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天体時計Astrodea

Astrodea(アストロデア)、それは世界でも珍しい、精密な天体情報を表示出来るシチズン社の時計です。 Astronomical Diagram from the Earth. それは時刻と共に移り変わる星座配置や、太陽と月の位置、月齢の自動表示機能を有する天体時計。 1984に発売された月齢時計の初代ムーンサイン、バーゼル・フェアーに参考出品されたバーゼル1986モデル、 そして1986年冬に量産されたコスモサイン/コスモサーカディアン・シリーズ、 1987年冬の第二世代のコスモサイン・ウォッチ を経て今回2005年秋にリフレッシュ発売となりました。 ここではこのAstrodeaシリーズの中から、「アポロ」といえば「月」ということで、月と太陽の精密な位置表示が出来る「月齢ウオッチ」をご紹介します。
なお、シチズン社では、複雑時計シリーズとして「カンパノラ(CAMPANOLA)」も制作しています。この中には、天文時計「コスモサイン」もあります。
  • シチズン カンパノラ コスモサイン 星座盤モデル

    CITIZEN(シチズン) 2016-11 302,400円

    星座位置早見機能。北緯35度全天星座表示実現。等級4.8以上の明るさの恒星1027個表示。星雲星団166個表示。月盤による月齢の読取り。日の出日の入り時刻の読取り。月位置表示。電池寿命約3年。

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  • シチズン カンパノラ コスモサイン 月齢盤モデル

    CITIZEN(シチズン) 2016-11 270,000円

    月齢盤と24時間盤による月齢の読取り。太陽の位置及び日の出日の入り時刻の読取り。月の位置及び月の出月の入り時刻の読取り。電池寿命約3年。

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新月齢ウオッチ:Cal.4P85

新月齢ウオッチ:キャリバー4P85は、大小2枚の回転円盤により、太陽と月の位置、月齢の自動表示機能を持つAstrodeaです(写真)。 一般的な1日に1回間欠動作する29.5日周期のムーンフェーズウオッチよりも累積誤差が少なく、最初に月齢を正確に合わせ込めば、次の電池交換(約3年間)までに月齢表示誤差が1を超えることはほとんどありません。 付属のマニュアルには、月齢表示誤差を±0.1以内に合わせ込む方法が書かれています。
ダイアルには大きく11種類の月の満ち欠けパターンが描かれています。 この「24時間盤」は右回りに24時間で1回転し、月と太陽の位置を示します。 さらにその内側には小さな矢印が書かれた「月齢盤」があり、これが「24時間盤」に対して左回りに29.52日で一回転し、現在の月齢を指し示します。 「24時間盤」にはムーンフェーズの他にも多くの情報が書かれており、これらを読みこなすことにより、 次の各天文情報を読みとることが出来ます。
  • 月齢/月の形/潮の干満
  • 月の高度・方位、出没判定(月の出・月の入り)
  • 太陽の高度・方位、出没判定(日の出・日の入り)
  • 空の暗さ、天文薄明
  • 地方恒星時
  • シリウスの高度・方位、出没判定
  • アルクトゥルスの高度・方位、出没判定

(C) CITIZEN / ASTRODEA

新月齢ウオッチの読み方

月齢盤
この写真が時計の中央に位置する「月齢盤」です。 「24時間盤」に対して左回りに29.52日で一回転し、▲(月齢)マークが現在の月齢を指し示します。
そしてこの周りに書かれているドットと数字が月齢を示しています。 写真の例では、月齢約21.4を示しています。
透明文字盤
この写真が「透明文字盤」です。 透明文字盤は固定されており、北緯35度から見た太陽と月の通過する高度方位を示しています。
縦方向の曲線は方位を示しています。 中央上部の垂直線(「S」と表記)が南の空を示し、左側の「SE」が南東、「E」が東、 右側の「SW」が南西、「W」が西の方角を示します。
また、横方向の曲線は高度を示しています。 中央部の二重線のうち、下の線が「日の出日の入り線」、上の線が「月の出月の入り線」です。 高度の区切りは15度づつとなっており、15度、30度、45度、60度、75度の5本が描かれています。 方位も15度づつにラインが入っています。
またダイアル下部の凹字型の曲線は、「高度-18度線」で、天文薄明の判定に使用します。
月齢/月の形/潮の干満
「月齢盤」の▲(月齢)マークが指し示す先から、月齢/月の形/潮の干満を読みとることが出来ます。 「月齢盤」のすぐ外側には、「・」と数字で月齢が目盛ってあり、月齢マークからこの月齢目盛りを読みとります。 写真の例では月齢が約21.2~3であることが分かります。
おおよその月の形は、月齢マークが指し示す先の月の満ち欠けパターンから読みとります。 写真の例では下弦の半月に近い(満月寄りの)形をしていることが想像できます。
潮の干満は月齢から読みとります。 新月(月齢0)、満月(月齢15)の頃は大潮、上弦(月齢約7)、下弦(月齢約22)の頃は小潮となります。
月の高度・方位、出没判定
「24時間盤」の月の満ち欠けパターンの間には、「1」~「12」までの数字とドットが放射状に書かれています(写真のオレンジで囲んだ部分)。 これは各月1日の月の黄道通過点を示しています。 また、「月齢盤」の外側には、「1」「12」「11」~「2」と数字が打たれた同心円が12本並んでます。 これは各月齢における各月1日のおよその月の方向を示す「ドーナツ状月齢目盛」です。
まず最初に、月齢にあったその月の方向を「ドーナツ状月齢目盛」から読みとります。 写真の例では月齢約21で、たとえば8月の場合はピンクの円が示す場所です。
次に8月の場合の黄道通過点を求めます。「8」とかかれたドット(緑の四角で囲んでいます)を結んだ曲線を求めます。 写真の例では赤い曲線がこれを示しています。
最後に時計の中心から、月の方向(ピンクの円)を通る直線(赤い直線)を求め、先ほどの黄道通過点との交点を求めます。 写真の例では赤い円で囲まれた部分です。 ここが月齢約21の8月の位置を示しており、この点と透明文字盤から、現在の月の高度・方位を読みとります。 この時間には、ほぼ真西、高度約16度の位置に月が見えることを示しています。
この方法で求めた月の位置が、透明文字盤の「月の出月の入り線」より上にあれば月が出ており、下にあれば月は沈んで見えないことを示しています。
太陽の高度・方位、出没判定
「24時間盤」の上には、8文字型の「太陽年間軌跡」が書かれています。 この上には「1.1」~「12.1」とマークされたドットが打たれています。 これは各月1日の太陽の位置を示しています。 8文字型図形中央に重なる円弧(天の赤道)との2交点が春分の日(緑の円)、秋分の日(黄色の円)の太陽位置です。
たとえば12月1日の太陽の位置は、写真の赤丸で囲んだ位置です。 写真の例では、12月1日のこの時間の太陽は、ほぼ南東の方向、高度16度付近にあることを示しています。
この方法で求めた太陽の位置が、透明文字盤の「日の出日の入り線」より上にあれば太陽が出ており、下にあれば太陽は沈んでいることを示しています。
空の暗さ、天文薄明
上で示した方法で求めた太陽の位置と、透明文字盤の「高度-18度線」を使用して天文薄明を知ることが出来ます。 太陽の位置が、「高度-18度線」の外にあるときは、太陽が沈んでいても天文薄明状態で、暗い天体の観測には適しません。
写真の時刻の例では、7月1日(赤い円)はまだ天文薄明状態ですが、12月1日(緑の円)はもう天文薄明が終わっていることを示しています。
地方恒星時
「24時間盤」の最外周には、地方恒星時を読みとるための一日刻みの日付目盛りが付いています(写真の「SIDEREAL TIME」と書かれた外側)。 各月1日、6日、11日、16日、21日、26日が「▲」、その他が「・」で示されています。 写真の例では、緑で囲った部分が12月1日に利用する目盛り、黄色で囲った部分が1月1日に利用する目盛りです。 この目盛りは世界時12時基準(日本標準時21時)で描かれています。
たとえば写真が12月21日午後9時であった場合の地方恒星時は、対向する文字盤から、03:30であることが分かります(オレンジで囲った部分)。
シリウス/アルクトゥルスの高度・方位、出没判定
「24時間盤」には水色で、2本の同心円が描かれています。 内側の円がシリウスの軌跡、外側の円がアルクトゥルスの軌跡を示しています。 写真の例では、緑で囲まれた部分が3月1日のシリウスの位置を、 黄色で囲まれた部分が4月1日のシリウスの位置を示しています。 4月11日に写真の状態であった場合は、赤い円より、シリウスは南西の高度約25度に見えていることを示しています。
レジスターリングの使い方
ダイアルの外側には1~31の数字が刻まれた、自由に回転するレジスターリングが付いています。 たとえばある月の6日の月齢が、「月齢盤」の読みから10であったとします。 その場合は、レジスターリングの「6日」の目盛りを、文字盤外側の「月齢10」に合わせます。 するとレジスターリングの各日数から、その日の月齢を読むことが出来ます。 この例の場合、たとえば23日の月齢は約27であることが分かります。
このAstrodea新月齢ウオッチを身につけていると、刻々と変わる月の表情、そして月と太陽の位置を身近に感じ取ることが出来ます。 また、意外と早い月の満ち欠けと運行に、改めて宇宙の営みを感じ取ることが出来ます。 Astrodeaウオッチはどのモデルも年間各500個のみの生産だそうです。 ご希望の方はAstrodeaのサイトをチェックして、チャンスを逃さないようにしてください。