ジョンソンスペースセンター/スペースセンターヒューストン
Johnson Space Center(JSC)/Space Center Houston

  • 所在地:アメリカ ヒューストン 1601 NASA Parkway, Houstone, TX 77058
  • 営業時間:夏期09:00-17:00/冬季10:00-17:00(週末は18:00まで)
  • 休業日:12/25
  • 入場料:大人$19.95($14.95)、子供$15.95($10.95)、シニア$18.95($13.95)(カッコ内はオンライン購入価格)
  • ホームページ:Space Center Houston http://www.spacecenter.org/
  • ホームページ:Lyndon B. Johnson Space Center http://www.nasa.gov/centers/johnson/home/

概要


「こちらヒューストン」
アポロをリアルタイムで体験した世代にとっては、テレビで何度も耳にした言葉だと思います。 この、ヒューストンにあるLyndon B. Johnson Space Center(ジョンソンスペースセンター)は、アポロやスペースシャトルが発射台を離れてから着陸するまでの官制を行なうだけでなく、数々の宇宙飛行士の訓練施設なども集まる、NASAの有人宇宙飛行の中心を成す施設です。 またここには、大人も子供も一緒になって楽しめる観光施設である Space Center Houston(スペースセンターヒューストン)が併設されています。今回、この Space Center Houstonを訪れる機会があったのでご紹介します。

Space Center Houston


NASAジョンソンスペースセンターに併設されたビジターセンターです。 屋内型の施設で、主に子供向けのアトラクションが7個、そしてレストランとショップ、Apollo 17号コマンドモジュールをはじめとしたNASAの歴史的記念品を展示する“Artifact Museum”が入っています。 NASAと宇宙をテーマに、楽しみながら学習出来ます。現地の人には人気の施設のようで、週末にはとても多くの家族連れが訪れ、子供達の元気な歓声が響き渡っています。

Artifact Museum(アーティファクトミュージアム)


NASAの有人宇宙飛行の歴史を辿ることが出来る展示コーナーです。 アトラクションのひとつである“Starship Gallery”の出口が、この展示の入口となっています。 アトラクション“Starship Gallery”は上演時間約30分、一日7回の公演があります。
しかしLevel9 Tour(下記)に参加すると、この上演を楽しむ時間はありません。 そんな時はStarship Galleryを経由することなく、直接ホールから入ることも出来ます。 マーキュリーFaith7 ジェミニ5号 の実機、そしてアポロ17号のコマンドモジュール AMERICAの実機 が展示されています。 月面を再現したリアルなジオラマ では、月面から見る地球の美しさに感動してしまいました。 ただ、このコーナーは照明が非常に暗いので写真撮影には苦労します。ポケットサイズの三脚の携帯をオススメします。 月の石を管理、研究する Lunar Receiving Laboratory(LRL)を再現した部屋 には、展示されているものとしては世界最大の巨大な月の石の実物が数個、そして 触ることの出来る月の石 もあります。さらにASTPの訓練用ドッキングモジュール、SkyLabの訓練モジュール、スペースシャトルの風洞実験用模型なども見ることが出来ます。 じっくり見ても一時間程度で見学できます。

Tram Tour(トラムツアー)


Space Center Houstonの最大のアトラクションが、このトラムツアーです。 トラムに乗って、 ジョンソンスペースセンターの施設を見学することが出来るアトラクションです。コースは“Red tour”、“Blue tour”の二種類があり、巡る施設が異なります。 Red tourはAstronaut Trainig Facility、Blue tourはMission Control Centerを見学し、最後にSaturn Vが展示されているロケットパークを訪れます。 いずれも所要時間は約90分。 各コースの出発時間は館内でもらえるパンフレットに書かれています。
しかしNASA/アポロフリークのあなたにお勧めなのは、この次に説明する「Level9 Tour」への参加です。

Level9 Tour(レベルナインツアー)

スペースセンターヒューストン究極のアトラクションがこのレベル ナインツアーです。参加には事前予約が必要。一日限定12人までしか参加できません。 NASAのスタッフがガイドに付いてくれ、いつでもどこでもあらゆる質問に答えてくれます。 また、このチケットにはツアー参加日とその翌日の2日分のスペースセンターヒューストンの入場券、そしてツアー中のランチも含まれています。
チケットはスペースセンターヒューストンWebサイトから予約、購入が可能です($89.95)。 参加の条件は14歳以上であること、そして説明をヒアリングできるだけの英語力があることだけです。 ツアーは月曜日~金曜日の一日一回または二回開催され、所要時間は4~5時間、ほぼ丸一日つぶれてしまいます。 トラムツアーで巡る施設をすべて網羅し、さらにトラムツアーでは入れないところにも案内してくれます。

Level9 Tourの開始


Webサイトで予約・支払いの上、スペースセンターヒューストンに到着したら、まずは入口右のインフォメーションセンターに名前を申し出ます。 予約画面をプリントアウトしたものを提示するとスムーズに進みます。 集合場所、時間の説明を受け、入場券とツアーの参加証:VIPタグを手渡されます。 集合時間(10:30頃)までは、自由に館内を見学できます。
ツアーはトラムツアーと同じところから出発します。 まずはトラムツアー乗り場で持ち物検査と、ひと組ずつ記念写真。もちろんこれは帰りに有料で購入できます。 観光地ならどこにでもあるシステムですね。
そしてトラムとは異なる専用のバンに乗って出発です。 気さくなガイドさんは発音も明瞭で、ヒアリングも苦になりません。 車内では参加者が簡単に自己紹介。夫婦での参加がほとんどで、北米だけでなく、ヨーロッパや中東など世界中から参加されていました。

Ellington Field


バンはいきなりジョンソンスペースセンターを離れ、一般道をひた走り、最初に向かうのはエリントン空軍基地(Ellington Field)です。 ここは車内からの観光のみですが、ハンガーの手前など、要所要所でクルマを止めてくれて解説してくれます。もちろん写真を撮るのも自由です。 ここは、NASAの宇宙飛行士が、JSCとKSCの間を移動する時に利用する飛行場で、飛行士の利用する T-38訓練機 をはじめ、スペースシャトルの操縦訓練に利用するGulfstream II“The Shuttle Training Aircraft(STA)”、無重力訓練に使用する「ゲロ彗星」ことC-9 “Weightless Wonder”、そしてスペースシャトルの部品などを輸送するBoeing B377SG“Super Guppy”、スペースシャトル輸送用ジャンボジェットBoeing 747-100“Shuttle Carrier Aircraft(SCA)”などがベースとしています。 我々が訪れた時は、T-38、 ガルフストリーム、 スーパーグッピー(遠目に)を見ることが出来ました。また基地の入り口には古い“Weightless Wonder IV”が展示されており、帰りに間近で見ることが出来ます。
これらEllington Fieldに所属する航空機の詳細については、NASAの資料Ellington Field Aircraft(PDF)で読めます。

Sonny Carter Training Facility(SCTF)


バンはJSCにきびすを返し、続いて訪れたのは、無重力での船外活動(EVA)を訓練する 巨大プール です。 施設の名称はNASAに貢献した宇宙飛行士Sonny Carter氏の名前を冠して“Sonny Carter Training Facility”と呼びます。 ここに設置されているプールの水深は40フィート(約12m) 、サイズは202x102フィート(約61.5mx31m)もあります。 この中には実物大のスペースシャトルのペイロードベイ、ISSの主要部分が作り込まれていて、リアルな訓練が出来ます。
見学は、プールの横に設置された見学用キャットウォークから見下ろす形となります。 キャットウォークにはプールの内外を撮影するカメラのディスプレイがいくつも設置されており、プール内での訓練の様子を間近に見ることが出来ます。 前日は日本人宇宙飛行士が訓練していたそうですが、我々が訪れた時はメンテナンス日とのことで、二名のダイバーが施設を点検しているのが見られただけでした。
Sonny Carter Training Facilityについては、NASAのサイトSonny Carter Training Facility - Neutral Buoyancy Laboratoryで読めます。

Building 3 - Astronaut Cafeteria


そしてランチです。JSCの本部が入っているビルディング1の隣、宇宙飛行士も利用するという、ビルディング3のカフェテリアで昼食をとります。 各自一枚のチケットをもらい、好きな物を選ぶことができます。まぁ、普通のアメリカのカフェテリアといった感じです。 カフェテリアにはちょっとした売店もあり、食事の後、出発までの時間にNASAグッズの買い物も可能です。

Building 9NE - Space Vehicle Mock-up Facility(SVMF)


次の見学はSpace Vehicle Mock-up Facilityです。 巨大な建物の中に、 ISS:国際宇宙ステーションの主要モジュール(Space Station Mockup and Training Facility:SSMTF) スペースシャトルオービターの実物大モックアップ が所狭しと並んでいます。 こちらも見学は、モックアップの横に設置された見学用キャットウォークから見下ろす形となります。 ISSのコーナーでは、非常脱出用に備えられている ソユーズ宇宙船 も見られます。もちろん日本の「きぼう」のモックアップもあります。
また、シャトルのコーナーでは、耐熱タイルに破損が生じたときのための、宇宙空間での修理を訓練する施設や、 マジックハンド:Canada Armの操作練習施設 も揃っています。
さらに二足歩行ロボットの試作機や、月面などの微少重力下での歩行をシミュレートする装置なども見られます。 我々が参加したときは、ガイドさんの計らいで、この建物の1Fにあるラボラトリを窓越しに覗かせてもらえました。 そこには、2010年11月のシャトルの飛行(STS-133)でISSに運ばれるロボット: Robonaut 2 を見ることが出来ました。
Space Vehicle Mock-up Facilityについては、NASAのサイトSpace Vehicle Mock-up Facilityで読めます。 また、Robonaut 2については、NASAのサイトRobonaut 2で読めます。

Building 30S - New Mission Control Center(MCC)


いよいよミッションコントロールセンターです。今まさにISSをはじめとするNASAのミッションをコントロールしている場所です。 機材の関係で強力な冷房がかかっており、とても寒いです。 見学はコントロールの手前のViewing Areasに座ってのガラス越しとなります。 同時に多くの人が入れないので、しばし1Fのホールで待たされた上で、いよいよ見学となります。
ここに、ミッションコントロールセンターは大小3部屋あり、ミッションの内容に応じて使い分けられるそうです。 中でも最も大きな部屋は24時間体制でISS:国際宇宙ステーションの管理を行っています。 この部屋に設置されたディスプレイには、ISSに搭載されたカメラで撮影された映像や、CGによるISSの位置や姿勢などを示すデータがリアルタイムで刻々と更新表示されています。 まさに宇宙とダイレクトに繋がっている部屋、という感じです。
ここではミッションコントロールを行っている NASAのスタッフが詳細な解説 を行ってくれます。 その後で質疑応答も受け付けてくれます。 皆気さくな人たちで、ジョークを交えながら和やかな雰囲気で解説が進んでいきます。 解説を聞いている間にも、背後のISSからの映像は昼から夜に移り変わっていき、ISSの移動速度の速さを感じます。
NASAの資料Mission Control, Houston(PDF)にNew Mission Control Centerの説明があります。

Building 30N - Historic Mission Control Center(MCC)


そして今度は、あのアポロ計画の指揮が行われた Historic Mission Control Center へと進んでいきます。 アポロ計画の数々の記録映像に登場し、ドラマ「人類、月に立つ」でもさんざん見慣れたあのミッションコントロールセンターの実物です。 1985年にはアメリカの「National Historic Landmark(歴史的建造物)」にも認定されている「遺産」です。 トラムツアーの参加者はここでもViewing Areasに座ってのガラス越しの見学ですが、 Level9 Tour参加者は、実際にコントロールセンターのフロアに入って、コンソールに触れたり、 フライトディレクターの席 に座って記念写真を撮ることも出来ます。 (現在は、2019年7月のアポロ11号50周年に向けた復元作業のため、一部入場エリアが制限されています。)
壁には当時そのままに アポロ計画のミッションパッチ が貼られており、アポロ11号が月まで運んで、そして持ち帰った星条旗が掲示されています。 ツアー参加者の興奮も最高潮、皆思い思いに写真を撮りまくり、質問しまくり、アポロ計画の当時に思いをはせます。
NASAのサイトJSC Celebrates 40 Years of Human Space FlightにHistoric Mission Control Centerの説明があります。

Building 32 - Space Environment Simulation Lab (Vacuum Chamber)


Historic Mission Control Centerにつく頃にはすでに夕方4時。時間がないため今回はVacuum Chamberは見学スキップとなってしまいました。残念。

Rcoket park - Saturn V


見学の最後は世界に3セットしかない アポロ・サターンVロケット とのご対面です。
ここのサターンVはもともと野外展示でしたが、アポロ11号の月着陸から38年目に当たる2008年7月に、屋根が建築され、美しくレストアされて再公開となったものです。 第一段はアポロ19号用に生産された S-IC-14 、第二段はアポロ20号用に生産された S-II-15 、第三段はアポロ18号用に生産された S-IVB-513 です。 また、建物の外には、アポロ宇宙船の飛行試験に使用された Little Joe II と、 マーキュリーレッドストーン&サターンVのF1エンジン の現物が展示されています。 Little Joe IIは「リトル」と名が付きながら、レッドストーンより巨大なのに驚かされます。 しかし当日はあいにくの雨で、見ての通り屋外展示に注目する見学者はほとんどいませんでした・・・。
サターンVの見学時間はたった10分。 S-IC側 から入って、中をガイドさんの説明を聞きながら歩き、 CMの先端 まで着くとおしまいです。 私はガイドさんの説明も聞かずに、走り回って写真を撮りまくってしまいました。 トラムツアーの参加者も、与えられる見学時間は同様な様子でした。 ここでじっくり写真を撮りたかったら、クルマでJSCに乗り付ける必要がありそうです。 Saturn Vの建物の周りには特にゲートなどもないので、クルマで乗り付けて、勝手に見学できそうです。
CMの先端まで着くと、VIPタグを返却してバンに戻ります。 車内では最近のシャトルミッションの飛行士のポートレイトなどを記念品としていただきました。 トラムツアー乗り場に戻り、ガイドさんと握手を交わしてツアーは解散。この頃には午後4時半を廻っていました。
あとは館内の展示品と ギフトショップ をざっと眺めるともう閉館時間が迫ってきます。 じっくり見学するには、あと1~2時間足りない感じでした。

どうやって行くか、どこに泊まるか


ジョンソンスペースセンターは、ヒューストンのダウンタウンから、George Bush Intercontinental空港と反対側に、クルマで一時間以上と、NASAの見学施設の中でも特に観光客には行きにくい場所にあります。 現地ツアーに参加する手もありますが、この場合は時間も限られるので、Level9 Tourには参加できません。 ジョンソンスペースセンターだけを目的にヒューストンを訪れるのであれは、スペースセンター近くのホテルに部屋を取り、空港からタクシーで直行するのが一番楽でしょう。 William P. Hobby空港を利用すれば、ジョンソンスペースセンターまでクルマで30分くらいです。 ただ、スペースセンターから徒歩圏にいくつかホテルがありますが、いずれもアメリカ郊外にありがちのモーテルタイプなので、クルマがないと食事にも困りそうです。 他の観光なども考えると、やはりホテルはダウンタウン近郊に取りたいところですね。
私はホテルをヒューストン最大のショッピングモール:The Galleria内にある WESTIN GALLERIAとし、ここからタクシーで往復しました。 タクシー料金は片道約60ドル、約1時間弱。決して安くはないですが、Level9 Tourに参加したい観光客にとっては最も便利で、唯一の選択肢とも言えます。
なお、ダウンタウンからは路線バスも有り、料金も三分の一以下で行けますが、本数は少なく、片道1時間半以上かかります。 路線バスのダイヤや料金は、Houston METROのWebサイトで調べることが出来ます。
また、タクシーを利用する場合は、帰りの足の確保も問題です。 スペースセンターのインフォメーションではタクシーの呼び出しは行ってくれません。ただタクシー会社の一覧を印刷したメモをくれるだけです。 閉館時刻は夕方で渋滞&タクシー利用客も増える時間なので、電話をしてもなかなか来てくれません。 私は偶然他のお客をピックアップにきて、そのお客に会えずに困っている運ちゃんを見つけて乗っけてもらいました。 来るときに乗るタクシーの運ちゃんに、帰りの出迎えを交渉するのも手かもしれません。

  • Johnson Space Center: (Images of Aviation)

    LM

    Arcadia Publishing; 1st Ed. edition 2013/02/04 USD19.86

    NASA 's Johnson Space Center (JSC ) in Houston, Texas, has been the home of human spaceflight operations since its inception in 1961. The first US manned spaceflight controlled from its iconic Mission Control Center was in 1965. From JSC 's control center, engineers also helped place humans on another celestial body for the first time, operated 135 Space Shuttle missions, and expanded human spaceflight to an international endeavor. Housed on more than 1,600 acres just south of downtown Houston, the center is the curator for the precious samples returned from the moon, the base for the training of astronauts, and the developer of innovative engineering to support future exploration deep into the solar system and world-class technical research on earth.

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