iOS11/watchOS4/tvOS11の新機能と使い方

2017年6月のWWDC2017で発表され、2017年秋に一般ユーザに公開予定の iOS11 と watchOS4 の新機能と使い方をまとめてみました。
アップルからiOS11ベータ版を入手した人(Apple Beta Software Program / iOS Development Program参加者)は、 その機能やスクリーンショットを一般公開したり、各プログラム参加者でない人にベータ版の話をしたりその画面を見せたりすることなどは禁止されています。 ここではアップルその他のサイトですでに一般公開されている情報のみをもとにして、iOS11の解説を行っています。 正式リリース時では、ここで紹介している機能が変更・削除される可能性があります。
Apple - WWDC 2017 Keynote

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iOS11の使えるデバイス

iOS11にバージョンアップできるのは、64bit CPUとなるA7 CPU以降を搭載した、
  • iPhone (2013年秋以降に発売のiPhone 5s以降)
  • 12.9"iPadシリーズ全モデル
  • 9.7"/10.5" iPad (2013年秋以降に発売のiPad Pro/5/Air2/Air)
  • iPad mini (2013年発売の第二世代以降)
  • iPod touch (2015年7月発売の第六世代以降)
のみです。 iOS10の対象デバイスから、iPhone 5/5c第4世代iPad初代iPad miniが削除されます。 iOS11は、2017年秋に無料でバージョンアップ可能です。

iOS11ベータ版の入手方法

アップルは、一般公開前のベータ版を公開しています。これをインストールすれば、未公開の新機能を試すことができます。 iOS11のベータ版は、Apple Beta Software Programに参加することにより、2017年6月27日からだれでも無料で入手可能となっています。 ただし、ベータ・ソフトウェアは商用リリースではないため、エラーや不具合が発生したり正しく機能しなかったりする可能性があることにご注意ください。

iOS11の新機能

iOS11では、新しい“Files”アプリが搭載され、また主にメッセージ、写真、Siriに新機能が追加されます。

新しい“Files”アプリを搭載

iCloud Driveが進化。 iPod/iPad/iPhoneの中、そしてiCloud Driveに格納された、あらゆる「ファイル」を一覧表示できる、新しい“Files”アプリが搭載されます。 Windowsの「エクスプローラー」や、Macの「Finder」に似たアプリです。 各アプリの「共有」メニューに追加される「Save to Files」メニューを使えば、何でもFilesに格納可能。これは従来の「iCloud Driveに保存」の代わりとなる機能です。 そしてオンラインストレージのBox、Dropbox、OneDrive、Google Driveもサポート、これらにアップロードしているファイルも一緒に表示・操作が可能です。
これまでiOSは「ファイル」の観念を隠すことで、初心者への使いやすさを優先してきました。 しかしWindowsタブレットへの対抗と、ビジネスユースからの要望に応えるため、今回の機能搭載となったようです。

FLAC形式の音楽ファイルが演奏可能に


このFilesアプリでは、ロスレス形式である、FLAC形式の音楽ファイルが演奏可能になります。 最終的には音楽アプリやiTunesでもサポートされることが期待されます。

メッセージの新機能

会話内容の共有


会話内容がiCloudで同期されるようになるので、あなたが持っているすべてのデバイスで会話が共有されます。 機種変更でも容易に会話内容が引き継がれます。

2つの新しいエフェクト


メッセージ送信時の画面効果(エフェクト)で、2つの新しいエフェクトが使用可能になります。 "Echo" では送ったメッセージが画面いっぱいに増殖表示されます。 "Spotlight"では送ったメッセージにスポットライトが当たったような効果が付きます。

アプリがより使いやすく


メッセージ送信時に、Appの選択が容易な画面デザインになります。 画面最下部にインストール済みアプリのアイコンが並び、ここから簡単に選択できるようになります。

ビジネスでの活用も可能に


メッセージアプリで、各種サービスが購入可能になります。 企業が提供するBusiness Chatを使い、メッセージで企業に問い合わせをしたり、乗り物のチケット予約など、各種サービスが購入可能になります。 Apple Payの個人間送金の仕組みを使って、メッセージアプリ内での決済も可能になります。

カメラアプリの新機能

新しい写真・ビデオ形式に対応


写真は「HEIF」(High Efficiency Image Format)、ビデオは「HEVC」(High Efficiency Video Coding、H.265)という最新・高圧縮率のファイル形式が使用可能になります。 これにより容量の削減(約50%)や、写真とビデオの組み合わせだったLive Photosが一つのファイルにまとめられるようになることが期待できます。 なお、メールなどで送信するときは自動的にJPEG形式に変換されます。 HEIF形式の写真はiPhone 7/7 Plus以降で使用可能となります。

Live Photosの強化


Live Photosの写真が、撮影後に、関連付けられたビデオの中の任意のシーンから選びなおすことができるようになります。 そしてLive Photosに、ループ(ビデオの繰り返し再生)、バウンス(ビデオの順方向、逆方向再生の繰り返し)、長時間露光(長時間露光撮影したような動きのぼかし)のエフェクトを加えることが可能となります。

QRコードの自動読み取り


カメラアプリでQRコードの自動読み取りが可能になります。 QRコードで書かれたURLにジャンプしたりできます。

写真アプリの新機能

写真アプリがGIFアニメに対応、ちゃんとアニメーション再生されるようになります。 さらにGIFアニメファイルは自動的に「Animated」フォルダに分類されます。 また、顔認識による自動分類が進化。人間だけでなく、ペットの写真の判別と自動分類も行われます。

コントロールセンターの新機能

デザインの変更


コントロールセンターのデザインが変更され、1画面に収まるようになりました。 また、各パーツを強く押す(3D Touch)と、より詳細な画面が表示されるようになります。 アプリ使用中にはコントロールセンターが表示されないように設定することもできます。

画面のカスタマイズが可能に


[設定]-[コントロールセンター]画面で、コントロールセンターに表示するパーツ、表示位置を選べるようになります。 最低限表示されるパーツは“Wi-Fi”、“音楽コントローラー”、“画面回転ロック”、“おやすみモード”、“AirPlayミラーリング”、“画面の明るさ”、“ボリューム” の7つのパーツです。
さらに次のようなパーツを、コントロールセンターに表示/非表示設定することが可能です。 “アラーム”、“タイマー”、“ストップウオッチ”、 “計算機”、“カメラ”、“懐中電灯(Flashlight)”、“省電力モード”、“虫眼鏡”、“画面録画”、 “文字サイズ”、“ボイスメモ”、 “Guided Access”、 “Do Not Disturb While Driving”、 “Apple TV Remote”、 “アクセシビリティへのショートカット”、“メモへのショートカット”、“ホームアプリへのショートカット”、“Walletへのショートカット”

Do Not Disturb While Driving(ドライブ中のおやすみモード)


カーナビにUSBやBlueToothで接続する、あるいはiPod/iPad/iPhone本体の加速度計などで自動車での移動を感知すると、“Do Not Disturb While Driving”機能を有効にするか否かを聞いてきます。 有効にするとメッセージ、電話とメッセージの着信通知、アプリからの通知は抑止され、相手には運転中であることを告げる任意のメッセージを自動的に送信することができます。 もちろんマップのナビゲーションや音楽演奏機能は使用可能です。また、不要なときはいつでも無効にできます(無効にすることを機能制限することもできます)。
また相手が2回目の「緊急」メッセージを送信してきたときには通知されます。 また自動車のBluetoothまたはハンズフリー機器に接続していて、iPhoneを手に取らずに操作できるときは、電話の着信は可能です。

Apple TV Remote


これまで別アプリとして提供されてきた、Apple TVをiPod/iPad/iPhoneでリモートコントロールできる“Apple TV Remote”機能がiOSに内蔵されます。 コントロールセンターに“Apple TV Remote”のパーツを配置し、このアイコンを強く押すと使えるようになります。

画面録画が可能に


iPod/iPad/iPhoneの画面録画が可能になります。 事前に[設定]-[コントロールセンター]画面でこの機能を有効にしておけば、コントロールセンターに録画ボタンが現れ、これをタップすると録画が始まります。 録画中は画面最上部に青いバーが表示され、ここをタップすると録画停止できます。

Siriの新機能

音声がより自然に


ディープラーニングを活用してより自然な応答が可能になります。

キーボードでの問いかけが可能に


アクセシビリティ画面で「Type to Siri」を有効にすると、音声の代わりにキーボード入力でSiriに対して問いかけることができます。 またキーボード入力やSafariの検索キーワード入力時に、Siriが最近チェックした映画、音楽、場所などを提案してくれるので、固有名詞の入力が楽になります。

通訳してくれます


英語から仏語、独語、伊語、スペイン語、中国語への翻訳が可能になります。

Apple Payの新機能

個人間送金(person-to-person payments)が可能に


仮想的な「Apple Pay Cash」という口座/クレジットカードが設定され、Apple Payから入金・支払いが可能となります。 これを使うと、知人など個人間での送金も可能になります。 受け取った金額は別の決済に利用したり、銀行口座に送金することも可能です。 ただし個人間送金はまずはアメリカのみの対応で、利用するにはiPhone SE/6以降、iPad Pro、iPad Air 2/mini 3以降、Apple Watchが必要です。

マップの新機能

一部の都市でショッピングモール、空港、などの建物の中のフロア表示ができるようになります。 またナビゲーション時に、次の曲がり角に合わせた走行車線のガイドや制限速度の表示ができるようになります。

Safariの新機能

広告トラッキングの抑止機能を搭載。 [設定]-[Safari]画面に「Try to Prevent Cross-Site Tracking」オプションが搭載され、これを有効にすると広告トラッキングの抑止ができます。 その他多数の設定が追加されます。

その他の新機能

  • キーボードの新機能 片手用キーボードが搭載されます。 iPadでは[地球儀]キーを長押しすると、キーを左または右に寄せて配置した、片手用キーボードが選べるようになります。 iPhoneでは[絵文字]キーの長押しでも選べるようになります。
  • 初期設定が簡単に 新しいiPod/iPad/iPhoneを設定するとき、近くにiOS11が動作している手持ちのデバイスを準備すると、そこから設定情報をコピーすることができます。 手持ちのデバイスに、新しいiPod/iPad/iPhoneを設定するか否かを尋ねる画面が現れ、OKを選ぶとApple Watchのペアリングのような画像認識とパスコードでペアリングを行い、情報を転送します。 “Apple ID”、“Wi-Fiの設定”、“iCloudキーチェーン”などの設定情報が入力不要になります。
    また、これまで個別の設定画面となっていた “Touch ID”や“iPhoneを探す”、“位置情報サービス”、“診断/使用状況” などが一つの画面で設定完了します。
  • ロック画面のデザイン 通知などがより簡単に表示可能に。
  • App Storeのデザイン Apple Musicに似たデザインに。また「ゲーム」専用ページができます。
  • AirPlay 2 家中にあるホームオーディオシステムやスピーカーを同時にコントロールできるようになります。 複数のスピーカーに同じ曲を流したり、音量を調整することもできるようになります。
  • Emergency SOS [設定]画面で"Auto Call"を有効にしておくと、Sleep/Wakeボタンを5回連打したときに、自動的に緊急電話をかけることができます。
  • 古い(32bit)アプリが非サポートに iOS10でも32bitアプリを起動すると、アプリのアップデートが必要な旨、メッセージが表示されていました。 いよいよiOS11では32bitアプリは非サポートになり、インストールできなくなります。 あなたのデバイスにインストールされている32bitアプリは、[設定]-[一般]-[情報]-[App]から一覧を見ることができます。
  • アンテナマークのデザイン変更 画面左上に表示されている携帯電波の感度を示すマークが「○」から一般的な棒線に。
  • Twitter, Facebook, FlickrなどSNSとの連携の削除 これまでOSレベルで連携していたTwitter, Facebook, FlickrなどSNSサービスの融合が削除されました。 他のSNSサービス同様、各サービスのオフィシャルWebサイト経由での連携操作が必要となるようです。
  • 使用頻度の少ないアプリを自動削除 [設定]画面で設定しておくと、使用頻度の少ないアプリを自動削除することができます。 ただしそのアプリで使用していたデータなどは残っているので、アプリを再インストールすれば元の状態に戻せます。
  • デバイスの容量管理が容易に 新たに「iPhone Storage」画面が搭載され、容量を空けるために、メッセージの古い会話を自動削除、使用頻度の少ないアプリを自動削除、が選べるようになります。
  • 拡張現実:ARのサポート 開発者向けに、拡張現実:ARを使ったアプリが容易に開発できるようになります。 今後、ARを楽しめるアプリが多数リリースされることが期待できます。

iPad向けiOS11の新機能

Windowsタブレットへの対抗と、ビジネスユースからの要望に応えるため、今回は特にiPadをパソコン的に使うための機能が多数追加されています。

新しいデザインのDock

従来iPhoneと同じく4つのアプリが格納できた、ホーム画面下部の「Dock」。 ここが拡張され、8つのアプリが格納できるようになります。 また設定しておけば、最近使ったアプリを自動的にDockに格納できるようになります。

ドラック&ドロップ機能の搭載

iPadではアプリ間のドラッグ&ドロップ操作が可能になります。 メールに添付された写真をFilesアプリに格納したり、アプリ間のデータのやり取りが簡単になります。 またiPhoneでもFilesアプリなど、一部のアプリでドラッグ&ドロップ操作が使えるようになる可能性があります。

Appスイッチャーのデザイン変更

ホームボタンのダブルクリックまたは4本指でのフリックで現れるAppスイッチャーがデザイン変更されます。 Macの画面のように、アプリの画面がタイル状に並ぶものになります。 今使っているアプリが見渡せるようになり、アプリの切り替えも容易になります。

メモアプリとApple Pencil

ドキュメントスキャナ


カメラで書類を撮影すると、端の余分なスペースをトリミングして、傾きや光の映り込みを取り除きます。 Apple Pencilを使って空欄を埋めたり、署名することもできます。できあがった書類の保存や共有も簡単です。

インラインスケッチ


メモアプリでApple Pencilを使って絵などを書き始めると、その周りのテキストが自動的に脇によけてくれます。 また、メモに書き込んだ手書きの文字も検索できるようになります。 さらにApple Pencilでロック画面をタップするだけで、すぐにメモを取り始められます。

インスタントマークアップ


文書をPDF化し、Apple Pencilでコメントを追加(インスタントマークアップ)した上で印刷や送信することが可能になります。

その他の新機能

  • キーボードの新機能 iPadのキーボードで記号の入力が簡単になります。 iPadのキーボードにはキートップに記号表記が併記されます。 このキーを下にドラッグして離すと、キーボードを切り替えることなく併記されている記号を入力することができます。
  • 4つのアプリを同時に表示 画面上に同時に4つまでのアプリを表示可能になります。 従来の、 Split View での2画面表示に加えて、1つのアプリを Slide Over させることが可能。 アプリのアイコンをドックから画面上にドラッグすることで、アプリ上に別アプリを子画面や Split View で表示可能です。 さらにビデオ再生を Picture in Picture で表示させることで、同時に4つのアプリが表示されることになります。
  • Wi-Fiアクセスポイントの共有 iPadに接続しているWi-Fiアクセスポイントのパスワードを、近くのiPhoneに転送可能になります。 使用中のiPadに、iOS11が動作しているiPhoneを近づけると、iPadの画面にWi-Fiアクセスポイントのパスワードを共有するか否かの画面が現れます。

watchOS4の新機能

よりフィットネスで活用できるよう、ワークアウト、アクティビティ、Apple Watch単体でミュージックを楽しむための機能が強化されています。

新しい文字盤デザイン

「万華鏡」、「トイ・ストーリー」、「Siri Intelligent」 の3種類の新しい文字盤デザインが使用可能になります。 「Siri Intelligent」では、リアルタイムでリマインダー、交通渋滞、日没時刻を表示したり、カレンダーや位置情報などから自動的にユーザーに必要な情報をピックアップして表示してくれます。
またiPhoneの写真アプリから、共有メニューを通して簡単にApple Watch用の「写真」「万華鏡」文字盤デザインが作成可能になります。 「写真」アプリで好きな写真を選んで「共有」メニューから「Create Watch Face」を選ぶだけです。 アルバムを使った、自動更新される「写真」文字盤デザインも簡単に作成できます。

ワークアウト・アクティビティ

Apple Watchが、さまざまなフィットネス機器と直接データのやり取りが可能になります。 ジムなどで対応したフィットネス機器を使えば、ワークアウトの情報が自動的にApple Watchに格納されます。 また、ワークアウトで複数の運動を同時指定可能になります。 さらに「プールスイミング」のワークアウトでは、休憩やセットごとのペース、泳法ごとの距離が自動的に記録されるようになります。 アクティビティーアプリでは毎日アドバイスをくれる機能や、月間チャレンジの機能も追加されます。

ミュージックの新機能

Apple Watch単体でミュージックがより楽しめるようになります。 複数のプレイリストをApple Watchへ転送したり、「最近追加した項目」「お気に入り」、最もよく聴いている音楽を自動的に同期することもできるようになります。

その他の新機能

  • フラッシュライトの搭載 コントロールパネルに「フラッシュライト」が追加。暗いところで手元を照らす懐中電灯の代わりになります。
  • iPhoneとのペアリングにNFCが使用可能に 従来の、Apple Watch画面に現れる画像を撮影する方法に加え、NFC無線通信を使ったペアリングが可能になります。
  • Dock画面のデザイン変更 Dock画面が横スクロールから縦スクロールに変更となります。

tvOS11の新機能

写真アプリに「メモリー」が追加

iOS10で搭載された「メモリー」機能がAppleTVでも楽しめます。 写真やビデオからiOSが自動的に生成してくれた「メモリー」をAppleTVで再生しましょう。

Automatic Dark Modeを搭載

設定画面でこれを有効にしておくと、夜間には自動的にダークモード表示になります。

iCloud Home Screen Sync

複数のApple TV間で、ホームスクリーンのレイアウトを自動的に同期することができます。

ビデオ再生の新機能

再生終了時刻が確認可能になります。 ビデオ再生中にリモコンを1回タップしてタイムバーを表示させ、そこでさらにタップするとタイムバーの表示が「残り時間」から「現在時刻」ベースに切り替わります。 タイムバーの最後の部分(右端)には、再生終了予定の時刻が表示されます。 また、ダブルタップで画面の拡大、トリプルタップでサブタイトルの表示も可能です。

その他の新機能

  • アプリの共有 あなたがお持ちのiOSデバイスにダウンロードしたユニバーサルアプリケーションは、Apple TVにも自動的にダウンロードされます。

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