなると人気商品は売り切れてしまいます。
実は毎年、各山鉾町の授与品を一堂にチェックできる場所があります。 例年祭りの時期になると、JR京都駅の南北自由通路、京都伊勢丹の前の広場で祇園祭の紹介と、各山鉾町のオリジナルグッズの展示が行われるのです(一部展示されないものもあり)。 京都に着いたらまずここでチェックすると良いかも。 注意: 宵々山、宵山が連休と重なる年には、四条烏丸周辺で夕方~夜に歩行者の流れを制限する交通規制が行われます。 こうなると、お目当ての山鉾に近づくのも至難の業となります。 連休に訪れるときは、日中に巡っておきましょう。

御朱印あつめにチャレンジ

最近、宵々山、宵山での御朱印あつめがブームです。 御朱印といっても寺社で授かるそれとは異なり、単なるスタンプ、一種のスタンプラリーです。 各山鉾町会所の授与品売り場のわきにスタンプが置いてあり、スタッフにひと声かけて押します。 一つの山鉾町で複数のデザインを準備しているところもあり楽しく集められます。 また街角や四条の東急ハンズなどでは山鉾などをデザインしたかわいい御朱印帳(スタンプ帳)も売られています。 スタンプの料金は無料または有料。有料の場合、料金は決まっておらず、100円~300円程度を、各山鉾への寄付金として納めます。楽しく山鉾の文化財保護にも協力できるというわけです。 ただ、あくまでスタンプラリーなので、寺社の御朱印と同じご朱印帖に押すと、寺社のほうで良い顔をされないこともあるようです・・・ なお、 公益財団法人 祇園祭山鉾連合会 では、毎年6月~7月、 Makuake をはじめとする各種プラットフォームで、資金調達のためのクラウドファンディングを実施しています。 3,000円、5,000円からの寄附で、粽、手ぬぐい、扇子などのリターンが受け取れます。 あなたも直接祇園祭の開催をサポートできます。

山鉾巡行の見どころ

山鉾巡行は、ただ行列が通りを練り歩くだけではなく、いくつかの見どころがあります。 大きくは「くじ改め」「注連縄切り」「辻回し」の3つあります。 以下で、この見どころ別の鑑賞ベストポジションを紹介します。

くじ改めの鑑賞ベストポジション

各山鉾は、巡行を始める前に、くじ取り式で決められた順番通りに来ているかを奉行に確認してもらう「くじ改め」の儀式を行います。 羽織袴の「町行司」が、京都市長が扮する「奉行」の前で、扇子一本でくじの蓋にかけられた紐を器用に開け、見事な所作で奉行にくじを差し出します。 所作がバッチリ決まると観客からは声援と拍手が沸き上がります。
くじ改めは四条堺町交差点の西で行われます。 京都野村證券ビル前に、南向きに「くじ改め処」が設置されます。 したがって鑑賞のベストポジションは、四条通を挟んで野村證券ビルの向かい側周辺です。
ベストポジションを確保したいなら、巡行が始まる約2時間前、07:00頃から場所取りするのがおすすめです。 なお、くじ改めは、くじ取らずの9基( 先祭:長刀鉾(1番)、函谷鉾(5番)、放下鉾(21番)、岩戸山(22番)、船鉾(23番) / 後祭:橋弁慶山(1番)、北観音山(2番)、南観音山(6番)、大船鉾(10番) )の山鉾以外ですべて行われます。 巡行が始まるとこのあたりの観客の移動も多くなるので、より見やすくなります。 すべてのくじ改めを漏れなく見るつもりでもなければ、巡行開始後時間をあけて見に行っても大丈夫です。

注連縄切りの鑑賞ベストポジション

前祭のハイライトのひとつが注連縄切り(しめなわきり)です。 唯一、稚児人形ではなく本物のお稚児さんを乗せて先頭を進む長刀鉾が、四条通りを横断するように張られた注連縄(しめなわ)を、刀で断ちます。
注連縄切りは先頭を行く長刀鉾のみが行います。四条麩屋町交差点の西で09:20頃に行われます。 したがって鑑賞のベストポジションは、四条麩屋町交差点の東側周辺です。
ただし注連縄切りの時は、交差点から約40m東側を仕切って、報道陣の撮影エリアとなります。 なのであまり交差点から離れると、報道陣にさえぎられて見えなくなります。 注連縄切りは人気が高く、また見える場所が限られています。 ベストポジションを確保したいなら、巡行が始まる約3時間前、06:30頃までには場所取りするのがおすすめです。

辻廻しの鑑賞ベストポジション

交差点で、巨大な鉾の方向転換を行う辻廻し(つじまわし)は、注連縄切りと並ぶ人気の見どころです。 車輪の下に竹を敷き、水をかけて滑りやすくしたうえで、音頭取りの掛け声で引き手たちが一斉に綱を引き、鉾を回します。
辻廻しは巡行コースのなかの曲がり角ごとに行われますが、一番人気は四条河原町交差点と河原町御池交差点です。
交差点周辺であればどこからでも見えますが、逆光にならず日陰となる東側のアーケード下が良いと思います。 植え込み・花壇は避け、鉾の進行方向の前方に位置すると、引き手や音頭取りの様子が良く見えます。 四条河原町交差点の場合を例にとって図示します。 ベストポジションを確保したいなら、巡行が始まる約1~2時間前:07:00~08:00頃には場所取りするのがおすすめです。

鑑賞ポジションの場所の取りかた

どこで鑑賞するにしろ、ベストポジションを確保したいなら早朝からの場所取りが必要です。 その日はホテルでの朝食はあきらめ、早めに出発してコンビニで飲み物と軽食を確保したうえで目的の場所に向かいます。 場所取りでは皆、折り畳みのイスや、小さなレジャーシートに座っています。 しかし巡行が始まると警察の方から、立って鑑賞する様指示されます。なのでアウトドア用クッションなど、簡単にたためて小さくなるものを使うのがおすすめです。 また、場所は必ず「歩道の内側」を選ばないと、警察の方から移動を指示されます。 車道にはみ出したり、交差点の花壇・植え込みなどに陣取っていると、巡行開始直前に立ち退きさせられることになるので注意してください。
なお、好天に恵まれたときは太陽の方角にも注意。3時間近くも待つことになるので、直射日光の当たる場所では熱中症になってしまいます。 午前中に日陰となる、四条通・御池通は南側、河原町通りは東側のアーケード下に陣取るのがおすすめです。

悪天候時の開催

祇園祭は、ちょっとやそっとの悪天候では中止になりません。 雨が降っても雷が鳴っても、台風が接近してもたいがい実施されます。 大雨のなか、びしょぬれになって綱を引く引き手たちがちょっとかわいそうになったりします。 歩道の先頭に陣取って、傘をさしながらの鑑賞は、周りの人に迷惑になるのでNGです。 天気が悪くなりそうなときは、鑑賞する側も傘はたたんでカッパなどを準備して、それなりの覚悟で臨みましょう。
なお、令和2年(2020年)および令和3年(2021年)の山鉾巡行は、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延の影響を受け、 昭和37年(1962年)の阪急電鉄四条通り地下化工事以来、58年ぶりに中止となりました。

山鉾巡行を2回楽しむ

前祭のしんがり、船鉾が四条通りのくじ改め処前を通過するのが11:00頃、そのころ先頭の長刀鉾は御池通りを西に進んでいます。 四条通で山鉾巡行を見送った後、まっすぐ御池通りに上がると、もう一度山鉾巡行を楽しむことができます。

昔ながらの山鉾巡行:新町通り・室町通り

山鉾巡行の最後は、御池通から新町通りまたは室町通りを通って各山鉾町に帰っていきます。 おすすめなのが、この新町通り・室町通りでの山鉾巡行の鑑賞です。 この通りはとても道幅が狭く、山鉾が1台通るのが精いっぱい。手が届きそうな距離を、町屋の軒先をかすめるように巨大な車輪が轟音を響かせて進んでいきます。 まさに昔の山鉾巡行を想像させてくれる鑑賞ポジションです。
鑑賞のベストポジションは、六角通りとの交差点を中心とした、新町通り・室町通り沿いです。 ここを山鉾が通るのは11:30~12:00頃、四条通や河原町通りで最後まで一通り山鉾巡行を鑑賞した後、新町通り・室町通りに移動しても間に合います。 ただし11:00頃になると、六角交差点から北側に向かう通行が禁止されます。御池~六角の区間で鑑賞したい場合は、早めに移動しましょう。

山鉾の解体を見る

お昼過ぎ、山鉾巡行が終わり山鉾がそれぞれの山鉾町に帰ると、すぐさま山鉾の解体が始まります。 小さな山などは、それこそものの数十分で基礎の骨組みを残し、あっという間に解体されます。 祭り鑑賞の帰り道、お気に入りの山鉾町に寄って、手際よく解体される様子を鑑賞するのもおすすめです。

八坂神社のイベントも忘れずチェック

祇園祭は八坂神社の祭礼です。ついつい山鉾巡行ばかりに気を取られてしまいますが、八坂神社でも多くのイベントが行われるのでチェックしておきましょう。 また、この時期には八坂神社で祇園祭限定デザインの御朱印を授かることもできます(事前に描かれたものを限定枚数配布)。 詳しくは八坂神社のサイトで確認できます。

おすすめの宿泊エリア

京都には数多くの宿がありますが、祇園祭を鑑賞するなら四条河原町を中心としたエリアで確保するのがおすすめです。 南は五条通りから北は御池通りあたり、東は東大路通りから西は堀川通あたりまで、この中で宿を探せば、宵山の人込みの中や、早朝の場所取りにも徒歩で行き帰りできます。 バス・タクシーや電車での移動が必要な場所に宿をとると、特に宵山の帰りが混雑で大変なことになります。
四条通りから三条通りの範囲には、古くから営業している宿が多くあります。 修学旅行向けの安宿も多く、設備はチープで古かったりしますが、場所はベストです。 また、巡行前日の夜10:00頃には、月鉾の祇園ばやしがこの辺りを巡回し、スポンサーとなった宿などに立ち寄ったりします。 もちろんこのあたりの宿は早くから予約しないとすぐいっぱいになってしまいます。遅くとも4月には予約を入れたいところです。
宵山、麩屋町六角を練り歩く、京都祇園祭、月鉾の祇園囃子
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